聖書 "nazlance" の要約 ルイの手紙より
その昔、この世は三次元の空間と一次元の時間からできているとされていた時代がありました。
そんな時代に、誰から生まれたのかわからない赤ん坊が一人見つかりました。そのころ世界は愛に満ちていたので、赤ん坊を育てる人が簡単に見つかりました。彼の名を海といいます。海は赤ん坊に南夜と名付け、実の娘のように可愛がりました。
愛を浴びるように育った南夜は、健康に成長しました。初めて健康が害されたのは、彼女が15歳のこと。突然の出来事に違いないでしょう。彼女は極悪な利益のために知れぬ場所へ連れ去られてしまいました。その日は見せ物にされました。次の日は血液を採取され、またその次の日は売り飛ばされました。
力仕事をさせられました。望まぬ子を生みました。殴られたり、臓器を取られたりしました。鞭で打たれたり、四肢を切断されたり、皮膚を剥がされたり、得体のしれない薬物を飲まされたりしました。
そして、死にました。
彼女は山に埋められました。数日後、警察に発見され、海にも南夜が死んだことを告げられました。15年間も愛を注ぎ続けた子供が突然行方不明になり、その十年後、山から帰らぬ人として発見されたのです。正気でいられるはずがありません。
1ヶ月後、すっかり堕落してしまった海に、来訪者がありました。一人は恒星という、8歳の少年。南夜の息子だといいます。一人は紅蓮という、21歳の女性。南夜から血液を授かったといいます。2人は南夜の遺伝子によって、ある超能力を手に入れたといいます。それが、今私たちが知っている運命の方向、可度へ移動するということなのです。
南夜の血液がある、これを注射すれば僕たちの世界へ行ける、と 2人は海を誘いました。しかし、彼は三次元の世界に残りました。時間が経つにつれ、超能力を持つ人が多くなっていきました。当然、能力を持っていない人はだんだんと人間としての権限を失っていきました。あるとき、能力者だけで成り立つ国ができました。彼らは三次元を取り壊し、四次元として住みやすくすることで国土を得ていきました。こうして今では、私たちが認識できる全てが四次元人が住む国となっているのです。