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一億玉砕  作者: 黒猫
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第弐話「陸の孤島」

短期訓練を受け、呉港周辺奪還作戦に参加した

隼人二等兵を含む第6分隊戦闘員たち。

敵勢に囲まれた第二機動車列部隊、

孤立無援の中、第6分隊戦闘員たちは死闘を繰り広げる。

「分隊長!呉市一帯が妨害電波で通信不能エリアになっています!」

高橋通信兵が貝塚中尉に向かって言った。

「クソッ!!!市役所に武蔵連隊の生存者が立ちこもっているようだから、

 全員でそこに向かう!ここにいたら10分ともたない!」

貝塚中尉は、第二機動車列部隊の生存者に言った。

「軽装甲車両を盾にしながら150mほど前進するぞ!」

貝塚中尉は、呉市出身で周辺地理には詳しいようだ。

目指できない市役所の場所を把握しているように思える。

「よし!第6分隊は援護射撃!その他の分隊は前進!」

貝塚中尉が叫ぶと、全員行動に移った。



「3時の方向から滅10接近!!」

軽装甲車両の車長が3時の方向を見ながら叫んだ。

しかし、滅10は全員が目視するまで待ってくれなかった。


ズガーーン!!!


空対地ミサイルが軽装甲車両に命中。

続いて機銃掃射。

第6分隊以外の、ほとんどの戦闘員を死傷させてしまった。


「メディック!!」

「た、助けてくれぇ・・・」

負傷兵が口々に叫ぶ。

彼らの苦しむ様子はまるで地獄絵図だった。

健全なのは、新兵連隊長の加藤のみ。

加藤は、部下の傷口をおさえていた。

「スティンガーはどこだ!!」

貝塚中尉がスティンガーミサイルを探す。

「車載スティンガーが車とともに吹き飛んでしまいました!」

斎藤上等兵がもたついていた新兵の代わりに貝塚中尉に報告した。

「役立たづめ!あの路地まで走れ!滅10が来るぞ!」

貝塚中尉が指差した場所を目指し、戦闘員たちが走り出す。

加藤連隊長も、ついてくる。どうやら、負傷者は息絶えてしまったようだ。


ズガガガガガガガガッ


滅10の機銃掃射。

間一髪で、ビルの影に全員隠れた。

「生存者は14名か・・・よし。西に150m行くぞ。裏口から中に入る」


~呉市役所~

「伏せるんだ!」

武蔵連隊長が叫ぶ

「ぐあぁあぁぁぁぁぁっ!」

滅10の機銃掃射により、多くの兵士がやられた。

「援軍はまだか!」

武蔵連隊長が田中通信兵に問う。

「観測兵によると、150m先で滅10に襲撃され、壊滅したようです!」

田中通信兵の額には汗が吹き出している。

「生存者くらいはいるだろ!」

田中通信兵が確認するために、無線に手をかけた瞬間


シュバッ!!


田中通信兵の肩に滅10の50口径銃弾が命中した。


「うわぁぁぁぁ」

田中通信兵は肩を抑えながら、崩れ込んだ。




~呉市役所裏口~

第二機動車列部隊の生存者たちは、呉市役所に到着した。

貝塚分隊長や加藤連隊長、隼人二等兵は呉市役所3回の臨時司令部に向かった。


「動くなっ!」

武蔵連隊の兵士が銃をこちらに向けてたっていた。

「我々は首相直属部隊である。」

貝塚中尉がそういうと、

「し、失礼しましたっ!」

と、銃を下ろし敬礼した。

兵士は話を続ける。

「武蔵連隊長がお待ちです。」

通された部屋は、臨時司令部にしてもひどすぎる部屋だった。

いたるところに銃弾痕があったり、血痕が床に・・・

など、司令部らしからぬ光景だった。

通信機器や、レーダーも持ち運び可能なサイズなものが多かった。

「おお。やっと来たか。待ってましたよ。」

と、武蔵連隊長。

「すいません。途中で滅10の襲撃を受けまして・・・」

と、加藤連隊長。

「とりあえず、中央司令部に連絡を・・・」

加藤連隊長が武蔵連隊の通信兵に向かって言った。

「それについてなのですが、妨害電波が呉港から発信されています。

 それを破壊しないことには・・・」

武蔵連隊長が言った。

「くっ・・・陸の孤島ですか。」



(第弐話終)

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