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白黒 鬼姉妹の冒険20

 ランちゃんに酔拳でも使える桃薬果汁を作ってもらい、その製法も後日鬼ヶ島まで出向いて教えてくれることになった

 本当にランちゃんってすごい

 

 次の先生は韓湘子(かんしょうし)さん

 見た目は私たちよりも幼い少年だけど、年齢は遥かに上なんだって

 ちなみに八仙の中で二番目に年長です


「僕の授業は踊りだよ。 僕の笛に合わせて踊ってね」


 シンプルだね。 でも私踊りって、アイドル活動の時にしかやってないんだけど、ああいうのでいいのかな?


「笛を持ってるイメージで動いてほしいな。 吹きながら踊るような感じかな。 あ、あとアカネちゃん、水に気を付けて」


「へ? 何すか水ってぇえええええ!!」


 アカネが床にこぼれてた水で滑って転び、思いっきりお尻を打ってた


「痛いっすぅう」


 お尻をさすりながら立ちあがる

 でもどうしてわかったんだろう? 韓湘子さんはこっちを見てて水たまりがあるのなんて見えなかったはずなのに


「あ、キキちゃん、背中に蜘蛛がついてる」


 え!? 背中見えてませんけど!?


「キャァアア!! 取ってください! 誰かぁああ」


 キキは涙目で背中をこっちに向けた。 ホントに蜘蛛が引っ付いてる

 それを払ってあげる


「ありがとうございますハクラ様」


 何だろう、韓湘子さんからは何か得体のしれない力を感じる


「あの、どうしてわかるのですか?」


 お姉ちゃんが聞きたいことを聞いてくれた


「んー、そうだね。 未来予測って言ったら信じるかな?」


「未来予測、予知と言うことですか?」


「近いけどちょっと違うね。 僕はあらゆるものを視てそこから予測を立てるんだ。 計算に近いかな」


 つまり風が吹けば桶屋が儲かる理論ってことかな?

 あ、この言葉は昔鬼ヶ島に来てた異世界の人が言ってた言葉なのよね


「さてと、これが僕の暗八仙、笛だよ。 これはね、瘴気を払うことができるんだ。 どんなに濃い瘴気でも吹けばたちどころに消し飛ばせるよ」


 韓湘子さんが笛を口に当てて吹き始めた

 ほれぼれするような美しい旋律に思わず聞きほれていると、周りにあった草花が生き生きと咲き乱れ始めた

 

「踊りと言ってもさ、これは酔拳の型だからね。 ひとまずやってみようか。 僕の動きに合わせて」


 韓湘子さんは笛を吹きながら器用に動く

 確かにその動きの一つ一つが攻撃へと繋がる繊細な動きで、見るだけでも魅了されそう


「よしっと、じゃぁ笛を吹くからさっきの動きをやってみて」


 再び笛の音色が響く

 私たちはその音に合わせて体を動かしてみた

 どういうわけか韓湘子さんの動きがまるで私たちに乗り移ったかのように動ける。 この笛の音色のおかげかも


「いいね。 その調子。 僕の笛の能力でアシストしてるから体にその動きが染みつくはずだよ」


 体が軽い。 あの桃薬果汁を飲めばもっと動ける気がする


「アカネちゃんはもうほとんどできてるね。 クロハちゃんもいい感じ。 ソウカちゃんとハクラちゃんももう少し続ければいい感じに仕上がるね。 キキちゃんは、ちょっと動きが硬いからもう少しリラックスするといいよ」


 しばらく練習を続け、次は桃薬果汁を飲んでやってみることにした

 さっきよりも柔軟に動けてる。 それにあり得ないような反りや開脚も難なくできるから韓湘子さんの動きが完全にできてた


「うんうん、よくできました!」


 韓湘子さんがほめてくれた。 嬉しいな

 授業が終わった後、私達皆に笛をくれた。 韓湘子さんが自分で作ったものなんだって


「その笛は僕の笛ほどの効果はないけど、吹けばリラックス効果があるはずだよ。 常に心を平穏に保って酔拳を使ってね」


 もらった笛はそれぞれの色に合ってて、しかも花まで彫られていて可愛い!

 一緒にもらった笛ホルダーにしまって腰にぶら下げた


「次はカセンコちゃんだね。 あの子は仙術の達人だからしっかりと使い方を教わるといいよ」


 カセンコちゃん、ランちゃんと同じくらいの年のツインテールが可愛い人だ

 仙術の本格的な使い方を学べるみたい! 楽しみだなぁ

笛を吹きながらの酔拳、ジャッキーチェンの映画で見たことないですか?

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