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竜と少年の物語  作者: ふるたく
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幸せのとき

リュカ「おや〜、お客さんかい?リオウ」


この緑の広場の主、白竜のリュカが僕にの〜んびりと尋ねる。


、、、ちょっと心なしかリュカの目がタレ目になっているように見える。


、、寝起きかな?


リオウ「そうだよ、いつか話したろ?幼馴染のナナミ!それがこの人さ」


と、リュカにナナミを説明する。


それを聞いて、白竜のリュカは


リュカ「ナナミ?、、、ナナミ、、、ナナミ、、、ナナミ?」


と、何やらぶつくさ一人で呟いている。


、、、たまにリュカはこうやって一人で考え込む事がある。


いつもの事、と、僕は彼を無視して


リオウ「ナナミ、驚いた?


竜は、いたんだよ!この森に!!伝承は

、嘘じゃ無かったんだ!」


と、ナナミに驚きの事実を伝える。


ナナミは、まだ、目を丸くしていた。


(ふふ、驚いてる、驚いてる。無理もないけどね。)


僕はニヤニヤしていた。



、、最高に嬉しかった。


大好きなリュカの事を、もっと早く皆んなに伝えたかったから!しかもそれを大好きなナナミに1番最初は教える事が出来て!


とっても、嬉しかった!


リオウ「この竜の名前はリュカ!この竜はとっても良い竜なんだよ〜。


ただ〜、、、最近、ちょっとボケてきてるけどさ!」


と、ニコニコと少しからかい気味にリュカをナナミに紹介する。


対して


リュカ「ボケてきてる、は、ひどいのう〜」


なんてリュカは僕のからかいに文句を言っている。


ふふ、


ふふ、なんて楽しいんだろ。


僕の大好きな人達が!ここに集まって話をしている!この状況!


夢みたい!


最高に、幸せな時間だった。



もっと、早くこうすれば良かったんだ!


、、なのに、



あれ?


ナナミの対応がちょっと変だった。


ナナミは硬直している。


リオウ「ナナミ?」


まださっきの水の影響かな?ナナミはまだ本調子じゃなさそうだ。


ナナミ「あ、リオウ、凄いね。ほ、本当にいたんだね」


あ、なんだ


良かった、大丈夫みたいだ


ふふ


その言葉が聞きたかったんだ


リオウ「でしょ〜〜〜」


顔が緩んでしまうのを止められない。


と、


(、、あ)


、、、、大事な事を忘れていた。


つい、このご対面が嬉しくておざなりになってしまっていた、ことがあった。


それは、、、


、、、一応、リュカに謝って置かなくちゃ、、、、


ということ。



遅れても何しても、言わなくちゃいけない事は言わなくちゃいけない。


それが、リュカに教えられた事の一つだった。


リオウ「あ、でも、ごめん、リュカ。勝手に連れてきちゃって。誰にも言わないって言われてたのに」


と、謝る。


今楽しくて幸せであったとしても、リュカとの約束を破ってしまった事は確かだ。


それは、謝らなくちゃいけない。


でも


それに対してリュカは


少し考えてから


リュカ「いいのさ〜。気にしなくて大丈夫さ〜、リオウ。いつかは〜、必ず、こうなった〜のだから」


と、ニッコリ笑って許してくれた。


怒られる、と思っていた僕は一転して笑顔が復活する。


へへ、そう言うと思ってたよ、リュカ!


なんだかんだ言ってリュカはとっても優しいんだ。


だから好きなのさ。



それから、3人で色々話した。


時間を忘れて。


楽しかった。



、、、、でも、僕はだからこそ、見過ごしていた。



初めにリュカがナナミを見たときの少し悲しそうな顔と



ナナミは何かを笑顔で隠す事が得意だと言うことに、、、、、


リュカ「おお、思い出したぞ、リオウ」


3人でお喋りをしているとき、何やらリュカが言い出した。


リオウ「ん?何?何思い出したの?」


何気なしに聞き返す。


(、、、僕はそれを少し後で多大に後悔することになる。)


リュカ「おー、この子の名前、ナナミというのじゃろ?」


リオウ「うん、さっき言ったろ?」


ナナミは黙って話を聞いている。


リュカ「そうそう、何処かで聞いた名前じゃな〜って思ってたのじゃ」


リオウ(だろうな、僕がいつもここでナナミの事話題に出してたからな)


リュカ「リオウがいつも文句を言うてた」


リオウ(そうそう)


リオウ(ん?)


リュカ「暴力女の事じゃな」


瞬間 吹雪が吹いた


リュカ「いつも言っておったの〜。口うるさい、口うるさい、細かい、短気、短気、短気」



リュカ「あと、なんだったかの〜」


リュカ「んーーーー」


リュカ「ん〜〜〜〜」


リュカ「ん〜〜〜〜〜〜〜」


リュカ「ん〜〜〜〜〜〜〜〜」


リュカ「おお!」


リュカは、ポンッと手を叩き


リュカ「そうじゃそうじゃ」


リュカ「ペチャパイ!」


リュカ「じゃあ!」


リュカ「ペチャパイと言っとった〜」


リュカ「ペチャパイと〜」


リュカ「ペチャパイ〜」


リュカ「いや〜、ようやく思い出したわい。ホッホッホー」


リュカ「ホッホッホ〜」


リュカ「ホッホッホ〜」


リュカ「ホッホッホ〜」


リュカはとっても嬉しそうだった。



、、、でも、僕は


隣のナナミの


視線に


殺気を感じ


ていた、、、、、

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