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7 妖怪族の国49前

「さぁさぁ結果出てまいりました! まずはフレグランスシンガーズ! 花の妖精テュルリスさんの妹たちとして有名ですが、聞くところによるとテュルリスさんが最も歌がうまいそうです。 しかし彼女は冒険をする方が性に合うと冒険者となり、今ではなんと単独でAランクの一角を担う存在となりました! わたくしファンでございまして…」


 テュルリスさん、そう言えば初めて会ったときは冒険者っぽくなかったけど、あの後になったのかな? だとすると一年もたたずにAランク冒険者になったってことか。 妖精も強い人になると相当強いから当然と言えば当然かな?

 あ、エコーズさんのテュルリス愛が止まらなさ過ぎて、審査員のシガラキヒメさんに叱られてる


「気を取り直しましてフレグランスシンガーズの点数は! じゃーん、なんと! 55点です! いきなりの高得点です!」


 ん? 男性審査員の点数、全員が10点満点をつけてるんだけど? これ手心加えてない?


「さてお次はセントインセクトの点数です。 えーっと、あれ? ちょっと待ってくださいね、モニターの調子が…。 あ、出ましたね。 68点…。 あらら、 おかしいですねー。 60点満点の筈なのですが…。 あ、今整備班が直してくれてるみたいです」


 ここで10分の休憩となった。 演者や点数を映してくれるモニター(大大大カラクリ工房製)の修理をしなければ進行できないもんね


 そして5分後、直ぐに修理を終えた整備班は颯爽と去っていった。 さすが優秀だね


「お待たせしました! それでは点数をどうぞ! えーっと、50点! 惜しくも届かずです!」


 残念、セントインセクトの歌声もすごかったんだけどなぁ


「どんどん行きますよ! ビートの天使との呼び声高いコツボちゃんの点数は! 57点! これまた高得点が出ました!」


 去年のコツボちゃんは満点をたたき出したらしい。 今回はちょっと調子が悪いのかも


「それでは次行ってみましょう! クラッシックジャズグループのパプポフの点数は! 55点! 大健闘でしたが惜しくも決勝進出ならず! 魂に来るグルーブでした!」


 あ、あれやっぱりジャズだったのか。 この世界に来た異世界人が伝えたのかな?


「最後は精霊様のデュエット! 歌の精霊リリアンヌ様と音楽の精霊ミュゼ様です! 王女様の前での演奏で緊張されたのではないでしょうか! 歌の精霊様と音楽の精霊様の演奏に点数をつけるなんておこがましいとは思われますが、そこはこの大会においてはみな平等です! 果たして点数は!? なななんと! 59点です!!」


 歓声が上がった。 やっぱりこの二人が出場するのはずるいのではなかろうか…

 残念ながらコツボちゃんがここで敗退となってしまった。 悔しそうだけどどこかすがすがしい顔をしている。 きっと来年はもっとすごい演奏を見せてくれるだろう


「ここまでの決勝戦進出者がモニターに映し出されます! 現在トップはリリアンヌ様とミュゼ様! 次点で歌姫ネネコちゃんが続きます! 以上二組が決勝進出となっております。 それでは次の開演と行きましょう!」


 11組目、クールビートというロックグループで、氷結系の種族で組まれている。 ドラムのスノーマン族(雪の力を持った亜人族)の男性、エレキギターのジャックフロスト族の男性、ベース兼ボーカルの雪女族。 もう一人のベースの雪女族。 この四人で組まれている


「イェーイ! 今日もあたしらの最っ高のロック、聞かせてやんよ!!」


 クールビートも人気グループで、彼女らの歌声が入ったオーブは飛ぶように売れているらしい。 どうやら異世界人のロック歌手が彼女らに教えたらしくて、もともとその異世界人に曲や歌詞を書いてもらってたらしいけど、今では自分たちで作詞作曲も手掛けているそうだ

 ちなみにその異世界人ロック歌手はと言うと、今世界ツアーの真っ最中だそうだ


 演奏が終わると女性たちの悲鳴のような黄色い歓声が飛んだ。 どうやらボーカルの雪女さんは女性に大人気らしい


 12組目、ゼルセベルという魔族の音楽隊。 魔王のキーラちゃんは音楽が大好きらしくて、彼女が直々に立てた部門らしい

 今回が初参加。 今まで敵同士だっただけあってかなりの緊張が走る。 でもそれ以上に彼らが緊張しているのも見て取れた。 罵倒されたり物を投げられるかもしれないという恐怖と戦っているんだと思う

 でもそれは杞憂だったみたい

 彼らの演奏はそれはそれは素晴らしいもので、かなりの努力がうかがえた

 観客もスタンディングオベーションで、魔族の演奏家たちも笑顔で手を振っていた

 そう、ここには音楽が好きな人たちが集まっている。 まさに音楽に国境はなく、音楽は平和をもたらす魔法なのだ

長くなったので前後編に分けました

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