■■**/13/57_12:50:897 仕事
二日目
今日の天気は曇、いつも通りの光景で少し安心した。そんな気も束の間、私は早く準備をして工場に行かなくてはならない。今日こそ初仕事、必ず失敗する訳にはいかないのだ。
人肉管理職という仕事は、想像通り面倒な仕事だった。仕事内容自体は非常に簡単な物だ。ただ人肉の保存状況が安全な物か確認するだけ。そう、それだけのことがとにかく難しい。まず、人肉管理職と一括りにしても、管理するために必要な役職がある。幾つかある中、私に与えられた仕事は工場内の衛生管理だ。人肉に関係ないように思えるが、人肉の品質や保存状況を保つためには必要な事らしい。仕事内容は細菌などの発生、繁殖を押さえるため、製造現場の作業テーブルや機械、道具、作業員の手などを拭き取り、検査を行う。というもので、拭き取った物は専用の機械に入れ細菌の有無を確認するのだ。
何も問題が無かった場合は何もしなくて良いが、「難しい仕事」とは問題があった場合だ。
もし普段、細菌が発生しないはずの箇所に細菌が発見された場合、発見した衛生管理者が、どの工程に問題があったか調べる。解決策が出た場合、その解決策を現場作業員等に指示して問題点を改正させる。(もし前例が無い場合は管理者全員が会議室に集まり解決策を考える)
このような流れだ。今日はそのような事はなかったが、工場長いわく一週間に一回はあるそうだ。常に警戒しなくてはならない。
そういえば、今日の夕飯には人肉が使われていたのだが、人肉食品に携わる者として、誇らしいと思った方が良いのだろうか。それを妻に言うと、妻は笑ってこう答えた。
「あなたまだ就職して二日目でしょう?」
確かに、その通りだ。まだまだ誇れる程の立場ではない。では一体、何時になったら誇れるのだろう。この答えは、もう少し先の自分が答えてくれるだろう。多分。私がクビならない限りは。