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獣人族の国再び5

 さて二階層目にきたけど、また迷路なのかな?

 いくつかに分かれた道が続いているみたいだから、またさっきみたいに左手を壁につきながら進んだ

 でも今回はすぐに開けた場所に出て、そこに三つのスイッチが設置されてあった


「精霊様、これもしかして、正解は一つだけってことなんでしょうか?」

「たぶんそうだと思う。困ったな、ヒントみたいなものがまるでない」

「そうですね、道中も文字などはありませんでしたし」


 これは困った。でもこのボタンを押さないと先には進めそうにない

 戻ったところで他の道は行き止まりだったしね


「ええい、こういう時は端から順に押してみるべきですよ!」

「ちょ、危ないよハク」

「ポチィ!」

「ああああああああああああ!!」


 押しちゃった…

 ハクラちゃんは満足そうにそのボタンの様子を眺めている

 でも何も起こらない


「あれ、おかしいですね。もしかしてこのボタンじゃないってことですかね?」

「そうなのかも」

「じゃあ次をポチッとしますね」


 言いながらすでに押しているじゃないか

 はぁまあいいけどね。どうせ押すんだし

 で、真ん中のボタンを押しても何の反応もなかった


「何も起こらないですね」

「何も起こらないねぇ」

「最後の一個押してみますね」


 またそう言いながらすでに押してる

 でも反応はないね

 これってもしかして


「ちょっと僕が試してみていい?」

「はい、お願いします」


 まず真ん中を押してみた

 何の反応もない

 次に右、左の順で押す

 これでリセットされたはずだ

 で、最初にハクラちゃんが押したのは左だったから今度は右のボタンを最初に押してみた

 するとボタンがうっすら赤く光った


「やっぱりだ。これってボタンを順番に押すんだよ」

「なるほど! それじゃあ次は真ん中か左ですね!」

「よし、真ん中を押してみよう」

「はい!」


 ハクラちゃんが真ん中のボタンを押すと赤く光った


「これで正解だったみたいだね。じゃあ最後は左かな」


 僕は左のボタンを押すと、赤く光った


「やった!」

「これで次の道が…。開きませんね」

「開かないね」


 どういうことだろう?

 分からないからもう一度右のボタンを押してみた

 すると赤く光っていたボタンが元の色に戻って、いきなり魔物が出現した


「ええええ! どういうこと!?」

「と、とにかく倒しましょう!」


 出て来た魔物は僕でも倒せるくらい大したことない(とは言ってもAランクは言ってたと思う)ものだったけど、急に出て来たからびっくりしたよ

 でもなんで魔物が現れたんだろう?

 もう一度さっきの順番でボタンを押してみると、また赤く光っただけでやっぱり何も起こらなかった

 うーん何がいけないのかな?

 そう思ってまたボタンを押してみる

 今度は真ん中を押してみると、何と青く光った!


「分かったよハクラちゃん! これ、赤く光った後もまたボタンを順番に押さなきゃいけないんだ!」

「なるほど、ということはさっきの魔物はボタンを押し間違えたから出て来たんでしょうか?」

「たぶんね。よし次は右を押してみよう」


 押すとまた光が消えて魔物が出てきてしまった


「間違ったみたい、ごめんね」

「根気よく行きましょう!」


 それから手順を覚えつつボタンを押していった

 結果から言うと、赤、青、黄色、白、紫、金の順に光って次の階層への扉が開いた

 ここまで魔物が20体以上ペナルティで出て来たから、結構疲れちゃったよ

 少し休んで魔力を回復させないとね

 扉が閉じちゃいけないからひとまず先に進んでから休むことにした


「はいハクラちゃん、緑茶だよ」

「ありがとうございます! 私緑茶大好きなんですよ」

「やっぱり。それとこれ」

「こ、これは! はげやま堂のおはぎじゃないですか!」

「ふふ、鬼ヶ島で買っておいたんだ」


 はげやま堂と言うのは異世界から来た禿げ頭が特徴のおじさんがやってる和菓子屋さんで、そこのおはぎは絶品ってことですぐ売り切れちゃうんだけど、この前たまたま買えた精霊からおすそ分けしてもらったんだよね

 ちなみにここの店主さんのお嫁さんは美鬼人ってことで有名だよ

 ハクラちゃんもやっぱりこのおはぎに目が無いようで、口の周りにあんこをつけながら頬ばっていた

 可愛いけど子供っぽいかな。目の覚めるような美少女なのに少し残念なところが余計に男の人達を引き付けてるんだろうか

 何せハクラちゃんとクロハさんは一応アイドルでもあるわけだし

 姫でアイドル…

 まあいいんじゃないかな


「精霊様、こちらをどうぞ」

「これは?」

「魔力の回復を促す仙薬です。ソウカが作ってくれました」

「仙薬の調合までできるの!?」

「はい、あの子、この手のことに関しては天才ですから」

「ありがとう、もらうね」


 仙薬を口に含む

 にっがい! すっごく苦い! 汗腺があったら絶対変な汗かいてたよこれ

 すぐに緑茶で流し込んだら、ゆっくりと僕の魔力が回復していくのが分かった


「これすごいね。魔力がこんなに早く回復するなんて」

「持って来ててよかったです」


 さて、魔力も回復したことだし、三階層の探索を始めようかな

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