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9桃源郷18

 第十五階層に来るとだだっ広い部屋に一人猫耳の男の人が立っていた

 着物がよく似あっていて武士風のなんだかかっこいい人だ

 彼はこちらに気づくと優しく微笑んだ


「ここまで到達できたようですね。私はニャコ様の一番弟子、クロと申します。以後お見知りおきを」

「ぼ、僕はリディエラ」

「私はマコと申します」

「はい、では説明をいたします。ここでは私と戦っていただき、新しい力を身につけていただきます」

「新しい力ですか?」

「はい、こう見えて私は精霊でして、あなたの世界にもいると思いますが、猫の精霊です」

「ああ、確かにいますね猫の精霊」

「それでですね、私達の世界の精霊はこの世界の精霊と違い戦う機会が多いのです。それ故に戦う術を多く持っています。私から何か教えれればいいのですが、戦ってみて感覚を掴む方がいいでしょう」

「おお、リディエラ様がぱわああっぷするというのですね! それは素晴らしいです!」


 なんにせよみんなを守れる力を手に入れれるなら彼の稽古を受ける意味は大きい

 僕はクロさんの胸を借りることにした


「やる気になっていただけたようですね。では早速、私と戦っていただきましょう」

「はい、お願いします!」


 クロさんは背中に背負っていた幅広の刀を抜くとニコニコしていた顔を真剣な面持ちに変えた


「これから私はあなたが未だ見たことの無い力を引き出させます。うまく自分の体に眠るその力を呼び覚まして物にしてください」


 僕がうなづくとクロさんが刀でいきなり攻撃してきた

 それを結界で防ごうとしたら簡単に割られて危うく刀で斬られるところだった


「うん、その力じゃ駄目だよ。君は自分の中に眠っている力をもっと強く感じる必要がある。内側に意識を向けるんだ」

「はい!」


 言われた通りに内側の力を感じる。今感じているのは聖力、魔力、気力、仙力、方力、地脈の流れを吸収する力…。あとは、神力だけど、これはまだかなり弱い

 あとは、あとは…。もう一つ何か力があるのが分かった

 これは一体何なんだろう?


「どうやら見つけたみたいですね。それがあなたがこれから覚えるべき力、“セブンスエレメント”です。知っての通りエレメントは基本五つですね? 四大元素の他に雷のエレメントもありますが」

「はい。僕も五大エレメントを使うことはできます」

「その五つが風火土水雷、つまり暴風、火炎、岩土、水流、雷鳴です。そしてセブンスエレメントと言うのは第六、第七のエレメントのことなのです」

「第六、第七ですか?」

「ええ、第六が光、第七が闇ですね。あなたは既に光のエレメントを使うことができますが、闇のエレメントを手に入れたとき、全てのエレメントが作用して特別な力になります」

「セブンスエレメント…。僕やってみます!」

「うんうん、そうだ、一ついいことを教えます。合成魔法を使っていますね? それと同じ要領でエレメントを合成してみてください。六個のエレメントを合成すると闇になります。これには相当な集中力が必要になるので頑張って練ってください。その間も私は攻撃を続けます。戦闘の際いつでもその力を引き出すためです」

「分かりました。頑張ります!」


 クロさんの攻撃が激しくなってきた

 それをよけたり受け流したりしながら体内のエレメントを感じる

 火、エンシュをイメージする

 水、テュネをイメージする

 土、アスラムをイメージする

 風、フーレンをイメージする

 金、雷の最上位精霊ライラをイメージする

 光、母さんをイメージする

 その六つを合成魔法の要領でその六つのエレメントを合成していった

 一つずつ、丁寧に。クロさんの攻撃を避けることも忘れずに、とにかく今までないほどに集中した

 魔法の合成ほど魔力を使わないのはこの力が精霊元来の力だからだろう

 そして僕は正しく闇のエレメントを作り出すことができた


「いいよ! その調子だ! 君はやっぱり筋がいいね。こんなに早く闇のエレメントを手にいれることができるなんて!」


 クロさん、凄くテンションが上がっててキャラが変わってる

 攻撃が一段と激しくなった

 この人、戦闘好き? さっきまでと打って変わって戦闘狂のような笑みを浮かべててちょっと怖い


「さぁさぁ、セブンスエレメントを発動させるんだ!」


 とにかく激しい攻撃を何とかかいくぐって集中する

 くっ、クロさん強い

 闇のエレメントで防げてるけど、中々集中が難しい

 でも闇のエレメントが体に馴染んでいくのが分かった

 さらにその闇のエレメントも全てのエレメントに合成して、そこでなんだか体の中が爆発するかのようなエネルギーを感じた

 体がすごく暑くて、不思議と気持ちがよくなってくる

 大きな力が僕の中で生まれ出ているみたいだ

 調子がいい、今までで一番かも


「クロさん、ありがとうございます。僕はまた強くなれた」

「そう言ってもらえて私も本望です。さぁ、打ち合いましょう!」


 クロさんは本気になったようだ。動きが明らかに変わった

 その動きがまるでスローモーションみたいにゆっくりと見える

 クロさんの動きがすごく遅い?

 振り下ろされる剣を指で止めて、そこにセブンスエレメントの力を撃ちこんだ

 クロさんは思いっきり吹き飛んで行って壁に激突した


「ぐっ、イタタタ、すごいよリディエラちゃん! たった一回でここまで力を使いこなせるようになるなんて!」

「ホントですか!?」

「うん、もっと練習すればきっと別世界でも…。いや、今この話をするのは早かったね」

「別世界?」

「こちらのことです。これでここでの修練は終わりですかね? あとはその力を自分で定着させていってください」

「はい! ありがとうございました!」


 セブンスエレメント、か

 この力、多分母さんは使えるんじゃないかな? 元精霊の祖神だしね

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