表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

多種多様

「えーと佐々木佑樹君?君は持ってるね」

「持ってる?」

「うん。持ってる。だってそうだろう?新任の先生がまさか自分の隣の部屋で朝のロームルームで明かされる。

ほら、こんなの物語の主人公にしか起きないイベントだろ?」


イベント?何を言っているんだ?

とりあえず朝のホームルームのことを言っているのはわかる


「俺の名前は佐藤一郎。どこにでもいるモブキャラさ。だけど君には何かシンパシーを感じてね。困ったことがあったらいつでも僕を呼んでよ」

「うん。ありがとう」


まとめると勝手にシンパシーを感じたから何か困ったことがあったら頼ってくれってことか。

東京はこんな奴ばかりなのか?


「また佐藤がやってるよー。私は深雪って言うんだけど。ねえねえ佑樹君ってさ運動部とか入るの?」


次はまともそうな女の子。活発そうな子できっとリーダー的存在なんだろう。


「いや。僕は部活には入らないよ。バイトして生活費入れないと上京してきて居候してるから姉に殺されちゃう」

「へー大変なんだね。ていうかお姉さんそんなに怖いの?」

「もう。怖い怖い。まあ、昔堅気の情に厚い人?かな?」

「今どき珍しいね~。あ、バイトはなにするか決めてる??実はさー近くに喫茶店あるんだけどそこ私の家なのね。親が手伝えってうるさくてさー。嫌なら変わりを連れてこいって。佑樹君なら身長高くて清潔感あるからきっと大丈夫だからさ!」

「ありがとう。喫茶店か。いいね」

「ほんとー?やった!これで部活に集中できる!」

「ところで何の部活に入るの?」

「陸上部だよ!えっ!?なにもしかして陸上に興味あるの!?」

「あ、いや単純に深雪さんに興味があって」

「なっ!なにそれ!?……ってただ自己紹介しあってるだけだもんね。あっ!さてはそうやって中学の時は数々の女の子を落としてきたでしょー!」

「してないないって。未だに彼女すらいたことないよ」

「えーもったいない。まあ、高校ではお互い頑張ろうね!バイバーイ」


嵐のような子だったな。バイト先も決まって新たな人間関係も朝の事件の割には上手くいきそうだ。あの活発そうな女の子に嫌われなければなんとかやっていけそうだ。


「あ、これうちの連絡先!今日って暇?」

「うん。暇だよ」

「おっけ!じゃあ今日さっそく面接してもいい?」

「いいよ。こっちも早いほうが助かる」

「決まりだね!それじゃまた~」

「………」


実は初めて女の子と連絡先を交換したのでけっこうドキドキした。午前中はそのせいでずっと上の空だった。

高校生活……悪くない


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ