白い世界
、、、、白い、空間。
気がついたら僕はそこに立っていた。
何もない。
白
白の、世界、、、
ふと、前を見ると
白い、竜がいた、、、、、
リオウ「リュカ!!!!!」
僕は嬉しくて
飛びついて、抱きつこうとする。
、、、でも。
体がピクリとも動かなかった。
リオウ「リュカ、、、、、」
リュカは優しくリオウを見ている
リュカが何を言おうとしているのかは、何となくわかっていた。
それは、きっと、
お別れを、
言おうと、しているのだと、思う。
リオウ「行かないで!!!」
僕は叫んだ
リオウ「ごめんね、リュカ、、、こんな事になるなんて、、、、」
リオウ「こんな事になるから、、、、、、誰にも言っちゃダメだって、、、言ってたん、だね、、、、、」
リオウ「それなのに、、、僕は、、、、
」
リオウ「僕は、、、、、、!」
リオウ「、、、約束を、破って、、、、」
リオウ「リュカとの、約束を破って、、、!!!!」
リオウ「僕のせいで、、、、」
リオウ「僕のせいで、、、、ごめん、、、、」
リオウ「ごめんね、、、、リュカ、、、、、」
リュカは黙って聞いている。
優しく、リオウを見ている。
それはいつもの様に。
この、5年間、ずっと、そばにいてくれたように、、、、。
ずっと、一緒に過ごしてきた時の様に、、、
、、、、、、、。
そして。
ゆっくりと、リュカが口を開いた、、、。
リュカ「謝る事なんて、ないんだよ、リオウ〜」
リオウ「リュ、、、カ、、、、、?」
リュカ「別に、リオウのせいじゃないのさ、こうなったのは〜」
リュカ「こうなることは、初めから分かっていた事なんだよ〜」
リュカ「ワシが、初めてリオウに話しかけた時から〜」
リュカ「ワシが、リオウと話したくて、ワシの結界に、連れてきたのさ〜」
リュカ「だから、リオウのせいでは、ないんだよ〜。ワシが、リオウに話しかけたとき〜」
リュカ「こうなる事は〜」
リュカ「もう、決まっていたんだよ〜、、、、、、、、、」
リュカ「だから、リオウのせいでは、無いんだよ〜」
優しく微笑む。
イカツイ竜の顔なのに、ニッコリと、笑っている様だった、、、。
リオウ「りゅ、、、か、、、、、、」
と、
その時、
白の世界が、壊れる
リュカ「時間だ〜。リオウ〜」
白の世界が壊れて行く。
リオウ「りゅ、、、、か、、、、」
リオウ「りゅかああああああああ」
僕はその壊れる世界で子供のように泣きじゃくっていた、、、、、、
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世界は元の色に戻る。
そこは滝壺のある森の中。
リュカのいる場所への入り口の場所。
元の世界。
何人かの騎士達は世界の変化に戸惑っている。
何人かの騎士は座り込んでいる。
何人かの騎士は立ち尽くしている。
そして、何人かの騎士達は上空を見ている。
バサッ、、、、、バサッ、、、、、、
上空には、白い竜の姿。
バサッ、、、、バサッ、、、、、、
上空を旋回している、、、、
バサッ、、、、バサッ、、、、、、、
リュカの姿
バサッ、、、、、バサッ、、、、、
もう、手は届かない。
あの時は戻らない。
リュカは今にも飛び去ろうとしている。
お別れは、先程済ませた。
だから、いつでも、飛び去ってしまうだろう。
僕は見ていた。
その目に焼き付けようと
その姿を
リュカを
「り、、、お、、、、う、、、、」
頭の中に声が響く
リオウ「リュカ!?」
思わず僕は叫んだ。
周りの騎士達は僕の事を変なもののように見ていた。
「り、、、、お、、、、、う、、、」
リオウ「何!?なに!?リュカ!?」
周りの目など気にせず叫ぶ
「り、、、、、お、、、、、う、、、
」
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上空で、白い竜は一人呟いている
白竜「リオウ、、、、、」
白竜「リオウ、、、、、そなたと、、、」
白竜「そなたとの、毎日は、、、、、」
白竜「そなたとの、毎日は、楽しかったぞ、、、、、!!」
白竜「楽しかったぞ、、、!!!」
白竜「そなたと、会えて、、、、」
白竜「ワシは、、、、、、」
白竜「良かった、、、、、、!!!」
白竜「幸せで、、、、、、」
白竜「あったぞ、、、、、、、、!」
白竜「さらばじゃ、、、、」
白竜「リオウ、、、、、、、、」
白竜「達者で、、、、、な、、、、」
白竜は、地上にいる、泣きじゃくっている少年に、そう挨拶をして
そして、
北の大地へ
飛び立っていった、、、、、、、、
バサッ、、、、、バサッ、、、、、、
バサッ、、、、、バサッ、、、、、、
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リオウ「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、、、」
地面に泣き崩れる
鼻水がこぼれ落ちる
容姿など気にしていられない。
ただ、ただ、泣きたかった。
涙が枯れるまで、
僕は泣き続けた、、、、、、
最後の、最後まで
優しかった、、、、、
大好きな
リュカとの
別れを
悲しんで、、、、、、、、