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4 エルフの国4

 奥に進んでいくと、今度は畑のような場所に出た

 そこにはスイカやメロンに似たものや、イチゴに似たものがたわわに実っている

 ここはちょっとした畑になっているようで、何人かのエルフが間引きや雑草の手入れなどをしている

 雑草といっても、この辺りは不思議なことに、果物のなる木や草の方が育ちやすく、逆に雑草はほぼ成長することがない

 理屈は分からないけど、魔法があって僕みたいな精霊がいるようなこの世界はそういうものなんだろう


 畑のエルフにスイカのようなもの、ロシュオを切ってもらってむしゃぶりついた

 甘い…

 味はスイカと一緒だけど、食感はまるで梨のようなシャクシャク感がある

 果汁がすごく多い

 次はメロンに似たカイシュオという果物

 これの味は酸味と甘みが程よい

 果汁はロシュオよりも多く、口から溢れ出てしまった

 口から垂れる汁をテュネがふき取ってくれる

 恥ずかしいからやめてほしい

 でも、子供だから周りからは変には見られないか


 次は真っ赤なイチゴのような果物、ラランベリーというらしく、これは酸味がすごく強かった

 思わず顔をしかめるけど、エルフの男性が


「これは木からもいだ後一分ほど置いておくんです」


 それから一分間待ってみて再び食べてみると

 驚くほど甘かった

 甘さが強くなり、酸味が抑えられて後味もすっきりしている


 まだまだたくさんの果物があったんだけど、おなか一杯になってしまった

 お土産にいくつかの果物をもらって果樹園を後にした

 やっぱり果物っていいよね

 幸せの味がする


 さて、次は世界樹か

 ここから街にいったん戻ってさらに奥に行かないとね

 街に戻ると、まるで拝むようにエルフたちに接せられた

 やめてください恥ずかしいです


 そんなエルフの集まりを通り抜けてようやく街から世界樹の方へ飛んだ

 と言ってもそこまで遠くはないので歩いて行ってもよかったかな

 

 世界樹は、あまりにも大きくて壮観だった

 この世界樹、世界中に恵みをもたらしているらしくて、神話の時代に芽吹いたそうだ

 つまり、まだこの世界に人間や様々な種族が生まれる前から生きていることになる

 この樹の管理はもともと精霊たちがやっていたらしいけど、森での生活に長けてるエルフたちに任せたそうだ

 

「非常によく手入れされているようです。 やはりエルフたちに任せて正解でした」


 どうやら前任者はここにいたようだ

 アスラムはすごく嬉しそうに世界樹にほほを寄せている

 前に来たのは百年くらい前のこと

 それ以降は女王である僕の母さんが僕を産むための準備をするためにここにこれなくなっていたらしい

 これからはちょくちょく通えるはずなのでアスラムも喜んでいる

 まるで我が子のように世界樹を愛でている


 世界樹の葉っぱや枝には時折虫型の魔物がつき、葉を食べて荒らすので、定期的に退治する必要がある

 今日がちょうどその日なので手伝うことにした


 下層をエルフたち

 中層をエンシュとテュネ

 上層を残りの三人でこなすことになった

 

「じゃぁ張り切って行こうー!」


 僕の掛け声で虫型魔物の掃討が始まった

 下層の虫はそんなに強くない

 多分駆け出しの冒険者でも楽に倒せるくらい

 中層はレベルが上がり、C~Bランク、上層は一気にA~SSくらいになるという

 エルフは上層まで手が出せないので今現在無法地帯になっているかも

 今まではアスラムが来て退治していたので、ここ百年間ほったらかしになってたみたいだ


「アスラム、上層にはどんな魔物が出るの?」


「はい、数は多くはないのですが、やはり一個体一個体がかなりの強さを持っています。 なかなか倒しがいがありますよ」


 げ、なんか笑ってるんだけど

 え? 怖い

 フーレンは相変わらずマイペースだし、あぁ、なんか不安だなぁ


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