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二日酔い

「美樹さん頭がとてもいたいです」

「なんだ先生二日酔いか。大丈夫か?」

「はい。なんとか」


朝まで飲むのは姉ちゃん的にはいつも通りなのだが、先生には辛かったらしい。そりゃそうか。

必死に起き上がっているが頭を抑えて痛そうにしている。


「これ。姉ちゃん好きだろ?それと先生もよかったら」

「さっすがジェル坊。なんとなく匂いで察していたけどな」

「何ですかこれ?鮭雑炊?」

「そうそう。ジェル坊の鮭雑炊はキツイときによく効くんだぜー栄養も満点だからな!」

「なんか私、佑樹君から教わることの方が多い気がする。先生なのに」

「大丈夫だって!だって国語の先生だろ?じゃあ気にすんなよ!家庭科なら問題だがな!」


朝から元気だな姉ちゃん。二人が鮭雑炊を食べている間に学校の準備を始める。


「え?佑樹君準備するの早くない?私だってまだなのに」

「早めに学校について図書館に行きたいんだ。こっちに来るとき最低限の荷物しか持ってきてないから本がなくて…」

「へー本好きなんだ!いいことだね!」


そっか。国語の先生だったな。国語の先生って本に対してオタクっぽくて話しかけたらすごい返ってきてたな。中学の時の先生だけど。どこも一緒なのか


「じゃあ先に出るね。姉ちゃん戸締まり忘れないでね」

「当たり前だっつうの」


家にいた頃の名残で言ってしまう。一人暮らしは長いから大丈夫だろうに。

二日酔い(先生)を置いて学校に向かった。




図書館に入るとこれでもかといわんばかりの本の匂い。そこは皆かイメージするような陰湿な空間なんかではなくて窓から朝日が差し込み読書スペースはまるで書斎のよう。

ああ、本に呼ばれている気がする。一冊一冊が僕に呼び掛けている気さえする。

もう僕は今感動を抑えきれない。

この図書館の大きさ!そしてジャンルの豊富さ!更にマニアックな本まで全部置いてある配慮!

これはしばらく図書館通いになりそうだ。

選びきれないから朝のホームルームまでに一冊読んで上限の三冊借りる。この学校の図書館は噂通りだった。

この学校にしてよかった。


本を読んでいるうちにホームルームの時間が近づいてきた。

夢中になりすぎて司書さんから肩をポンポンされて気がついたのだけれども。

さてさて二日酔いのアホ先生でも眺めにいくか。




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