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8 竜人族の国23

 ティリアちゃんと一緒に体を清めて温泉へ

 ラキアさんはティリアちゃんを抱っこして満足そうに笑ってる

 不気味な笑顔が怖いけど多分何もしないと思う

 それにティリアちゃんもなんだか安心したように抱っこされてるからまんざらでもないんだ


「そういえば兄様たちも後から来るって言ってたのに、中々来ませんねぇ。 まだ仕事が片付いてないんだと思うんですよ」


 え、お兄さんたち来るの?

 あ、でもそっか、ここは竜人族王族の御用達だったね

 てことは、ここに男の人達が…

 早めに出ないとまずいねこれは


「あ、来ました!」


 ティリアちゃんはお湯から飛び出ると歩いて来ていたディレロさんたちに飛びついた


「うわ! ティリア! びっくりするじゃないかまった…く…。 あの、何でここに精霊様が? あいや、待ってください、ラキアがいるということはなるほど、一緒に来られたのですか?」


 僕らを見て顔を真っ赤にしている双子の王子

 慌てて出ようとすると二人は後ろを向いて僕らをなるべく見ないようにしてくれた


「せ、精霊様、早くお体をお隠しください!」


「う、うん、なんかごめんね」


 温泉は十分堪能できたものの、ディレロさんとデュレロさんに思いっきり迷惑をかけちゃったよ


「あ、いえ、私達は待っていますので存分に堪能してください」


 二人ともそう言ってくれるけど、すでに30分は浸かって楽しんだからいいんだ

 この温泉の香りは豊潤で、僕らみたいな精神生命体でもリラックスできたよ

 双子王子はまたいつでも入りに来てくださいと言ってたのでありがたく行かせてもらおうかな

 今度は母さんも連れてね


「精霊様! また来てくださいね!」


 うーんティリアちゃんなんて可愛いんだろう

 一生懸命に手を振って、とても子供らしいんだけど、実はSランクのすごい冒険者って言うから世の中分からないもんだよねぇ

 それにしてもいいお湯だったなぁ

 一度入ると病みつきになるって言うのは言いすぎなんじゃ?って思ってたけど、これはまさしく病みつきになる癒しのお湯だったね

 そして温泉から上がった直後だった

 ラキアさんが僕たちに告げる


「さて精霊様、私はそろそろバルハートを離れようと思います。 まだ見ぬ女性たちが私を待っているはずですので」


「うん、色々ありがとうラキアさん。 いてくれて良かったよ、特に魔族国では本当に助かった」


 ラキアさんのおかげで魔族の人達の犠牲者を数多く救えた

 本当に感謝してもしきれない

 やっぱりこの人に加護を与えておいてよかった


「いえいえそんな、私など大したお役になど立てませんでした。 これからもっと精進してもっと多くの人々を救えるようになって見せます!」


「うんうん、ラキアさんなら大丈夫! 応援してるね」


 彼女は深々と僕たちに頭を下げて行ってしまった

 次に会うときはSランクの冒険者になってるだろうね

 

 ラキアさんがいなくなってちょっと寂しくなったけど、僕らは温泉巡りを続けた

 百三もの名湯、秘湯、原泉に片っ端から浸かってそのお湯を楽しんだ

 結局一週間もの間滞在して昼夜問わず温泉に入ってたから、僕らの体調は絶好調になったよ

 これなら、行けるんじゃないかな? 桃源郷にあるという猫神ニャコ様の試練

 手紙には書いてなかったけど、一体どんな試練なんだろう?

 ここではリュコ様の試練があって、それは迷宮に挑む形だった

 もしかしたらその神様によっては迷宮じゃないかもしれないんだよね

 ちょっとドキドキしながらも、自分を強くしてくれる試練にワクワクしている自分がいる

 自分が強くなればその分守れる人が増えるんだ

 相変わらず封印を解いてる何者かの暗躍は続いてるし、別世界からの魔物の流入だってあるんだ

 僕だってそう言った強い魔物や化け物を倒せるようにならないと、守れるものだって守れない

 少なくとも、Sランクの魔物を苦せず倒せるくらいに成長するんだ


「リディエラ様、次に向かう桃源郷なのですが、少し女王ジョカとお話してもよろしいでしょうか? ちょうど桃仙果を分けてもらおうと思っていまして」


「うん、そっか、アスラムは桃仙果の栽培をしたいんだったね」


「はい! 桃源郷でしか育たないと言われる果実を是非とも私の菜園でも育ててみたいのです! 土は既に分けてもらっておりまして、あとはその桃仙果の株分けをしてもらおうと思っていたのです」


「そっか、じゃあまずジョカさんに会いに行こっか」


 ジョカさんというのは仙族の王様的な人で、桃源郷を収めている女性

 神仙に近い人らしく、力も凄いんだって

 僕はまだ会った事が無いけど、四大精霊はみんな会ってるらしい

 昔はジョカさんもただの仙人だったけど、神仙だった先代がいなくなって(現在も行方不明)からはジョカさんが治めてたみたい

 かれこれもう1200年にもなるんだとか

 もともと神仙を目指していたジョカさんは、それをあきらめて統治を選んだんだとか

 性格はなかなか癖の強い人らしいけど、意外と面倒見がいい人なんだとか

 とりあえずは入国後にすぐジョカさんに会うことにしよう

 そのあとはタイコウボウさんや他の仙人に挨拶して、ニャコ様の試練に挑むんだ

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