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三獣鬼と三妖鬼1

 クロハ様とハクラ様が武者修行の旅に出てからあたしたちは鬼ヶ島に戻ったっす

 今までコクウさんに鬼ヶ島を任せすぎてたから仕事が山積みになってたっすよ

 あたしってば書類仕事は苦手なんす。 だから鬼ヶ島の子供達を鍛える仕事に着手したんす。 今日の稽古は剣術っす

 ちなみにキキはコクウさんと書類の整理、ソウカは料理部の方で城の料理を作ってるっす

 ソウカの料理ってば実は達人クラスなんすよね


「おやおやあらあら、こんなワンコロに習うなんて子供達は可愛そうですわねぇ」


 げっ、この声は…

 子供達に一旦竹刀を置かせて振り向くと、あたしの嫌いな三人組がたってたっす


「アカネ、あな、ちょっと…。 え? 本当にアカネですの? 変わりすぎでは? なんですのその破廉恥なお胸は!」


「む、確かに育ってはいるっすけど、おっぱいお化けのあんたに言われたくないっすね」


「ぐぬぬ、人の気にしていることをずけずけと! やはりあなた方とは相いれませんわ!」


「相いる気もないっすけどね」


 とまぁご覧の通りに犬猿の仲と言ってもいいこの女性三人組は三妖鬼というクロハ様お付きの三鬼っす

 今ずっと喋ってたのが紫羊鬼(しようき)のシエノ。 クロハ様にぞっこんの変態っすね

 胸はさっきも言った通りあたしよりでかいっす。 まるで小玉スイカみたいっす

 性格は高飛車で、角は一本。 妖刀フワライドウというもこもこした刀を持ってるっす

 刀の能力は静電気を溜め続けることによる紫電で、かなり強力っす


 その右後ろに立つおとなしくて無口な子が緑鼠鬼(りょくそき)のミドリコっす

 ミドリコはおとなしいけど何考えてるかわからないのが怖いっすね

 いつもシエノのそでを掴んでる甘えん坊っぽいっす

 目がいつも髪に隠れてるんすけど、一回見たときはかなり可愛らしい顔立ちをしてたっす

 前髪をあげてればもっと人気が出るっすのにもったいないっす

 胸はハクラ様やキキと同じ(失言)ツルぺたっす

 妖刀カザミグルマという手裏剣のような刀を使ってて、その能力はどこに投げても手元に戻ってくるって優れものっす


 最後の一人、左後ろにいる妖艶なお姉さんが桃牛鬼(ももうしおに)のモモネさんっす

 性格は単純に言うとエッチっす

 男を虜にするどころか、女性までも別の意味で食べちゃう怖い人っすね

 あたしも狙われたことがあって、かなり守備範囲が広いっす

 一番危ないのはハクラ様っす。 モモネさんのハクラ様を見る目は完全に得物を狙う猛獣の目だったっす

 胸はあたしら鬼仙の中でもっとも大きくて、男性人気が特に高いっす

 ただ、格闘家気質なので戦いとなると性格が変わってとにかく戦場に血の花を咲かすことで有名だったす

 まぁ平和な今の時代にはその性格も抑えられてるみたいっすけど、その分性欲が増してしまった哀れな人なんす

 だからあんまり無下にできなくて、結局三獣鬼と三妖鬼全員を食べてるっす…

 テクニシャンっすね

 妖撃甲(ようげきこう)玄武拳(げんぶけん)という特殊な手甲を使って相手を爆発させるっす

 この手甲で攻撃を受けちゃうとその部分に爆撃が起こるんすよ。 めっちゃ怖いっす


「それでアカネ、クロハ様はまだお戻りにならないのですか? あの方に会いたすぎてわたくしの股布の変えがもうありませんの」


 聞いてもいないのに気持ち悪いこと言ってるっす

 

「クロハ様はハクラ様と修行の旅に出たっす。 当分戻らないと思うっすよ」


「まぁ、ハクラ様もご一緒ですの? それなら安心ですわ。 ハクラ様はクロハ様の抑止力となってくださいますもの」


「そうですねい、クロハ様はハクラ様がいないと心が不安定になりますものねい」


 モモネさんがそう言ったように、クロハ様はハクラ様がそばにいないと機嫌がものすごく悪くなるんす

 下手したら殺されるんじゃないかってくらいに怖いんすよね

 まぁ三妖鬼がなだめたりするんすけど、それでも数時間しか持たないからなあ


「取りあえず心配には及ばないっすよ。 鬼神になれたら帰ってくるはずっす」


「まあ! クロハ様が伝説の鬼神に!? なればわたくしたちも早く童子くらいにはなりませんと。 それに、あなたたちに先を越されっぱなしというのもシャクですし」


「あ、やっぱりそこ悔しいんすね。 フフフ、そう簡単になれるもんじゃないっすよ。 厳しい修行を経てあたしたちだってようやくなれたんすから」


「ふん、まあ確かに、あなたは昔から天才肌でしたものね、悔しいですけど、そこだけは認めていますわ。 でも! 童子に成った暁にはあなたをきっと超えますわよ! いつまでもあなたに大きな顔をされてはたまりませんもの!」


 大きな顔なんてしてないんすけど、まあそこはいいっす。 三妖鬼が強くなればクロハ様も喜ばれるに違いないっす。 そこは応援するっすよ


「頑張って童子になるっす。 まずは仙人の国にいくといいっすよ。 ものすごく厳しい修行が待ってるはずっすから」


「望むところですわ! 行きますわよ! モモネ、ミドリコ!」


「ええ」


「はい…」


 ミドリコの声は聞き取りにくかったけど、二人ともシエノに付いて行ってしまったっす

 次に会うときはお互い童子に成ってたらいいっすね

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