4話 ないならば作ればいい
付与師について指摘があったのでここに書いておきます。
付与師は武器に永久効果(鍛冶屋の強化みたいな)を付与することはできないが、自分の武器に一時的に付与することは可能。
3話の猫の王の時の炎は鎌に一時的にファイヤーエンチャントで炎属性を付与したという事です。
よくわからないかもしれませんが、そこは作者の能力が低いと言うことで許してください。
俺がこの始まりの街オルストに帰還してから2週間が過ぎた。
簡単にこの2週間での出来事を話すよ。
2週間前、
俺は猫の王というBOSSを倒してしまったせいで名前を全プレイヤーにしられてしまった。いろんな人から話を聞いてみると、俺が森で迷っていた間に街の広場で運営から発表があったらしい。その内容はまず、各フィールド毎にダンジョンが出現し、そのダンジョンの最下階、最上階にそのフィールドのBOSSがいる。全BOSSと全イベントを攻略するとこのVRMMO『RO』から脱出できるという事。
それを聞いた一部のプレイヤーが同じ目的を持つ者同士でPTを組み攻略組と名乗りながらBOSS討伐をしている事。
3割位のプレイヤーは街からでなくて済む生産職などについており、1割が攻略組、残りが自由に行動してるらしい。
攻略組は最近ギルドを設立し、加入者が殺到したらしい。ギルドはギルド作成クエストというのをクリアしなければならないそうだ。
俺はそれを聞いてギルドに入ろうと思った。そこで直接副ギルドマスターに会ってギルドに入れてください。って頼んだんだけど職業とLvを聞かれたんだ。
俺は副ギルドマスターの人に付与師の27lvです。と伝えた瞬間副ギルドマスターの態度が一変して「付与師? 貴方は付与師なんて職業を選んでるんですか? それに武器もずれ武器の鎌みたいですし。すみません、他をあたってください」って言われ、俺は付与師がどういう扱いをされているのか聞き込みで情報を集めた。
鎌は『RO』が始まる時にハズレ武器と呼ばれたので分かっていたが付与師の事はなにも聞いたことがない。
あぁ、最初の時に鎌を選んでいた大体のプレイヤーはほかの武器に変更したそうだ。
それから数日聞き込みを行なって理由が分かった。
付与師は10lvで職業を選ぶ時の紹介文は魅力的で付与師を選んだ人が結構いたそうだ。結構といっても戦士や僧侶、ウィザード等の人気職とは比べ物にならないほど少ないがPTメンバーや自分を強化出来るというのはそれなりに役に立つと思っていたらしい。
らしいというのは付与師になった人達が付与師のスキルを覚え実際に使ってみるとその効果は微々たるものでCPも消費が多く、付与師になるならば他の職業の方が使えると知ったそうだ。
PTは6人までしか組めないこともあり、付与師はプレイヤーから迫害されるようになった。偶に付与師がPTに入れても役に立つどころかPTのメンバーの枠を埋めるだけのお荷物、即ちゴミ職業だと広まったらしい。
普通なら職業を変更するんだけど、俺は付与師600lvだ。一度職業を変更すると付与師は1lvに戻ってしまう。せっかく運良く600lvになれたんだんだから俺は付与師で生きていきたい。
そこで俺は考えたんだ。ギルドに入れてもらえないならば作ってしまえばいいではないか。そう考えた俺はすぐにギルド作成クエストについて情報をあつめクエストを受けた。
この2週間で起きた事は大体こんなところだと思う。
なぜこの2週間を振り返っているのか、それは――――――
―――ようやくギルド作成クエスト完了したからだよ!!
思えばギルド作成クエストは結構難易度が高かったと思う。確か攻略組の最高Lvが現在は44らしいが44LvがPTを組んでも苦戦しそうな敵、MOB(攻略サイトでは敵の事をMOBと呼んでいたからこれからMOBと呼ぶ)を倒さなければ行けないときもあった。他にも80LvくらいのMOBがいるフィールドにしか咲いてない花を採取しに行ったり…などがあった。
『おめでとうございます。ギルド作成クエストを完了しました。ギルドの名前を入力してください』
頭の中に響いてくる女性の声がそう言うと、頭の中に入力画面が現れる。
ギルドの名前かぁ……。何にするか全然考えてなかったなぁ。
うーん……、別にりんごジュースが飲みたい!とかでもいいんだけどそれだとなんか変だしね。
あ!!これにしよう。
俺はギルド名の入力画面に文字を入力していき、完了のボタンを押す。
『ギルド名『Eternal friends』これから何人ものプレイヤーを引っ張っていくことになるでしょう。困難に負けずがんばってください』
頭の中に響く女性の声がそう言うとポーンという電子音が聞こえてきた。
『ギルド『Eternal friends』 がクーによって設立されました』
え、また名前公表するのーーーー!?もうやめてぇえええ、俺のライフはもうマイナスよっ!!
冗談抜きで名前公表するのはやめて欲しい。
これで、ギルド名も知られないようにしないといけなくなった。
あぁ、そうそう。なんでギルド名を『Eternal friends』にしたのかは俺の願いからきている。
『Eternal friends』日本語に訳すと永遠の友達達、つまり、俺は永遠の友達と呼べる人が欲しかったんだ。本当は仲間でもよかったんだけど英語で仲間ってなんて言うのかわからなかったから友達にした。
でも結構かっこいいと思うんだよね。
うーん、これからLv上げしながら永遠の友達探しかな~。
とりあえず今日は宿に戻ってゆっくりしよう。この2位週間はギルドとかで休む間もなく動いていたから少し疲れ気味です。
俺は泊まっている宿に戻るため今いるギルド連盟本部という建物から出て、大通りを通って宿を目指した。
俺が泊まっている宿はこのオルスト街では結構上位にランクインしそうな少し高級な宿屋だ。
少し高級とあって外から見える外装も他の宿とは違う気品が漂っている。それに宿の大きさも他の宿とは比べ物にならないほど大きく、料金も比べ物にならない。
なのでこの宿には攻略組などの上位プレイヤーなどしか泊まれないため人が少なく、俺の名前がバレないようにするには絶好の場所でもある。
あ、そろそろ見えてきた。あれ、いつもは人が少ないはずなのに宿の入口に人が結構集まっている。
少し話を盗み聞きしてみるか。
俺は宿の中に入らず話し声が聞こえるギリギリの場所で止まって話に耳を傾ける。
「デオさん、緊急事態です! 敵の強さが強化されています。以前はオルスト街北のフィールドでは10lv前後で倒せていましたが北オルスト地方BOSSに挑むためそのフィールドを通っていた攻略組が全滅しました」
攻略組って事は大体35~44lvの間のはず、そのPTが以前は10Lv前後で倒せていたMOBに全滅したらしい。
どういうことだ?何が起こっている…。
俺が考え込んでいるとデオと呼ばれていた人はすぐに真剣な表情になった。
「また、運営の仕業か…。レイン!ハーブ!準備して他のフィールドも調べるぞ!!」
デオはどうやら他のフィールドのMOBも強化されているのではないかと考えたようだ。
俺もデオに賛成だ。恐らく全てのフィールドのMOBが強化されているだろう。もちろんBOSSも例外なく…。
『はっはっは。久しぶりではないかプレイヤーの諸君。先程オルスト街の東の初心者フィールド以外の全フィールドのMOBのステータスを変更した。もちろんBOSSも強化されているさ。いやいや、少しMOBのステータスを間違えてしまってね、先程ちゃんとしたステータスに変更させてもらったよ』
突然ポーンと言う電子音が聞こえ、その電子音に続いて最初の時に出会ったKKK社の社長の声が聞こえてきた。
どうやら、俺の予想があっていたようだ。
『そうだ、プレイヤーの諸君。いいことを教えてあげよう。今現在で一番強いのはプレイヤー名「クー」だ。私はそのクーというプレイヤーの特徴を教えてあげようと思う。彼の武器は鎌だ。彼を見つけたら仲間になるのもいいかもしれないぞ。ふっはっはっはっは!!』
まぢですか、まじですか。俺、運営に嫌われてるんですか?
なんでいきなり武器の特徴いうんですか!? 今鎌使ってる人ほぼ居ないらしいじゃないですか!!
宿に近くに集まっていたプレイヤーがみんな俺の方を見てます…。
正確には俺の腰ベルトに下げている鎌を…。
俺の方を見ているプレイヤーは見ているだけで話しかけてきたりはせずただ見ているだけだった。
すると、さっきデオと呼ばれていた人が後ろにいる武装した二人と共に俺の方に寄ってきた。自意識過剰すぎるかもしれないが、この状況だと確実に俺に近づいてきているはずだ。
ど、どうしよう…。逃げるか? いや、逃げるということはクーであることを自らばらしているようなものだ。ここは冷静に違うと話そう。そしてそのあとさりげなく逃げよう。
「すこしいいですか? 私はギルド『Resistance』のギルドマスターをしているデオと言います」
デオが自己紹介すると後ろの二人も自己紹介してきた。
「はじめまして、ハーブと言います。『Resistance』の副ギルドマスターをしています」
「レインと言います。貴方はこの前ギルド加入を希望していた方ですよね?」
デオは中年のおじさん位の見た目で、黒い髪に黒い瞳、体はマッチョと言うほどではないがガッチリしている。武器は背中に背負っている大剣だろう。
ハーブは女性で頼れる大人の女性って感じだ。茶髪の腰まであるストレート。武器は腰にさしている杖だろう。
レインはメガネを掛けた痩せたガリ勉君みたいな感じだ。長髪で黒、武器は弓だろう。
俺が入ろうとしていたギルドってここだったのか…。
俺は落ち着いて様子(見た目だけ)で自己紹介する。
「えーと、アーニャです。付与師です」
俺は『偽名を使ってバレないようにする作戦』を実行した。アーニャという名前は俺の好きなアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』に登場する俺の一番好きなキャラクターの名前だ。
アーニャという名前は女っぽいからバレるんじゃないの?と思っている人もいるだろう。だが忘れてはいけない、俺は現実での転生の時に自称神様に男の娘にされている。今まで男なのにナンパにあったりといいことなど何もなかったが、ここにきてようやく約に立った。
KKK社の社長も俺の事を彼と呼んでいたし、この見た目ならば騙せるだろう。
「こんな事を聞くのは失礼だとは思いますが本当にアーニャさんですか?本当の名前はクーだったりしませんか?」
デオはKKK社の社長が彼と言った事に気づいてないらしい。いや、もしや俺が男であると気づいているのか!?
ここはしばらく女らしくしてクーではないと思わせなければ…。
「いえ、お…私の名前はクーではありません。アーニャです。それ私は付与師です。クーは一番強いと言われてましたよね。一番強いプレイヤーが付与師なわけないじゃないですか」
ふぅ~、危なかった。まさか一番最初から間違えそうになるとは…。
「もしよければフレンド登録しませんか?」
フレンド登録?そんなのあったっけ…。
「フレンド登録ってなんですか?」
俺がそう言うとデオはすぐに教えてくれた。それとなぜか俺と『Resistance』のデオ、ハーブ、レインを中心に人が集まってきている。おい、誰だよこんなに人呼んだの!?こんなに人がいたら逃げれないじゃないか…。
「フレンド登録すると登録した相手とすぐに連絡が取れたり出来るんですよ。なのでよければフレンド登録しませんか?」
ふむ、別にこれで話が終わるならばフレンド登録してすぐ逃げよう。
「じゃあ、フレンド登録したら宿で休んでもいいですか?」
「人違いのようですので、もし貴方がクーさんだったなら一緒にPTを組んでもらうつもりでした。では、フレンド登録の申請しますね」
デオがそう言うと頭の中にピコーンといういつもとは違う電子音が聞こえてきた。
『プレイヤー名、デオがフレンド登録申請してきました。許可しますか? Yes/No』
これでYesを選んで終了っと。
俺はYesを選びフレンド登録を完了する。
すると突然デオの顔が驚いた表情になり、ハーブやレイン、周りの人々が騒ぎ出す。
どうかしたんだろうか?
「あの、どうかしましたか?」
なんとなく気になったので聞いてみた。
「アーニャさん、いや、クーさん。もしよければ俺達を手伝ってくれませんか?」
え、あれ…俺の名前バレてない?
なんでバレたんだろう……。あっ、もしかしてフレンド登録は罠だったのか!!フレンド登録の時にデオの名前が出ていたし、向こう側にも俺の本当の名前が出ていたんだろう。
う、やるではないか…。それよりもこれからどうしよう…。間違いなく俺の顔を覚えられたはずだし、逃げたとしてもいずれ捕まってしまう…。
すると隣にいたレインがデオに話しかける。
「デオさん、この人は付与師で鎌です。そんな人が一番強いプレイヤーのクーさんのハズがありません!」
どうやらガリ勉君は認めたくないようだ。まぁ、俺もこんな小さな美幼女卒業間近みたいな見た目でハズレ武器とゴミ職業のプレイヤーが一番強いって言われても認めれないしね。
「いや、本物だ。だが、Lv27なのに一番強いというのはどういうことなんだ…」
デオがそう言うと周りのプレイヤーは再び騒ぎだし何人かが「最強プレイヤークーを見つけたぞーー!」と言いながらどこかに走って去っていってしまった。
ちょ、どんどん広まってる…。もう無理かも…。
「クーさん、これからMOBの強さの確認に行くのですがよければついてきてもらえませんか?」
デオがそう言うと頭の中にピコーンっと電子音が聞こえ、
『PTリーダー、デオからPT申請がきました。許可しますか? Yes/No』
はぁ、仕方がない。
俺は許可してPTに入る。
「改めてよろしくお願いします。クーさん」
「よろしくお願いします」
「ふん、精々足を引っ張らないでくれよ」
ねえ、レインPKしていいかな?いらいらするんだけど…。
「よろしくお願いします」
「まずは、オルスト街北フィールドに行きます。クーさんは準備出来てますか?」
デオって結構いい人?いや、レインが悪すぎていい人に見えるだけなのか?
「はい、いつでも戦闘可能です」
「では、行こうか」
デオがそう言い、北を目指して歩き始めると人混みはサァーっと別れ、綺麗な道が出来た。ハーブとレインはその後ろをついて行っている。
あ、ちょ、まって、俺を置いていかないで~。
ご都合主義な気がします。
フィールド名やMOB名やBOSSやプレイヤー名が全然浮かんでこない…。
何も浮かんでこなければ次BOSSは犬の王とかになりそう…。
BOSSの名前全部○○の王とかもいいかな?