表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
459/464

巨人族の国2

 それからは王様はとんでもなく平謝りというか、土下座までしてさらに兵全体を正座させて謝らせた

「謝らなくていいから今この国で起こってることを教えて」

「は、はい、申し訳ありません」

 巨人王の名前はボルゲルさんと言って、この国でも最強という実力の持ち主

 それで彼らが戦闘の準備をしていたのは、案の定ニーズヘッグという神話級の魔物が封印を解いて暴れ出したからだという

 まだ完全に力を取り戻していないのか、封印されていた山にいるらしいけど、ひとたび動き出せば周辺にある街や国は一瞬でなくなることが予想される

 だから今のまだ力が完全に戻っていない時に退治しようという話になったらしい

 そう言うことなら精霊を頼ればいいのに、王が言うには精霊の手を煩わせたくなかったのと、自分達だけでもなんとかなるだろうと思ったからなんだって

 まったく、そう言う問題を解決するのが僕らの仕事なんだから遠慮はしてほしくない

 それに自分達だけで神話級を倒せると自負するのはいいけど、それは自国民も危険にさらす行為だ

 それとなく諭すと、ちゃんと僕らと協力して事に当たることを約束した

 よし、まずは偵察かな?

 こういったことはクロハさんが得意なので彼女に任せることにした。影の精霊シノノに任せてもよかったけど、彼女は今世界中を回って封印を解いてるやつらの仲間がいないか調べてもらってるんだよね

「では精霊様、行ってまいります」

「うん、気を付けてね」

 クロハさんはシュッとその場から消えた

 影から影に移動できる能力らしい

 シノノと同じ能力だ


 そのまま一時間ほど待っていると無事クロハさんは戻って来た

「精霊様」

「うお!いつの間に!」

 急に背後から話しかけられたからびっくりしたよ

「すみません驚かせてしまいました」

 何でクロハさんちょっとうれしそうなんだろう

「ニーズヘッグの動向ですが、今は眠っているようです。それと封印されていた神殿は既に破壊しつくされていますね」

「分かった。眠ってるなら都合がいいね。先に僕らが行くからボルゲルさんたちは後からついて来てよ」

「拝承致しましたぞ!」

 そのままクロハさんを先頭に山を登り始めた

 ニーズヘッグというのは竜だったかな? 相当大きな竜で、世界樹の根っこを齧るって言われてる

 ただこの世界の世界樹は齧られてないから、前の世界に伝わっていた話のニーズヘッグとは全然違う存在だろう

 山を登り始めて数時間。よくよく考えたら僕らは飛んで行けばよかった

 まぁ魔力を吸収しつつ歩いてるから疲れないんだけどね

 時々巨人たちが僕らを気遣って乗せてくれたりしたからそんなに時間もかからず神殿まで来れた

 神殿は結構大きいはずなんだけど、ニーズヘッグが破壊したせいでただのがれきの山になっていた

 そのがれきのてっぺんにニーズヘッグが丸まって寝ている

 大きい・・・。巨人たち百人分くらいの大きさはあるんじゃなかろうか

 まだこっちに気づいている様子もなく鼻提灯なんかを出してぐっすりだ

「今がチャンスですよ精霊様」

「うん、一気に叩こう」

 まず僕が強力な古代魔法を練ってニーズヘッグの上に超巨大な炎の塊を作り出した

「う、ちょっと大きくしすぎたかも」

「大丈夫です。そのまま落としましょう。周辺は私が結界を張って被害を抑えます」

「うんお願い」

 クロハさんが周囲に結界を張ったのを確認するとそのまま巨大炎をニーズヘッグにぶつけた

 黒煙が上がって大爆発が起きる

 僕らの周りにも結界を張ってなかったら熱波で巨人たちが死んでたかも

 煙が晴れてニーズヘッグの死体が・・・。え、傷一つない

 しかもまだ寝てるし

「これは一筋縄ではいきそうにないですね」

「あ、でも今の炎でニーズヘッグが熱を帯びてますよ。ここは私がとどめを!」

 ハクラちゃんは神力によって浮き上がるとそのままニーズヘッグの上に来た

「いっきまっすよー!」

 ハクラちゃんは手をニーズヘッグにかざすとそこから大氷雪を降らせた

 ブリザードと言うのも生易しいほどの凍える風。普通の生物なら一瞬で凍り付いて永久的に凍結するだろうね

「ふぅ、一仕事しましたよ」

 ハクラちゃんが戻ってくるとカチカチに凍ったニーズヘッグの姿がある

 高温で熱して氷点下よりもさらに冷たい絶対零度で熱を一気に奪ったんだ

 当然無事では済まないだろう

 ほら氷にひびが入ってニーズヘッグが粉々に・・・。ならない

 なったのはニーズヘッグの周りに付いていた氷だけだ

 奴は相変わらず眠ってる

 ここまでやられて起きないってかなり鈍感なんじゃなかろうか

「なら私が!」

 今度はクロハさんがニーズヘッグの前まで歩きだし、呪いの呪文を唱え始めた

 ニーズヘッグにまとわりつく死者の怨念がその命を削っているはずだ

 それなのに全く何も感じていないのかずっと寝てる

「嘘、私の呪いが効かない生物がいるなんて」

 これにはさすがのクロハさんもがっくり来てる

 これは参ったな。どうすればこいつを倒せるんだろう

 巨人たちは僕らの力を見て思考停止してるし

 ここは僕がやっぱり根源魔法で倒すしかない。僕は危険だからとみんなを下がらせた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ