バイト
ある日の休み時間、そこに頭を抱えるイッペーの姿とそれを見る竜二がいた。
「はぁ…」
「?どうしたイッペー暑いからばてたか?」
するとイッペーは顔を上げて竜二に言った。
「リュウジぃ、最近な俺金欠不足でさ」
「金欠と不足って意味重複してるからな」
「それでさバイト始めようと思うんだけど良いのが無くて」
その言葉にリュウジは不思議に感じ、頭を傾げた。
「そんなのイッペーなんて見た目坊主で真面目そうだからなんでも受かるんじゃ無いか?中身糞だけどな」
「それに最近視力下がったしよく見えねぇんだよぉぉぉ!!」
「今関係ねぇだろッ!!」
はぁはぁと息を荒らげながらで?竜二は続けた。
「何がそんなに気にくわねぇんだ?」
「だってスーパーのバイトに行ったって平均年齢20以上だし、コンビニま同じだしどこにも対象年齢5歳以上のバイト先が存在しねぇんだよォォォ!!!」
目から涙を流して号泣するイッペー。
「いや存在したら問題だろ!?どういう仕事させるつもりだッ!!」
「そんなの俺のほぅバハッ!?」
「それ以上言うんじゃねぇ!!」
危うく警察に通報ものの言葉を発する前に竜二は殴って止める。 とそこへバカに百乗しても足りないバカのライチが話に入ってきた。
「話聞いたで、イッペーなんでそんなに金が欲しいんや?」
「ライチ…実はな」
なんでもイッペーの親父さんが骨を折ったらしくて稼ぎが少し減ってしまったので仕方なくイッペーが働かなくてはいけない状況にあると言う。
「大変だなお前の親父さん」
「せやな、それでか」
「ああ、でも俺バイトなんてどんなことしたらって分かんなくてさ」
そこでライチは手を叩いて言った。
「今からこの3人でバイトの練習でもしよか!」
「ああ、別にいいぞ。イッペーもそれで決めてみろ」
「お前ら…」
涙を拭きながら言った。
まずはコンビニのバイト。
真面目にやるかと思いきやライチがそこで言った。
「よし、イッペー!難易度を選べや」
「難易度!?」
ゲームの様な仕様の状況に驚く竜二。
「ハードで頼む」
「わかった」
どんどん進むライチとイッペー。
「よっしゃ!ほな配役は『まだ新人5日の気弱な高校生店員 イッペー』『散歩の際に外が暑すぎてシャキシャキ君を買いに来た仲介業者 俺』『夏なので全く売れない定価120円の肉まん リュウジ』で行こか?」
「ちょっとまてェェ!!」
「なんやリュウジうるさいな」
「俺の役は人ですら無いんだけど」
するとライチは目を見開いた。
「何、目から鱗なことしてんだ」
「わかったわかった。ほなリュウジは『立ち読み人A 』に昇格や!ほなスタート!」