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3 鬼人族の国5

 神社は城のすぐ横にあり、来た時には気づかなかったけど朱色の鳥居がひっそりと立っていた

 その横には石碑が立っていて、「モモタロウ神社」とだけ書かれていた

 鳥居をくぐってみると鬼人たちが参っていて、お祈りをしている

 観光客の人も結構参っているようだ

 神社は簡素で特にめぼしいものはないのにこれだけにぎわっているのはご利益が計り知れないからなんだという

 ここに参ってから運気が上昇しただの、雨が降らなかった土地に雨が降っただの、恋愛が成就しただの様々なご利益が一手に集結したような神社らしい

 僕も早速お参りをしてみることにした

 願うのはもちろん家族、精霊や妖精たちの幸せと旅の安泰だ

 四大精霊も願っていたが、何を願ったのかを聞くのは野暮ってものだと思うので何も聞かない


「わたし~、皆の健康をいのりましたよ~」


 ただ一人、フーレンはニコニコと笑って自分の願いを打ち明けていた

 フーレンらしい願いで何ともほのぼのできた


 お守りも売っているみたいなのでそれも買うことにした

 このお守りには特殊な魔法が込められていて、単純な結界で魔を払う力があるみたいだ

 霊やゾンビと言った存在には効果覿面らしい

 戦場跡地が近くにある村の人や町の人、他国から来た人もこぞって買いに来るのでたまに売り切れているらしいんだけど、今回は人数分買うことができた

 お守りにはモモタロウらしく桃が描かれていてかわいい!

 それぞれ色違いを買うことにした

 僕は白、テュネは青、エンシュは赤、フーレンは緑、アスラムは黄色だ

 お守りをそれぞれリュックやカバンにつけて大満足で神社を後にした

 おみくじなんかもあるかと思ったけどどうやらこの時期はやっていないみたいだ

 少し残念だったけど時期じゃないならしょうがない

 やってるのは年明けの数日間だけなんだとか。 またその時期になったら行ってみよう


「次はどこへ行こっか?」


 四人に聞いてみた

 街の人に聞いていた観光名所から厳選していく

 その結果三獣の塔と呼ばれるモモタロウの三人の部下を祀った塔に行くことにした

 この三獣の塔は三つが仲良く並んでいて、右から犬獣の塔、猿獣の塔、雉獣の塔という名前で、それぞれのメインカラーで彩られていた

 犬は赤、猿は黄色、雉は青だ

 これは幹部のアカネさんたちと同じ色でもある

 しかもこの塔、三獣鬼の家でもあるのだ

 プライベートルームは解放されてはいないけど、そこ以外は自由に見ていいらしい

 ちなみにプライベートルームは塔のてっぺんにある


「これはなかなか絶景ですね」


 テュネが感心している

 赤黄青に彩られて立つ三つの塔は周りと比べてもちゃんと調和がとれていた

 てっきり派手な色で違和感ありありだと思ってたけどそんなことはなくて、少し暗い色で塗られているため和風の建物と見事に釣り合いが取れていた

 

 中に入るとこの塔のマスコットのように三人の獣人の絵がそこかしこに飾られていた

 三人ともイケメンで、犬の獣人の人は活発そうなイメージ、猿の獣人の人は知的そう、雉の獣人の人は優しそうな印象だ

 この印象、そのまま三獣鬼に受け継がれているみたいだ

 それに、顔もどこか面影が残っている

 

 それにしても絵が多い、三人ともナルシストだったのかな?

 なんて思ってたけどどうやら違うみたい

 この絵は全て奉納されたものなんだそうで、絵を描いて奉納するとご利益が得れるということなので僕らも挑戦してみた

 お手本はそこかしこにあったけど、自分のイメージでいいそうなので思いついたものを描き起こした

 

・・・


 僕、絵なんて描いたことがなかった

 恐るべき絵になってる

 どうしようこれ、まるでゾンビをボコボコにしてプレスしました。 みたいになってる

 それに比べて四人はうま…くもないか、テュネとアスラムはうまい、まるで画家が描いたみたいだ

 でもあとの二人は…。 うん、個性的でいいんじゃないでしょうか

 エンシュは豪快で、フーレンは抽象的、ある意味こっちの方が芸術なのでは?


 それぞれの絵を奉納してお祈りをささげた

 僕の絵を見て受付のお姉さんの顔が引きつってたけど気にしないでおこう



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