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2 獣人の国8

 ライラとカイユを伴って邪竜を探す

 ウォンは体力がまだ戻っていないので留守番だ。 それに、彼には戦闘系の魔法がないので足手まといになると自分で判断し、残ることを決めた


 邪竜の通った後は一目瞭然で、焼けた跡や木々の折れた跡が生々しく残っていた

 そしてとうとう邪竜を見つけることができた

 奴はなぎ倒した木々の葉を寝床に組みなおして堂々と寝ているようだ

 叩き起こして何のためにこんなことをしたのか問いただすとしよう


 僕は手に光を込めると不意打ちよろしく邪竜の脳天に拳骨を思いっきり叩き込んだ

 まずい、手加減を忘れた。 顔面が地面にめり込んだ上に気絶している

 睡眠からの気絶なので大して変わってないかもしれないけどもう一度叩き起こす必要がありそうだ

 邪竜の頭を地面から引き抜くと頬にびんたを加えて起こした

 

 目を覚ました邪竜は何が何だか分からないと言った表情でこっちを見ている


「な、何だお前ら、俺様に何の用だ。 喰い殺すぞ!」


 怒っている。 しかしそれは筋違いというものだ

 怒っているのは僕の方だ


「君、僕の大切なかぞくを傷つけたよね? 反省するまで許さないからそのつもりでね」


 そのまま拳を叩き込んだ

 邪竜は成すすべなく吹っ飛んでいく


「ぐぬぉおおお! なんだこの力は」


 飛ばされながら邪竜は驚愕した。 今まで自分の力でどうにかならないことなどなかった彼は今まさに理不尽な力に圧倒されていた

 防戦一方の邪竜は抵抗する気がないほどボコボコだ

 殴り終わるとピクピクと痙攣していた

 それをカイユに回復させ話を聞いた


「で、なんでこんなことしたの?」


「俺は、力を見せつけたかった。 前の魔王様は良かった。 力を誇示すれば俺を必要としてくれたからな。 でも今の魔王は違う。 あのガキは暴力は何も生まないと言って俺に力を振るうことを禁止したんだよ。 だからあのあガキのもとを去ったんだ。 そっからは自分の力だけでずっと生きてきたんだ。 まぁ離れたのは一週間くらい前だけどな。 飯を手に入れるのは簡単だったぜ、ちょっと脅せばすぐだったからな」


 自慢げに語っているのでもう一回こずいておいた

 彼の話には気になるところがあったがひとまずもう二度と暴れたり他者を見下さないと誓うなら精霊の国で面倒を見てあげてもいいと言っておいた

 その代わりちゃんと働いてもらうけどね。 もしまた悪さするようなことがあればその時は本当に滅ぼすよとくぎを刺しておいたので大丈夫だろう


 彼は素直にウォンとライラに謝った。 誰にも認めてもらえなくてイライラしていたらしい

 邪竜を精霊の国に送ってくるとライラとウォンは言った

 行く前に彼から現魔王について聞いてみた

 気になったこととは魔王のことだ。 滅んだと聞いていたけどどうやら新しい魔王が生まれていたらしい

 もし世界の敵となるなら再び勇者が生まれるかもしれないのでどういう魔王なのか知っておく必要がある

 

 邪竜が言うには現魔王は争いが大っ嫌いらしい。 友愛と平和を望む過去に類を見ないほどやさしい魔王なんだとか

 それなら友好関係を結べるかもしれないので、魔族の国に行ったときにでも会っておこうと思う

 まぁいつになるかは分からないけどね


 無事に邪竜のことは片付いたのでこれから予定通りに王都ホーエンへと向かう

 早くホーエン国立公園へ行って動物たちと触れ合いたい!

 僕たちは意気揚々と再び街道に戻って王都までの道のりをのんびりと進んだ

 その数日後、王都ホーエンへと無事たどり着いた


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