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6 黒の国5

 停留所にいたのは鬼人族のハクラ姫とクロハ姫、それにお付きの三獣鬼だ

 ハクラ姫とクロハ姫は相変わらず周囲の目を集めるほどの美しさ

 まわりのリザードマン以外の種族は見惚れていた

 ちなみにリザードマンは生涯一人の女性を愛することに情熱を燃やす種族らしいので、他の女性に現を抜かすなんてこことはないそうだ


「お久しぶりです精霊様!」


 ハクラさん声が大きいです。 もう少し絞ってください

 幸いがやがやしていたので他の人の耳には届いていないようだった


「精霊様じゃなくてリディエラって呼んでくださいよ。 一応これでも正体隠してるんですから」


「あ、そうでしたね。 すみません配慮に欠けていました」


 ハクラさんは美人だし、まっすぐだし、優しくて気配りができる人だけど、ちょっとドジっ娘気質なんだよなぁ

 反対にお姉さんはパーフェクト超人、でも、はたから見てもわかるくらいのシスコンだ

 ハクラさんにべったりと言う感じで、本当に目の中に入れても痛くないんじゃないだろうか


「リディエラ様はどちらへ行かれるんですか? 私たちはこれから妖怪族の国へ修行に行こうと思っているんです」


「え? じゃぁ目的地は一緒ですね。 僕らもちょうどそこへ向かう途中なんです」


 偶然にもハクラさんたちと同じく妖怪族の国へと行こうとしていたので、同じ馬車に乗ることになった

 その道中で、これまで精霊の国で起こったことを話した


「精霊の国でそんなことが…。 力になれるかどうかわかりませんが、私たちも手伝います」


 それはありがたい申し出だ

 これから戦おうとしている相手は強力で、こちらとしても戦力は多いに越したことはない

 それにハクラ姫たちは相当に強い

 でも…


「ありがたいんですけど、闇人は僕らでも勝てるかどうか分からないほどの相手なんです。 そんな危険なことを皆さんにさせる訳にはいきません」


 僕は申し出を断った

 命の危険があるような相手と戦わせるなんてできない

 精霊の力をもってしても難しい相手だ

 鬼人族でいくら強いと言っても犠牲者を出すのは必至だ


「いえ、精霊様。 私達も精霊様の恩恵を受けている種族です。 こんな時だからこそ手伝わせてほしいのです」


「それはわちきたちとて同じこと。 わちきたち妖怪族も強力するぞ」


 クノエちゃんもそう言ってくれた

 本当にありがたいや

 

「心配なら精霊様、是非ともこれをお持ちください」


 クロハ姫が黒いオーブを渡してくれた

 

「これは?」


「このオーブには私達と連絡の取れる機能があります。 私たちも何か手掛かりを探しますので、見つかりましたらそちらでお伝えします」


 なるほど、電話みたいなものか

 これなら連絡も取りやすそう

 

 ハクラ姫たちの協力に感謝し、一緒に馬車に乗り込んだ

 これから目指すのはクノエちゃんの住む妖怪族の国カゲミヤ

 様々な妖怪が住み、12の種族長が治めている大きな国だ

 その中でもクノエちゃんの種族、妖狐族の中の九尾族は12種族長をまとめ上げる最強の妖怪

 その実力は精霊にも迫るかもしれない


「カゲミヤまでは15日ほどで着くと思うけど、その間に翼人族の住む国が山のふもとにあるはずだぞ」


 翼人族か、ちらほら空を飛んでいたり旅人でいたりと見たことはあるけど、女性はまるで天使みたいに綺麗な翼だった


「それと、ホビットの住む国もあったかな? 小さくておとなしい種族よ」


 ホビットか、聞いたことあるね

 小人族の一種だったかな

 

 僕らは馬車に揺られ、これからのことを話しあった

 ハクラ姫たちは妖怪族の国でそのまま修行をした後、仙人の国へ向かうらしい

 仙人はハクラ姫のルーツ、つまりモモタロウの出身国なんだとか

 僕もそのうち行ってみよう


 少し大所帯な気もするけど、僕らは妖怪族の国へと一緒に向かう

 まずは途中にある翼人族の国サリーシアだ


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