表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年ハークとわるいこ研究所  作者: きむら
研究所本部へ
8/322

ハークとベルードは研究所へ

続きです。便宜上、2話です。

ハークとベルードはアナグマ博士のいる

研究所本部へと向かっていた。


それには国営列車を数度乗り継がねばならず

初めて訪れる人々は、その複雑さゆえに

行きたい路線にたどり着くのは難しいという。


しかし残念なことに、今回そこに挑むふたりは

そもそも、まず列車の乗り方を知らなかった。


レムザから渡されたメモを頼るも

残念なことに、駅内は時期もあり

工事や規制中などあり、うまく進めなかった。


呆然と改札を前にした二人は

ただ人の行き交う中をたたずんでいた。


「これじゃ乗れないかも」


「どーする?」


「んー、方向さえ分かれば、ビル伝いに走って……

 けど、線路って目的地に続いているから

 そこを走っていけば……」


「却って問題になるだろ!」


仕方なく、駅員に聞きながら進んだ。


* * * * *


「すみません。ここに行きたいんすが」


ハークはメモを駅員に見せる。

はいはい、と駅員はメモを受け取り、目を通す。


「はいはい、ここへは――」


”キャー!”


改札の向こうから悲鳴が響く。

その近くに居た誰もが、その方へと目を向けた。


利用客の間から見えたのは

ライオンであった。

じりじりとよだれを滴ながら詰め寄る。


風もないのにゆらゆらとなびく黒いタテガミ。

収めきれていない鋭い爪。

瞳孔は開いたまま焦点が合ってない様子である。


雪崩れる様に人が改札口からあふれる。

誰もが日常出会うはずもない猛獣を前にし

我先にとライオンから駆け出していく。


「まずい! 本部!本部! 構内に猛獣が居ます!

 至急、警察を! それとお客様の誘導を!」


「ライオン?! いったいなぜ……?」


ベルードは人混みを真っ向から立ち向かい

人波をかき分け、ライオンの元へと辿り着く。


「くんくん……。うん。わるいこっぽいね。

 アンタ、初めて? でなければ、そんなに

 フラフラではない、よね?」


ライオンは大きく咆哮し、地面に爪たて、ベルードへ突進する!


紙一重でベルードはライオンの牙を避け

人狼となって、ライオンと相対する。


鋭い牙を強靭な腕力で押さえ込むベルード。


その様子に一部の人々が目にする。


「狼よ!狼もいるわ!」


どこからか発せられた言葉に、人々は恐々。

一層なだれこむ。


「皆さん、落ち着いて!」


駅員と混じりハークは人々を誘導する。

しかし誰もが逃げるべく我先に走る


* * * * *


「これは何の騒ぎですかねぇ」


トコトコとライオンと狼の取っ組み合いに向かう人物。

小学生ほどの体格で、人々をするりするりと避けて

二匹の近くに現れる。


白髪のハゲ頭に白衣。

カツカツと革靴を鳴らし、鼻唄を歌う小柄な老人。

手には大きな黒いボストンバッグ。

あまりにも異様な光景に狼だけが気づく。


「ア? アァ先生……?」


「久しぶりですねぇ、ベルード。

 その子が例のハークくん?

 それ、じゃれあい?」


「違ウ。らいおん、初メテ」


「そうですか。じゃ、ライオンの首を」


狼ベルードは、ライオンの首を

強靭な腕で大きくせりださせる。


老人はボストンバッグから

おもむろに巨大な銃器を取り出す。

物々しい銀発色の銃身。銃口に注射針が

3つ取り付けられている。


「はい、それでは。ほいっちょ」


ライオンの首へ注射針を打ち出す。

ドドドとけたたましい音と共に、ライオンはゆっくりと力なく倒れた。


「はーデカイですねぇ。しかも全身。

 これはすごいねぇ。あぁ電話電話」


老人は電話を取り出す。物の数分でどこから周りの人々と似た普段着を着ているが

首元に青い紐をかけた男達がライオンを取り囲む。


「先生。こちらは?」


ライオンとのひと悶着に息を上げる人狼を

男の一人が指し示した。


「狼くんは違いますよ。

 ベルード、例の子は?」


ベルードは事態が一段落したため

一呼吸つき、人へと姿を戻していた。


「……え、あぁはいっす。

 いまあそこで誘導している子供が」


老人が振り返った目の先。

言葉通りに誘導するハークを見つける。


「ほほー? なかなか肝がありますねぇ。

 んー、一緒に行きましょうか。

 わるいこ研究所へ」


白衣の老人につれられ、ふたりとライオンは研究所へ輸送された。

続きます。

次話の更新予定は2021年1月28日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ