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6 黒の国1

 精霊の国が多大な被害を出して龍を撃退してから数日後

 死んでしまった妖精たちや魔族のために花畑に慰霊碑を建てた

 自らの命を賭して精霊の国のために戦ってくれて魔族たちには感謝してもしきれない

 僕もようやく回復して、歩けるくらいまでになった

 

「魔族のみなさん、本当にありがとうございました」


 母さんと僕は深々と頭を下げた

 

「いや、俺たちは当然のことをしたまでだ。 女王様と王女様に感謝されるなら死した者も救われるだろう」


 ようやく落ち着きを取り戻したけど、気になるのは闇人だ

 あれ以来全く彼らの目撃情報はない

 シノノや同盟を組んだ種族たちに情報を集めてもらってるけど、依然として手掛かりがつかめていない

 

「母さん、僕たちはまた旅に出ようと思います。 闇人達を探してきます」


「そんな危険なこと、させませんよ」


 僕の提案は受け入れられなかった

 テュネたちも反対している

 闇と戦えるのは神様くらいだ

 でも、それでも、僕は何かせずにはいられない

 死んだ妖精たちは僕を慕ってくれてた

 みんな優しくて、平和そのものみたいな…

 あの子たちのためにも、生き残った子たちのためにも、闇人を放っては置けない

 だから僕はこっそりと旅立つことにした


「よし、準備もできたし、行こう」


 夜中の内にこっそりと精霊の国を出た

 目指すは黒族がいるという土地だ

 昨日のうちにいろいろ調べて分かったんだけど、古い文献によると、昔この世界には闇に囚われた黒族が封印されていたらしい

 その封印が解け、この世界が危機に陥った時に救世主が現れて、あっという間に黒族を元に戻した

 その封印をされていた土地がエルフの国にある世界樹だ

 まずはそこで黒族のいる場所の手掛かりを探そう

 

 かつてエルフの国に起こった危機ってこのことだったのか

 たしか、その時助けてくれた人の名前が首都の名前になってたっけ

 あと、エルフの女王様の名前もそこからとって代々女王になるエルフに受け継がれてるとか

 ルニサニア女王の名前の由来、ルーナとサニーという双子の姉妹がエルフの国を救った人たち

 その人たちは異世界から来たらしく、途轍もない強さだって文献に書いてあった


 妖精の国の国境を出ようとしたその時、肩を叩かれた


「ヒャッ!」


 びっくりして振り向くと、四大精霊がそこに立っていた


「テュネ、それにみんなも…」


「どこへ行かれるのですか?」


「ちょ、ちょっと夜の散歩に…」


「それにしてはずいぶんと歩かれましたね。 もう国境を越えてますよ?」


「あ、アハハ、こっちの方が月が綺麗だったから」


「曇ってますね」


「あ、うぅ」


 語るに落ちてる気がする


「はぁ…。 私たちも共に参ります」


「え? 止めないの?」


「止めてもまた抜け出して行こうとするでしょう?」


 そのつもりだった


「女王様にくれぐれも危険なことをしないように見張りなさいと言われております」


 そっか、母さんは気づいてたんだ

 でも、許してくれたみたい

 母さんを心配させないためにも危ないことはしないよう気を付けよう


「ごめん、心配かけちゃって」


「謝るのでしたら国にとどまっていて欲しいものです」


 やれやれと言った感じでエンシュが首を横に振る


「さぁ、行きましょう。 まずはエルフの国ですね?」


「知ってたの?」


「それは~、リディエラ様~、昨日から古い文献を読み漁ってましたし~」


 う、確かに、あんなに大量に読んでたらばれるよね


「では、参りましょうか」


 僕たちはまた旅に出ることにした

 目的は黒族の捜索

 彼らなら闇人を止める術を知っているかもしれない

 神様の反存在である彼らなら…


第三部の始まりです

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