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人肉管理職  作者: はんぺん小僧
8/12

■■**/13/66_31:14:762 感染症対策

十一日目


 今日は周期雨。何故かこの雨を見ると安心してしまった。人間養成所とは、もう今日でおさらばだ。何はともあれ今日もまた、仕事について書き綴る事としよう。


 今日は万謝の日だったため、多目的室に集まった。今日もヒトに感謝をし、社長の話を聞く。しっかり社長も前の週とは別の話をしていた。眠そうにしている同僚を睨み付けてだが…。

 

 ともかく社長の話が終わり、仕事場所に行こうとすると、工場長が我々衛生管理人のみを呼び集めた。何の用かと思ったが、厳重そうな防護服を見て察した。話の内容は感染症についてだ。前日も言われていたので、気を付けようとは思っていたが、まさか防護服まで配給してくれるとは思いもしなかった。そして、この防護服の着心地が最悪だということも。


 そう、とにかくこの防護服は、着ていると暑苦しくて堪らない。今は曇りがほとんどだから気温はあまり高くないが、これからは曇りでも暑くなっていく季節だ。一体どうしてそんな季節に感染症は流行るのか、疑問でしかない。今日みたいな雨の日でも、水分補給が多かったし、この先が心配だ…。…そういえば今日はグレイさんが来ていた。体調は良くないらしいが頑張って来てるらしい。何でこんな所で働こうと思ったのか…聞こうと思ったが、やけに話しかけにくいオーラをまとっている気がしたので止めた。


 今日の昼休み、普段は話しかけてこない奴が話しかけてきた。確か同じ場所で働いていたはずの、ちょっとチャラついた男だ。あいつはやけにフレンドリーで、他の仕事場所の作業員と話している事がほとんどだ。そいつが一体何を話しに来たか、想像出来るか?あいつは

「今からヒトの檻の中に入ってくる」

何て言ったんだ。それも調子に乗った風に。あの檻の中に入るなんて、正気じゃない。止めようと思った時にはもう、あいつは檻の中だった。どうやら髪を取りたいらしい。こっそり近寄って髪をおもいっきり引っ張る。ヒトは短く叫び声をあげ、走り回った。そしてあいつが帰ろうと檻の戸を開けたとき、錯乱状態のヒトがそこに向かった。危ない。と思い走ってそこに向かう。そこに向かうと、丁度ヒトが脱走しようとしていた所だった。私は力いっぱいにヒトを押さえ付け、あいつと協力してまた檻に戻す。無事何とか大事にならずに済んだが、もし失敗したらあいつの首は飛ばされ、私もついでに処罰を受ける所だっただろう。工場長の代わりに私が怒った。あいつは反省したようだったが、何故か名前を聞き始めた。自分の名前を言うと、あいつも自己紹介をした。本来であれば二回目だ。あいつは…そう、クレバーと言うらしい。今思い出した。クレバーは私に感謝を言い、どこかに行ってしまった。大方ヒトに感染症のウイルスがついてないか確認しにいくんだろう。もう昼休みは終わろうとしていた。


 家に帰り、ソファーにぐったりと座った。妻が心配するが、適当に促す。疲れていたのだ。だから今も、とても寝たい。適当に終わらせて寝よう。…あー…そう…明日は休日だから、とても楽しみだ。

…これで良いか。

 

 

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