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7 妖怪族の国22

 迷子!

 絶賛迷子中の僕たちはひとまず来た道を戻ってみることにした

 おかしい、迷路の定番、壁伝いに歩いて攻略するを実践しているはずなのに、かれこれ数時間次の階層への階段が見つからない

 もしかして第二階層への道はどこかに隠れてるのかな?

 壁には何もなかったし、床も注意して歩いてたから特に何もなかったしなぁ


「あの、リディエラ様、入り口に戻ったのですが…」


 ん? なんだかバツの悪そうな顔でテュネがこっちを見てる

 その指が差す方向に壁にかかった掛札があった


「これ…」


「はい、ヒントですね。 入口に入ってすぐにあったとは、申し訳ありません」


 気づかなかった…

 なんてことだ、今までの時間が全くの無駄…

 掛札には(入口で二礼、二拍手、一礼をしましょう)と書かれていた


「もしかして、これをやってなかったから次の階層へ行けなかったってこと?」


「そう、みたいだね」


 クノエちゃんと僕は深いため息をついて指示通りの行動をとった

 すると奥の方で何かが起動する音がした


「開いたみたいね」


「開きましたね」


 はあ、何をやってるんだ僕らは

 再び壁に沿って歩いて行くと、今度は先ほど到達した最奥と思われる場所に階段が出現していた


「やっと、着いたぁ…」


 第一階層からようやく抜け出した僕らは第二階層への階段を駆け下りた

 第一階層ではあまり魔物は出なかったけど、なかなかに強い魔物が配備されてた気がする

 

 第二階層は少し様相が違っていて、ごつごつした岩ばかりの第一階層と比べると、コケや可愛らしい花が生えている

 そしてやっぱり魔物出るんですね

 少し進んむと森のような場所に入った

 まるで外みたいで、そよ風まで拭いてる


「どうやら、この森にも魔物が出るようですね」


 アスラムが地面に手を触れて何かを読み取ったみたい


「来ます!」


 森の木をなぎ倒しながらそれは現れた

 超巨大な蛇だ


「猛毒を持つ魔物、キングジャルバララですね。 通常のジャルバララ種は最高で7メートルほどなのに対し、キングジャルバララは30メートルほどまで成長します」


 テュネの冷静な説明の後、戦闘開始

 この蛇、これほどの巨体ながらにかなり素早い

 明らかに物理法則を無視した動きだけど、きっと自分に強化魔法でもかけてるんだと思う

 体に魔力の気配がするし


「わちに任せてくださいな」


 前に出るレナちゃん

 その手にはなぎなたが握られていた


「犬神式薙刀術奥義、赤磐天(あかいはんてん)!」


 くるくると薙刀をまわして迫ってくるジャルバララを一閃

 ジャルバララは真っ二つに切られて絶命した


「こう見えてしっかり鍛えているのです。 これでも族長ですからね!」


 時折流れ出る力から相当な実力者だとは思ってたけど、こんな大きな魔物を一撃で…

 レナちゃん、恐ろしい子


「また来ます!」


 アスラムの声で前方を見ると、消えていくジャルバララの後ろから今度は巨大な蜘蛛が飛び出した

 飛び出したと同時に糸をレナちゃんに向けて発射する


「きゃっ」


 レナちゃんは糸に絡めとられて捕まってしまった


「レナちゃん!」


「すいませんー、捕まってしまいましたー」


 レナちゃんを食べようと口を開く蜘蛛


「あれはギガノペインスパイダーですね。 蜘蛛型の魔物でもなかなかの巨躯を持つ魔物です。 その牙には毒があり、地獄のような苦しみの後死に至ります」


 怖いことをサラッと…。


「レナ! 今助ける!」


 クノエちゃんは刀を抜いた

 あの時とは違う本来の力のクノエちゃん


「九尾流抜刀術、焦炎燕(しょうえんつばめ)!」


 燕のような炎が蜘蛛を包み込んで消し炭に。 糸も燃えてレナちゃんが解放された

 クノエちゃんも力を制限されてなかったらここまで強いのね


「ふぅ、やっぱりいいいわね。 自分の力で戦うって」


 族長娘ーズってみんなこんなに強いのかな? ネムリちゃんは怠け者だって聞いたけど、族長になるだけの実力はあるみたいだし


「リディエラ! 上上!」


 考え事をしてたら反応が遅れた

 でも


頭中火葬(とうちゅうかそう)!」


 頭上に迫ってきていたもう一匹の蜘蛛を焼き尽くす炎の剣技

 これはエンシュに教えてもらったんだ


「いい動きですリディエラ様」


 教わった通りに出来たみたい

 エンシュも喜んでる


 大きな魔物を倒して森を抜けるとすぐに次階層への階段が見つかった

 その前には宝箱


「これって…」


「戦利品、のようですね」


 開けてみると、毒を完全に除去できる薬と、回復薬が数個。 まだ何のダメージも負っていないけど、あるにこした事はないや


 そして階段を下って、第三階層だ

迷宮のあれこれを考えるのは大変だけど楽しいです


ただ、黒族のアトラクションで結構考えつくしてしまった感が否めない

今色々参考になりそうなもの読んでます

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