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桜鬼と白鬼と黒鬼

 リディエラ様と別れた私は鬼ヶ島に戻って来たよ

 お姉ちゃんや皆に成長した私を見てもらうんだ

 それに最強と言われる鬼神が帰って来たって女神様がおっしゃってたし、十中八九その鬼神ってもともとこの鬼ヶ島にいた鬼神、絶桜鬼様だと思う

 だって異世界に旅立った鬼神ってその人しかいないんだもん

 楽しみ半分恐ろしさ半分で私は城へ帰った


「お帰りなさいハクラ」


 連絡はしてたからすでに迎えに来てくれてたお姉ちゃん。私を見るなり思いっきり抱きしめてきて、相変わらず私の匂いを思いっきり嗅いでいる

 スキンシップ大好きなお姉ちゃんらしいね~

 私もお姉ちゃんを抱きしめた後一緒に来ていたアカネやソウカ、キキにも再開のハグをした


「ハクラちゃん、今鬼ヶ島にすごい人が来てるっすよ! なんと」

「絶桜鬼様でしょ? 知ってるよ~」

「あ、そっすか…」

「それで絶桜鬼様はどちらに?」

「城にいるよ~、今私の作ったご飯を~食べてるところ~」

「そっか、ソウカの料理美味しいもんね」

「うん~、でも昨日からずっと食べ続けてるんだよ~。一心不乱に~」

「それはまた、豪快な人だね」

「でもそれが食べ方は綺麗なのですよ。ハクラ姫に少し似ていますね」

「なっ!? 私大喰らいじゃないもん」

「いやあれでその言い分は通らないと思うっす。あたしも人のこと言えた義理じゃないっすけどハクラちゃんも相当喰ってるほうっすよ」

「えー…」

「ほら、そんなことより早く行きましょ。ハクラ手を」

「うん」


 久しぶりにお姉ちゃんと手をつなぐ。昔はいつもこうやって歩いてたんだよね

 お姉ちゃん過保護だからいっつも私をこうして連れて歩いててくれたっけ

 疲れたときはおんぶまでしてくれたりして


「どうしたのハクラ?」

「昔もこうやって一緒に歩いてたなぁって思いだしてた」

「そう? それよりも絶桜鬼様に失礼のないようにね。お優しい方だけど鬼ヶ島の初代姫様だから」

「そうなの? うん分かった」


 城に戻った私達はさっそくその絶桜鬼様に会いに行ったんだけど、どうやら食堂にずっといるみたい。食堂には絶桜鬼様を一目見ようとたくさんの鬼仙や鬼人が押し詰めていた


「はいはい皆何してるの! 早く仕事に戻りなさい」


 お姉ちゃんの一言で蜘蛛の子を散らすように皆走って行ってしまった

 残ったのは三鬼仙の残り六人だけ


「ハクラ様、お帰りなさいませ、絶桜鬼様はそちらで、その、恐ろしい量の料理を平らげていますの」

「シエノ、ただいま」


 紫羊鬼のシエノに同じくハグをしたあとは件の絶桜鬼様の前へ立つ

 ぱっと見は普通の鬼仙で強そうに見えないし、何より小さい。この小さい体のどこにこれだけの寮の食事が入っちゃったんだろう

 絶桜鬼様は私に気づくとかなりきついと思われるお酒を一気飲みしてぷはぁと息を吐いた


「来たね来たね。私はサクラ、それであなたがハクラ、それとそっちの黒い子がクロハね。うんうん、しっかり育ってるみたいでよかったわ。思った以上に力強い。これならすぐにでも鬼神真王(まおう)として覚醒できそうね。それじゃあ行きましょうか子孫たち、あなた達を一気に底上げするわ。そっちのまだ鬼神に成れてない子達もね。フフフ、何て豊富なのかしら。これは鍛えがいがあるわねぇ」


 嬉しそうな顔が何だか背筋が凍るんだけど…

 でもこの人に直接鍛えてもらえたら私達もぐんぐん伸びていきそう

 いつか来たる大きな戦い

 それに供えないとね

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