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人肉管理職  作者: はんぺん小僧
4/12

■■**/13/60_12:00:742 平穏、または万謝の日

五日目


 今日の天気は周期雨。この雨が降ると、いつも週の終わりを感じる。勿論、それを知らせるための雨なのだから当然の事だが。


 今日は…まあ平穏な日だった。昨日の事件を気にしていた自分が馬鹿なようだ。彼は、先輩は何も気にしていないようだった。いつも通り笑って、こう答えたんだ。

「ま、気にすんな。」

そうゆう人なのだ。そうでもしないとこの仕事を続けていられないのかもしれない。しかし、自分もそんな考え方になれたら良いと少し、思うのだ。


 さて、今日が平穏とは言えども、何もなかったということではない。今日は『万謝の日』だ。皆はいつもより早く起き、朝っぱらから多目的室に行く。そして時間になると皆は手を合わせ目を閉じ、全ての生き物に感謝する。私たちは常に命を奪って生活しているからだ。それを忘れてはいけない。だから、今日は感謝する。人に、私たちの生活を支えている全ての生命に。今日はそんな日だ。

 万謝の日は社長も出席する。そして我々従業員に命の話をするのだ。「罪ある我々のエゴ」の話を。


 そんな日は肉一つ食うにも意識してしまう。今日の夕飯での出来事だ。

 今日の夕飯は人肉をふんだんに使われていた。私は今日の出来事を思い出し、一口一口、丁寧に味わって食べた。しかし、まあ予想は出来ただろう。料理はあっという間に冷めてしまった。結局温め直して貰ったが、この一件でよく分かった事がある。


 過剰な思想は損しか産まないということだ。


 よくいるだろう。食肉を反対する者が。別に菜食主義だろうが、何だろうが私には知ったことではないし、むしろその思考は正しい物だとも言える。私が嫌いなのはその思考を押し付ける者だ。この問題には正解がない。誰が正しくて誰が間違っているのか、これを決めることすら野暮と言うものだ。これはずっと前から思っていた事で……いや、こんな事日記に書くことでは無いな。読むのは私だけだが、私でさえも気分を害する。

 …そんな事より、明日から二日間休みだ。妻とどこへ行くか、今の内に考えておくことにしよう。


 

 

 

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