表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/464

2 獣人の国10

 やってまいりましたホーエン国立公園!

 僕は今! 非常に興奮している!

 だってここには本当に多種多様な動物が生息しているから


 まず見たのは巨大な鳥サンダーバードだ

 全長は翼を広げて20メートルほどもあり、人が乗ることもできるらしい

 この鳥は大きさに反して果物などを食べるおとなしい鳥で、地元ではマスコット的な扱いなんだそうだ

 サンダーバードはこちらに気づくとわざわざ降りてきて撫でさせてくれた

 羽毛はフワフワで触り心地がいい

 十分にモフモフして満足するとサンダーバードは名残惜しそうに去って行った


「あれは我々精霊族に友好的ですから、普段人間には近寄らないはずです」


 テュネがサンダーバードについて教えてくれた

 

 次に会ったのはウィングキャット、この公園内にのみ住む特異な猫で、ただの猫がこの土地に住むことで突然変異的に羽を生やすらしい

 ゆっくりと飛びながらこちらに近づいてきた

 もがきながら飛ぶその姿はあまりにも愛らしく、五人でほっこりしていた

 人懐っこくすり寄ってくる幾匹かのウィングキャットは可愛すぎた

 ギュッと抱きしめると温かく、癒された

 堪能しきって頬が緩み切った僕たちはまた公園内を散策し始めた


 その後も象くらい大きな馬のタイラントホースや角の生えたウサギホーンラビット、眼にもとまらぬ速さで走る足の生えた蛇スレイブニルスネークなどなど

 中でも亜人種に近く、この公園を住処にしている二足歩行の猫ウォーキングキャットは簡単な人語を話せるらしく、ケットシーの眷属なんだそうだ

 舌っ足らずに話すその姿は幼い子供のような愛らしさと猫特有のかわいらしさがある

 トテトテと歩く姿もご飯をあげて喜ぶさまも、一挙手一投足全てが可愛かった

 

 ウォーキングキャットに大満足して次は神獣たちの住む地区へ足を踏み入れた

 セルズクもここにいるらしく、絶対に見たい

 この公園、夜行性の動物を見るため夜も動物たちに影響がないくらいの光で照らされるらしいのでナイトウォークという夜の散歩も人気なのだ

 今はまだ昼になったばかりなので買っておいたパンにハムや野菜を挟み込んだサンドイッチのような食べ物を景色のいい場所でゆっくりと食べた

 草原にバイコーンという二本角の馬が走るのを見て楽しみ、空を飛ぶ美しいフェニックスを眺めて食べるサンドイッチは格別だ


 昼ご飯を食べ終わって神獣地区を散策し始めた

 最初に出会ったのは狛犬

 頭に小さな丸い角を生やしている日本の神社でもおなじみのあの子だ

 普段は丸い角だけど、怒らせると角は鋭くとがり、一気に凶暴性を増す

 でも普段は非常に温厚で、じゃれついてくるので普通の犬のようだ

 毛がもこもこしていて、抱き着くとまるで金木犀(きんもくせい)のようないいにおいがした

 狛犬は必ず二匹で行動していて、ライトとレフトと呼ばれる二匹は非常に仲がいい

 じゃれあう姿は本当にただの犬のようで思わず中に飛び込んでしまいたくなった


 そんな風に神獣地区でもいろいろな神獣たちを見て回り、麒麟やペガサスにも会えた

 ただ、ユニコーンは本当に姿を見せてくれない

 全く見つけられないまま歩き疲れて休み、あきらめかけていた頃

 森林の奥底から馬のいななきが聞こえてきた

 走る足音がだんだんと近づいてくる

 まるで感動の再開でもするかの如く駆けてきたのは今まさに探していたユニコーンだった

 嬉しそうに顔を寄せて僕たちの胸にあてがってくる

 あれ? 気のせいだろうか、なんだかいやらしい気がするんだけど…


 ユニコーンの伝承は確か、清らかな乙女しか乗せない、純潔を好む、男嫌い

 これと現状を照らし合わせた結果、ユニコーンはスケベである

 意外なことが分かったところで日が暮れた

 さぁ、これからセルズクの探索だ

 見つけて絶対モフるのだ


ウィングキャットは翼ネコ、中国のUMAです

某物語系アニメでも有名ですよね

私の一番好きなUMAでもあります


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ