リュカ
目の前に、白い竜、がいた、、、。
それが、僕と、白竜、、、リュカとの出会いだった。
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僕の名前は「リオウ」12歳だ。
「ドラゴンの森」と呼ばれる森のそばにある村に住んでいる。
自分でも信じられない事だが、僕は最近、白竜と知り合いになった。
彼の名前は「リュカ」といった。
彼の話によるともう数万年も生きていて、自分が何歳かなんてもう
リュカ「がっはっはー、もうそんなもの既に数えるのは止めてしまったわー」
と、大きな口を開けて笑っていた。
僕は子供の頃、「ドラゴン」の大ファンだった。それの熱が今、また復活していた。
僕は彼に色々質問をした。
身長は?体重は?仲間は?何食べるの?リュカは強いの?この伝承は本物?
などなど。
彼とはずっと喋っていた。
いくら話しても足りなかった。
僕は毎日のようにリュカの元へ足を運んだ。
リュカの元から家に戻ると、もう既に外は真っ暗だった事は数え切れない。
その度に両親からこっぴどく怒られて、外出禁止になったりもした。
でも、僕はどんなに邪魔が入ろうと時間を出来るだけ作ってリュカに会いに行った。
リュカは凄く物知りで、物事の道理を知っていた。
僕が親と喧嘩したり、友達と喧嘩したり、何か上手くいかなかったり、何か良い事があったりするたび、
それを根掘り葉掘りリュカに伝えた。
それをリュカは、
リュカ「そうか、そうか、がっはっはー」
と話を聞いてくれ、時にはアドバイスだったり、「教え」を説いてくれた。
また、そのたびに
リュカ「青いのー、がっはっはー」
、、、と、笑い飛ばし
僕の悩みも吹き飛ばしてくれた。
僕はリュカが大好きだった。
本当は皆んなに伝えたかった。
ここにこんな素敵な竜がいるよ!って。
だって、そうしたらリュカは皆んなの人気者になれる。
皆んなもリュカの教えを受けて、リュカに話を聞いて貰って幸せになる。
皆んなが笑顔になる。
僕はそう思ったのに
リュカは
リュカ「リオウ、ワシの事は誰にも言ってはいけないよ」
と、何故か、強く、僕に告げた。
リオウ「なんで!?意味分からないよ!」
と、僕は反発する。
意味が分からなかった。
メリットしか無いじゃないか!、と。
でも、
説明を求めても、リュカは笑っているだけだった。
リュカ「約束じゃぞ。リオウ。指切りげんまん」
そのリュカの顔は穏やかだった。
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、、、たびたび、リュカと言い争いになる事があった。でも、そのたびに結局リュカが正しくて、僕が間違っている事ばかりだった。
だから、僕は、そのリュカのお願い
『ワシの事は誰にも言ってはいけないよ』
という言葉を守っていた。
(まあ、リュカの事だから、何か理由があるのかもしれないな)
と、そんな風に考えて、僕はそれ以上何も言わない事にした。
そして、五年の穏やかな月日が流れる
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楽しい毎日。充実していた。
リュカと会って色々な教えを受けてから僕の村での行動は変わった。
皆んなと仲良くなれるよう、皆んなの役に立つよう、皆んなが笑顔になれるよう。進んで日陰役、黒子役に就いた。
自分の能力も上げなくてはいけない。
勉強もしたし、今は騎士になるための剣を学んでいる。
特に勉強と剣はリュカからの教えが大きく、みるみる内に僕は学力と剣術、体術で村で1番になっていた。
今では将来は王国騎士になれるかも、と皆に期待されていた。
きっと、僕は皆んなから見て、輝いていたと思う。
でも僕は至って普通だった。別に自分が立派になりたいとか思った訳じゃなかった。
ただただ、リュカの教えの通りに、動いていただけなんだ。
ただ、それだけ。
それだけの
そんな、充実の毎日、の
ある日。
ナナミ「いつもリオウは何処行ってるの?!」
と、幼馴染のナナミに問い詰められていた。
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幼馴染のナナミは村でも1、2を争うほど綺麗で、僕は大好きだった。
顔とか姿も綺麗だったけど、僕は彼女の心の強さに惹かれていた。
真っ直ぐな人で直ぐ怒る人。でもすっごく優しい人で、努力する人。
そして、幼い頃から僕に優しくしてくれてくれた唯一の人。
幼馴染だったけれど、ナナミはとても綺麗だったため、村の男達によく声をかけられていた。
だから、好きだったけど僕にとって高嶺の花の人だった。
そんなナナミに問い詰められる。
ナナミ「いっつも、いっつも村にいないじゃない!森の方に行って!何処行ってるの!?」
リオウ「え、いつも森で1人で鍛錬してるだけだよ?」
ナナミ「うそ!」
ナナミ「だって、誰もリオウが剣を振るってる姿見たこと無いって!私も無いし!」
ナナミは眉間にシワを寄せ
ナナミ「、、この前、跡つけたら私の事巻いたでしょ?」
ジト目で僕を睨みつけてきた。
リオウ「はは、、、、」
ナナミ「何?私にも言えないワ、ケ?」
鼻が触れそうな程、顔を近づけてくるナナミ。
大きな瞳に吸い込まれそうになる。
その時の僕はきっと顔が赤くなっていたと思う。
僕は、ドキドキしていた、、、
ナナミの瞳に。
その近さに。
リオウ「、、えっと、、、、」
言い淀む。
そして、ふと、思った。
ナナミなら、、大丈夫じゃないかな?、と。
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ふと、考える。
、、、僕はナナミを大好きだったから出来るだけナナミには嘘をつきたくなかった。
それに、ナナミは信用出来た。
ナナミは超、がつく程、優しくて、良い人だからだ。
(、、、直ぐ怒るけど)
だから、ナナミなら、大丈夫かな、、、?
そんな風に思ったんだ。
、、、思って、しまったんだ、、、、。
、、、そして、僕は、リュカの事をナナミに、伝える事にした。
ナナミなら、大丈夫だろうって、
リオウ「ナナミ、実はね、、、、、、」
ナナミに、耳打ちする。
、、、でも、僕はそれを後に後悔する事になる。
何故、リュカが自分の事を他言無用、と言ったのか、
それを、その身を持って、味わう事になる、、、、、、