5 魔族の国20
はい、ほぼすっからかんです
このままじゃ今日の晩御飯が危ないです
というわけでギルドにやってきました
登録してから長い間行ってなかったからランクも上がってないね
登録したときと同じGランクかぁ
一番下…
「こんにちは！ 冒険者ギルド、デスヘルズ支部へようこそ！」
元気なゾンビーナのお姉さんだ
死んでるから元気って言うのもおかしいけど
彼女は顔に大きな傷がある以外人間とあまり変わらないね
「何か依頼を受けたいんですけど」
「ではギルドカードをご提示ください」
僕らは懐から情報の描かれたカードを取り出した
ランクや僕たちの種族が書かれている
ちなみに登録したときは人間形態で登録したので、人間として書かれている
「そうですね～、あなた方のランクですと、あ、これなんてどうですか？」
紹介されたのはこの街の近くにある花畑での薬草採集
薬草と言っても本来は毒草なので、適切な処置をしないといけないらしい
その処置というのが発酵だ
この町は発酵技術が進んでいるので、特殊な製法の薬草を特産としている
要するにそのお手伝いだ
「じゃぁそれを受けたいです。 すぐに行けますけど大丈夫ですか？」
「はい、納品は一週間以内ならいつでもいいようですので今からでも大丈夫みたいですよ」
簡単な依頼なだけあってそこまで報酬は高くない
それならもう何個か受けて一気に解決しちゃおう
「他には何かありますか？」
「あ、いくつか受けておきます？ なら討伐依頼なども受けられます？ Gランクのものは期間が長いものが多いのでいくつか受けられる方もいるんですよ」
お姉さんは討伐用の依頼をいくつか見せてくれた
なになに、畑に沸いたワームの駆除、オオニワトリの捕獲、ホーンセンチビート討伐…
色々あるね
とりあえず最初に見た三つの依頼を受けた
ホーンセンチビートはFランクか
一つ上のランクならギルド判断で受けれるらしい
一応Bランクを倒した記録があるから受けれるみたいだね
「じゃぁこれとこれとこれでお願いします」
四つ依頼を受けて早速始める
まずは薬草採取だ
街のはずれに薬草が密集している場所があるのでそこで50株を採集
はい一つ完了
次に街にある畑に向かった
そこにはうじゃうじゃとワームが湧いている
結構でかい
畑に被害を出さないようにフーレンがまずワームを風で巻き上げて、それをエンシュが空中で燃やす
灰になった死骸を砕いてついでに肥料にした
よし、二個目終了
次は街の東
飼われていたオオニワトリが逃げ出したから捕獲してほしいとのこと
街の中で度々目撃されるけど、逃げ出してから早3日、未だに掴まっていないらしい
まずはアスラムが地面に手を当てて探知
すぐ近くにいることが発覚
フーレンが上空から発見
テュネが水を這わせて一気に捕獲
依頼人に受け渡して三つ目終わり
ここまでで3時間くらい
速いペース
最後はホーンセンチビートの討伐
街近くの草原で旅人が襲われたらしい
ホーンセンチビートはその名の通り、頭に角を持った巨大ムカデだ
弱いけど毒を持っている
噛まれたら結構痛いらしい
草原
かなり広い
ここではかつて呪われた人間たちが大勢命を落とし、瘴気に満ちていた
そのためか、草木が生えなかったんだけど、最近瘴気が薄くなってきたことで草が生え始め、草原になったんだとか
そのど真ん中にムカデはいた
得物なのか、ネズミを食べている
こっちに気づいた
「うわ、動きが気持ち悪い！」
僕は光を集めてレーザーのように照射
ムカデは真っ二つになって息絶えた
死体から証拠になる角をはぎ取って持ち帰った
あっという間に依頼も終えて、ギルドに戻り、報告
お姉さんは驚いていた
「は、早すぎません？ ま、まぁでも依頼はちゃんとこなしてくれたみたいですし、問題ないですね。 こちらは報酬です」
報酬は銀貨40枚
しばらくは宿で寝泊まりできそう
でも、割と切実にお金を稼がないと、今後に支障をきたすぞ
一旦、戻る？ いや、でも、ここから人間の国って遠いしなぁ
とりあえず次の街に行ったらしばらくお金稼ぎかな？
と、思ってたんだけど、問題が解消されそうだ
少し前に行った鉱山街
あそこで取った金塊を換金し忘れてた
テュネがついうっかりしていたらしい
たまにあるんだよね、このお姉さんは
まぁそこが可愛いとこでもあるんだけど
換金も済ませて今はお金に余裕ができた
さて、今度はどこの観光地に行こうかな？
マップを開くと、この町から少し行ったところに温泉街がある
よし、次は温泉街を目指そう！
温泉、何ていい響き
ゆっくり浸かって旅の疲れを癒そう
あ、ちなみに僕たちのランクはFランクに上がりました！
パチパチパチ
