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ただのかいわ

哲也と鹿島は事件の映像を捜査本部へと持ち帰る。


「課長...映像を持ってきました。」

哲也は鞄から一枚のDVDを取り出す。


「ああ...」

捜査の指揮を執っている課長は、2人の報告を受けながら表情を曇らせていた。


「課長...こいつは一体何なんですか?」


「さあな。俺も警官になって30年にはなるが、こんなことは聞いたこともない。」


「だがな、テツ。こいつがなんであれ、俺たちは逮捕しなきゃならん。」


「そうですね...」

哲也は小さく頷く。


課長は哲也と鹿島に視線を合わせると、小さくため息をついて話し始める。

「あと、もう1つ。悪い知らせだ。」


「何があったんです?」


「今回の事件の被害者なんだがな。4人目じゃなかったんだ。」


「どういうことなんですか?」


「2件目の事件を覚えているか?あの事件の犯行現場は他の事件と比べて血まみれだっただろう?」


「ええ。」


「近くで聞き込みをしてたらな、あそこに住んでいたホームレスは1人暮らしじゃなかったんだと。男2人で住んでいたんだらしい。」


「逃げた可能性もあるんじゃないですか?あんな事件に巻き込まれたら戻る人間なんて居ませんよ。」


「そう思ったんだがな。血痕の量を考えたら生きているのはあり得ない。一応DNA鑑定もしたんだが、現場に残っていたヘアブラシの毛根のDNAと一致したんだ。」

「つまり、今回の殺人事件は5人目だったということだ。」


哲也と鹿島は予想外のことに無言になる。

この重い空気の中で口火を切ったのは、今まで無言で居た鹿島だった。


「実は課長、気になることがあるんですが。」


「気になること?」怪訝そうに課長は言葉を返す。


「この前、地域課の同期からおかしな事件があったんだと聞いたんです。もしかしたら同一犯だと思いまして。」


「事件の内容は?」


「猫を喰っていた黒い人型に襲われたって事件だそうです。被害者の少年はまだ入院しているだとか。」


「確かに気になる情報だな。よし、今から2人でその少年に会ってこい。」


「わかりました。」



そして、哲也と鹿島の2人は病院に向かうために、車に乗り込むのだった。



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