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夜明けぬ町  作者: 東雲 海
二章 〜車椅子に座る死医者~
5/8

四夜目 次の二人

 ん?ここは…どこだろう。あれぇおかしいなぁ、確かに家のベッドで寝たはず…はっ!まさかこれは!

「異世界召喚!」「違います。」


 空は真っ暗、なのに明るく感じる。確かにお布団で寝たはずなのに知らない家の前に立ってる。周りを見る限りこの町を自分は知らない。これって、やっぱり…

「ここは異世界では?」

「んー、なんっていうかぁ。」

「でも!私さっき確かに寝たんですよ!」

「でしょうね、ここは夢の中なんです。」

 なっ!それは…つまり

「え?どういうことですか?」

「えっと、とりあえずもう一人いるはずなのでその人と合流してからでいいですか?」

「だいじょうぶです!」

 気づいた時には目の前に立っていたその少女は自分とは違いここがどこなのかを知っているらしい。多分この人はこの世界の住人なのだろう。こういうとき、とりあえず第一村人についていけばいいはず!


「この近くにその『もう一人』の人がいるんですか?」

「…のはず、何ですけども。え…?」

 ん?んー。ん?!あ、あれは…

()()()()()()()()()()()()()()()()が女の子としゃべってる…」

 視界の先には頭がブロッコリーで体は普通の人間のような多分女性と、それのきゅうりバージョンとなんか見覚えのある少女が仲良さそうにお話ししていた。こういう時ってケモミミとかじゃないの?そんなことを考えていると、手を後ろに引かれた。

「お?え?!何?!」

「逃げますよ。」

「なんで?!」

 すると、先ほど植物人間とお話ししていた少女がこちらに気付き叫ぶ

「モコ!」「あ!やっぱり!」


「まさか、怪異の中に安全な存在もいるとは…」

 先ほどの声を聞いて私の手を引く少女は足を止め、とても驚いた様子で私とともに一人と二体のもとへ。

「私たちは他のと違うのよぉ。」

「そうよぉ、あんな野蛮なのと一緒にしないでぇ。」

 なるほど、この世界では亜人差別があるのか。小説で読んだ通りだ。ふっふっふと笑っていると隣から

「結局ここって何なんですか?私は家で寝てたはずなんですけど。」

「私も~。」「あ、説明がまだでしたね。とりあえず自己紹介をしましょう。私は常世 鏡花です。」

 第一村人はキョウカちゃんっていうのか。

「私の名は…赤月(あかつき) モコですっ!」

「私は黒月 刹那(くろつき せつな)です。モコとは幼馴染です。」

「なるほど、お二人はご友人でしたか。では、軽く説明しますね。」

 そして、私と刹那はこの夜市についての説明を受けた。ここが夢の中であること。夢から覚めても次眠るとまたこの町に来ること。鏡花さんがずっとこの町にいるということ。この町には怪異というバケモノがいること。ここでの死が現実にも反映されるということ…


「まぁ、最初は信じてもらえないと思いますが、明日になれば…」

「信じます!」

「え?」

 異世界でなかったことは少し残念だが、

「怪異なんてわくわくするじゃないですか!是非とも会ってみたい!」

「そこにいますよ。」

「んー、もっとすごいのにも会いたいです!」

「すみません。こんな感じの子なんです。見捨てないで上げてください。」


「初回で説明して初めて信じてもらえたので驚きましたが、こちらとしてはありがたいです。」

「え?!ほかの人は信じないの?!」

「ふつう信じないでしょ…」

「刹那は?」

「確かに、刹那さんも信じてくれたんですか?」

「信じたっていうか、まぁ嘘だったとしても損はないですし。」

「えー?信じてないのぉ。疑ってばっかりじゃ人生損だよ?」

「なんでも信じたら一瞬で人生破滅しかねないわ。」

 口では一度だって刹那に勝ったことがないのを忘れてた。話を変えねば…そういえば

「鏡花さんって、なんであそこに私と刹那がいるってわかったんですか?」

「あぁ、この町って夢見人の人が来るときその地点が結構発光するんですよ。なんでなのかはわからないですけど。」

「ユメミビト?」

「夢見人っていうのは、お二人のみたいな寝てこの町に来ている人のことです。ま、私が勝手にそう名付けたんですけど。」

 か…かっこいい…

「つまり私は…夢見人の赤月モコ!」

「じゃあ鏡花さんはこの町に来る人は把握できるってことですか?」

「ねぇ、無視しないでよぉ。」

「全員ではないですけどね。この町結構広いので。今回はたまたま近くで良かったです。」

 鏡花さんまで…なんて会話をしていると今まで歩いていた住宅街が途切れた。そしてその先に広がっていたのは

「森…ですね。引き返しますか。」

「いやいや、行きましょうよ森!何かあるかもしれませんし!」

 私は、どうしても森へ行きたかった。住宅街でバケモノに会うなんて想像できない。きっと森の中なら物語に出てきそうなバケモノがいるはずで、そしてそれと戦える!非現実を味わえる!そう考えていたのだ。





          続く


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