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竜と少年の物語  作者: ふるたく
6/9

話せば分かるのに

リオウ「はあ、はあ、はあ」


深夜2時過ぎ。


月明かりだけが頼りの真っ暗な暗闇の森の中を急いで走る。


リオウ「はあ、はあ、はあ」


間に合って欲しい


リオウ「はあ、はあ、はあ」


そりゃ、目の前に急に竜が来たら普通、人は驚いてしまう。間違っても友達とは思わないだろう。


しかも今回相手は大人数の騎士だ。


騎士の目の前に竜というモノがいれば、そりゃ、争いになるのは目に見えている。


しかも、今回はどう考えても、戦いに来た、としか思えなかった。


馬車、5台って、、、、


一台に八人乗ってたとして、40人近くの騎士がいるという事になる。


それは戦争するのと変わらない人数だろう。


リオウ「間に合ってくれーーー!!」


一人、暗闇に叫ぶ



話せば分かるんだから。リュカは良い竜がだって。


でも戦いになったらどうなるか分からない。


だから、その前に、止めないと。


伝えないと。


リュカは良い竜なんだって。



__________________________________


暗闇の中を走りながら先程のナナミとの会話を思い出す。


ナナミ「どうかしてるよ、リオウは」

ナナミ「騙されてるんだよ。」

ナナミ「いつ、襲って来るか分からないんだよ?」

ナナミ「怖いよ」

ナナミ「近くにあんな大きな竜がいるなんて」

ナナミ「安心して、眠れないよ」

ナナミ「だから、王国騎士団に連絡したの」

ナナミ「直ぐ来てくれるって。」

ナナミ「良かった。早く退治して欲しい」


なんで、、、どうしてそんな事を


見たら分かるじゃないか、リュカは人を襲うような竜じゃないって


ナナミはリュカと話したじゃないか。なら分かるはずじゃないか。


リュカはとっても良い竜だってこと!


なんで、そんな事、したんだ、、、、


バカ!


ナナミのばか、、、、



暗闇の森の中をひた走る。


ふと、リュカが何故


『ワシの事は誰にも言ってはいけないよ』と


言っていたのか


分かったような気がした、、、、、


__________________________________


リオウ「はあ、はあ、 はあ」


森の中心にある滝まで来た。


正確には、"滝のあった場所"、まで来た。



え?


、、、、なんで??



滝が枯れていた。



水はちょろちょろとしか流れていない。



滝壺の底の岩場が丸見えになっていた。



この丁度滝壺の真下の岩場



そこは、岩場に見えて通り抜けられる不思議な岩場。白竜のリュカのいる場所に行けるトビラ。


そこが、滝が枯れた事によって丸見えになっていた。


リオウ「そんな事、、、出来るの??」


王国騎士団には不思議な術を使う者もいるという。


驚きはしたが、こんな大それた事、出来たとしても、不思議では無かった。



カーン、カーン、キーン、キン!キン!



ワー、ワー、ワー、ワー、



音がする。声がする。


その不思議な岩場の方向から。


それはさながら戦争の音、と思った。


リオウ「戦ってる、、、、?」


きっとリュカと王国騎士団が戦ってる音だろう


そうとしか思えなかった。


戦いが始まれば、どちらかが倒れるまで終わる事は無いだろう。


リュカが傷付いても困るし、王国騎士が傷付いても困る。


でも、、、!


リオウ「早く、戦いを止めなくちゃ、、、」


出来るかは分からない。


けど、やらなくちゃいけない。


話せば分かるんだから。


誤解だって。


リュカは良い竜だって。


話せば、分かるんだから、、、


僕は


一足飛びでその不思議な岩場に飛び込んだ、、、、、、、


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