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2 獣人の国16

 翌朝、光る洞窟内で目を覚ました僕らはあたりを見渡して驚いた

 鍾乳石がキラキラと輝きを放ち、まるで外のように明るいのだ

 七色に輝く鍾乳洞内の情景は僕らの記憶に深く焼き付いた

 

 テントをたたんで出発、今日の昼には港に着くだろう

 ゴブリンたちと他愛もない話で盛り上がり、鍾乳石を楽しんでいると、洞窟内に地鳴りのような音と揺れが走った


「なになに!?」


 地震かと思って思わずその場にしゃがみ込んだ

 が、地震ではないことはすぐに分かった

 現れたのは真っ青な甲殻を持った巨大な蟹だ


「出ましたよ! こいつがウォーハンマークラブです!」


 でかい、人間の3倍くらいある

 ハサミは鋭く甲殻は非常に堅そうだ


「こいつは物理耐性が非常に高いので魔法で攻撃するんです。 特に火の魔法に弱いですよ!」


 ゴブリンの魔法使いがそう言って教えてくれた

 早速エンシュが炎の精霊魔法で一体目を燃やす

 するとあっさり倒せた


「おお、これほどの火力とは、もしや精霊魔導士様で?」


「ま、まぁそんなところです」


 精霊魔導士とはその名の通り精霊の力を借りて魔法を行使する魔導士のことだ

 大概の精霊魔導士が精霊と契約してその力を得る

 ギジムさんも精霊魔導士の知り合いが何人かいるらしく詳しかった 

 まぁ精霊魔導士じゃなくてそのものなんだけどね


 そうやって蟹を10体ほど倒すと出てこなくなった


「ふぅ、大量大量」


 僕とエンシュの魔法で簡単に倒せてしまった

 汗をぬぐうとゴブリンたちが蟹を解体し始めた

 その場でホクホクに焼けた蟹の身をふるまってくれる

 口にほおばると肉厚の蟹の身は甘く、天然の塩味のようなものが程よくきいていいて食べる手が止まらなくなりそうだった

 約束通りその場で蟹を買い取ってくれ、金貨10枚(一匹につき一枚)を受け取った

 破格の値段だと思う

 

「いいんですか? こんなに」


「えぇ、これだけ質のいいウォーハンマークラブですのでそれだけの価値はありますよ」


 ギジムさんはそう言ってるけど多少は色を付けてくれたのだと思う

 人間の文化に詳しいテュネがそっと僕につげてくれたからわかった

 

 それからも鍾乳石を楽しんで進み、昼前には外に出ることができた

 港はもう目の前である

 彼らゴブリンたちとは鬼ヶ島まで一緒なので港まで一緒に行く

 

 港はにぎわっている

 これから獣人たちの国へと向かう人、鬼ヶ島へと向かう人、そのほかの国へと向かう人

 それらが入り乱れてごった返している

 騒がしい喧噪が海風に乗って心地いい

 港は街も兼ねており、宿屋やショップもあった

 今日はもう鬼ヶ島への便は出ていないそうなので港町で一泊だ

 明日の早朝には出るそうなので早起きしないとね


 ゴブリンたちと一旦別れ港町で宿を取り、街にある大衆食堂へ向かった

 入ってみるとガーリックや海鮮の素晴らしい香りが鼻腔をつついた

 よだれが出てきそうになるのを抑えて席に着くと鬼人族の女性が水とメニューを運んできてくれた

 鬼人族、初めて見たけど頭に角がある以外は人間と変わらない姿だ

 それに、すごい美人だ

 思わず


「綺麗ですね」


 と言うと

 鬼人族はエルフのように美形が多い種族なんだとそのお姉さんは嬉しそうに言った

 でも、そんな彼女でも国を治めている二人の姫には叶わないんだそうだ

 絶世という表現がまさしく当てはまり、誰もが目を奪われるという

 しかも気さくでしょっちゅう街を歩いているらしい

 絶対に会うと心に決めた瞬間だった


 メニューからめぼしいものを注文する

 貝のカルパッチョ、ウニの冷製パスタ、魚のスープを頼んだ

 しばらくすると料理が運ばれてくる

 貝のカルパッチョ、酸味の効いたドレッシングと玉ねぎ、レタスが合わさって食感と味を互いに引き立てあっていた

 貝は幾種類か入っているらしく、コリコリとしたもの、弾力が心地よく歯を受け止めてくれるものなど食感がすごくいい

 ウニの冷製パスタは濃厚なウニの風味とクリームソースがばっちりマッチング、いくらでも食べられそうだ

 そして魚のスープ、魚介の出汁がしっかりとしており、中には貝と魚、エビ、野菜が入っていた

 具だくさんなのも凄く嬉しい

 大満足で食べ終わり、鬼人のお姉さんにごちそうさまと言ってお金を払うと大衆食堂を出た

 あたりは既に暗くなり始めていたので宿へと戻って寝ることにした

 いよいよ明日は鬼人族の国鬼ヶ島だ

 楽しみ楽しみ


鬼大好き

自分でオリジナルキャラを描くくらい好き

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