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神の如くは白と黒1

 目の前に対峙するのは私達よりはるかに巨大で、ほんの少し動くだけで辺り一帯を焦土に変えるほどの魔物、神話級の神災にして遥か昔に封じられた炎魔神。 その名をクルヴァエラ

 クルヴァエラはお姉ちゃんと私を見向きもせずに少しずつその歩みを進めていた

 封印が解けた原因は分からないけど、とにかく止めなきゃ被害が増すばかりね

 この先にはインセクトイドと呼ばれる蟲人族の国ラガベラ蟲王国があるわね

 火に弱い彼らの国にクルヴァエラが進行すればそれこそたくさんの犠牲者がでちゃう


「お姉ちゃん」


「ええ、ハクラ、一気に決めるわよ」


 お姉ちゃんはいつも冷静で頼りになる。 双子だから年齢は変わらないけど、それでもお姉ちゃんはずっと私を可愛がってくれた

 そんなお姉ちゃんの役に立ちたいと思うのはごく自然な流れなのです


「仙魔力解放、ラストホワイト」


 私は魔力に仙力を練り上げて新しい魔法を創造。 その威力たるや、まだ放ってもいないのに一気に周囲を凍り付かせるほど

 

「呪仙力解放、黒浄(こくじょう)


 私の力に合わせるようにお姉ちゃんも力を解放して、同時に放った

 お姉ちゃんのこの技は呪力と仙力を練り合わせたもの

 呪力と言うと呪いや呪術的な忌まわしい力に思われるかもしれないけど、本来“呪”という言葉には力、魔法のような超自然的な力という意味がある

 つまりこの力は神社での祈祷や教会でのお祈りと同じように神様からの力なのです

 仙力や呪力を突き詰めていけば、やがてそれが神力となって、私達は鬼神へと至れるわけなのですよ


 二つの力は一つになり、黒と白の螺旋となってクルヴァエラを包み込んだ

 絶対零度よりもはるかに冷たい無間零度といえる地獄の氷はクルヴァエラを完全に凍らせてしまう

 それを私とお姉ちゃんの刀による攻撃で粉々に砕いた

 あっさりだと思われるかもしれないけど、封印が解けたばかりでまだ完全復活を遂げてないから倒せたようなものなんだけどね


「やったわねハクラ」


「うん!」


 お姉ちゃんが私の頭を撫でてくれる。 これが私にとっては最高のご褒美

 あとはこれに最近私がはまっているスイーツ、バニラアイスがあればもっと最高!


「さて、次はどこだったかしら」


「えっとね、翼人族の国、バーデラルキングダムだよ」


 鳥人族と翼人族は似て非なる種族で、翼人族のほうが圧倒的に人口が多いみたい。 そう言えば世界各地で翼人族を見るもんね

 空を飛べるぶん行動範囲も広いのよね

 鳥人族と翼人族の最大の違いは顔が鳥に似てるかどうか

 人間の顔の鼻から口にかけてが嘴になっているのが鳥人族なのです


「ここからちょっと遠いわね。 飛ばすわよ」


「うん、最大加速で行っちゃうよ!」


 私達は童子に進化してからその力がとてつもなく増していた

 しかももう間もなく鬼神へと進化することができる

 でも油断なんてしない。 力だけに頼るような戦い方もしない

 仙人の師匠たちに学んで、アンミツ姫に習って、私達はみんなを守るために力を使うんだ

 最大加速、そのスピードはちょっとしたもので、もう少しで神速に達するほど

 童子になってから仙力で空まで飛べるようになった私達は加速を続け、人の目では追えないほど速く空を駆けた

 空から見ると色々分かることもあるのよね

 まず景色がすっごくいい!

 それから海が綺麗!

 あと森もきれい!

 感想がなんていうか、ちょっとバカみたいだけど、それしか感想が出てこないくらいに目を奪われちゃうのよね


「ハクラ、見えてきたわよ」


 景色に見惚れているとお姉ちゃんにぶつかりそうになった

 ん? お姉ちゃん何でこっちに手を広げて待ってるんだろう?


「なんだ、ぶつかってこないのね」


 なんかちょっと残念そうなお姉ちゃんに苦笑しつつも翼人族の国に降りた

 ここは切り立った山々に囲まれてて、王様の住む城もその山のてっぺんにそびえ立ってる

 昔父様や母様と来たことがあったけど、その時は歩いてここまで来たんだよね

 あの時は私がダダをこねてもう歩きたくないって座りこんじゃって、お姉ちゃんがおんぶしてくれようとしたけど、全く同じ体重の私を支えられるわけもなくて、父様が仕方なく負ぶってくれたんだっけ

 でもお姉ちゃんは泣きごと一つ言わずに母様の手を握って一緒に歩いてた

 お姉ちゃんももっと父様に甘えたかったはずなのに、お姉ちゃんはいつも私を優先してくれてた


「どうしたのハクラ?」


「んーん、なんでもない。 お姉ちゃん大好き」


 さりげなくそう伝えるとお姉ちゃんは頬を赤くしてた


 さて、目の前には大きな城。 山を切り開いて建てられたその城は山という天然の要塞に守られてて、そこを攻めようものなら空中からの翼人族による攻撃によって壊滅的被害を被るという。 まぁ大昔はね

 今みたいな平和な時代には見張りはおれど、攻めて来る者がいないのですよ


「待て、何だ貴様らは! 空飛ぶ鬼人!? 馬鹿な、空を飛ぶ鬼人など聞いたことがないぞ!」


「いるんだからしょうがないでしょう。 鬼人族の姫二人が来たと伝えなさい」


「ま、まさか、クロハ姫とハクラ姫ですか!? そ、そう言われて見れば面影が…」


「何をしているんです? 早急に!」


 お姉ちゃん、そんなに怒らなくてもいいのに


「は、はいいい!」


 翼人族の見張りのおじさんはすぐに走って城の中へ入って行った

 それから少ししてこの国の大臣が出て来た


「これはこれはクロハ様にハクラ様、お久しぶりでございます。 バルクスでございます」


「久しぶりねバルクス。 それで、ナーリャは元気かしら?」


「それはもう、クロハ様とハクラ様に会えるのを楽しみにしておいでです」


 ナーリャというのはこの国のお姫様。 翼王のゼラーヴァさんの一人娘です


 私達はそのままバルクスさんに案内される形で城内へと入って行った

メリークリスマス!

サンタさんはきっとくる

そして私の所にはサタンさんが来てくれるんだ

サタンさん、愛してる

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