エピローグ
ザザ、、、、、
ザザ、、、、、
波の音、、、、
大きな船の甲板。
ナナミと二人で遠くの陸地を見ている
この船は、遠くに見える北の大地を目指している。
ナナミ「もうすぐ着くね」
リオウ「ああ」
あのリュカとの別れから10年。
あの後直ぐ、俺は王国騎士団に入団。
団員として王国に貢献した。その貢献が認められ、若干25歳の時に10人しかいない国王直属の騎士、聖騎士に選ばれた。
それはとても名誉な事であった。
誰しもが憧れる職業に、俺は就いた。
でも。
でも、俺はそれを捨てて、ある事をするため、この船に乗っている。
リオウ「でも、本当に良かったの?付いてきてくれて、、、」
ナナミ「またその話をぶり返す〜?」
あの後すぐ、俺はナナミに"好きだ"と、伝えた。その時、ナナミに了承してもらってから今まで、付き合っている。
あの時の事は悲しかったけれど、リュカが言っていた通り、誰も悪くないと思った。
だからこそ俺のナナミが好き、という気持ちは揺るがなかった。
ナナミ「いいの!私も会いたいし!」
リオウ「そっか」
二人はそのまま無言になる。
ザザ、、、、、
ザザ、、、、、、
船は波をかき分けて進んでいる
空は晴れていて鳥が飛んでいる
太陽は高く上がっていてだいぶ北に来ているというのに暖かい。
あの日、
あのリュカと別れた日。
リュカは北に飛んで行った。
北には、人を寄せ付けぬ地があった。
、、、何となく、リュカはそこに居る気がする。
会えるかどうか分からない。
会えない確率の方が断然高いだろう。
けれど、俺は試さずにはいられなかった。
会いたい。
ただ、会いたい。
あの後、10年、色々あった。
話したい事がいっぱいあるんだ。
だから、会いたいんだ。
リュカ!!
君に!
会いたいんだ!
大好きな、
君に!!!!!