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11話 オルスト街襲撃 2

ご心配おかけしました。


これからも頑張っていくので応援よろしくお願いします。

「二人とも『Eternal friends』に入ってる」


リリィがそう言うとハルトは結構驚いていた。


「本当なのかい…?」


 ハルトはそう言いながら俺の方を見てくる。どうやら俺に答えて欲しいそうだ。


「はい、本当ですよ」


「君たちはどうやって『Eternal friends』に入ったんだい?」


 ハルトがそう言うとリリィが即答した。


「アーニャに入れてもらった」


 リリィ…、そんな事を言ったらハルトが俺に誰に入れてもらったんだ?って聞いてくるじゃないか…。


 もうこそこそ隠れているのはやめるか?既にいろんな人にバレているし、これからも少しずつバレていくだろう。それならばもう隠さなくても…。


「そうなんだ、なら君は誰に?」


 もう隠さなくていいや。


 バラすことによってどんなことが起きるかはわからないけれど、それはその時起きた時に対処すればいい。


「すみません、実は私がクーなんです」


 俺がそう言うとハルトはそこまで驚かなかったが少しだけ驚いていた。


「やはり、君がクーさんだったのか。鎌を見たときにもしや…、と思ってたんだ。そしてギルドを聞いたときはほぼ確信していたよ。今鎌を使っていてギルドに入っているプレイヤーなんていない、いたとしても昔鎌を使っていたというプレイヤーかクーさんくらいだ」


 ハルトはそこで一旦息をつき再び話し始める。


 そんなに早く気づかれていたのか…。それなら他のプレイヤーにも結構気づかれているかもしれないな。


「話は変わるけれど、君達はこのVRM―――「第二派が来たぞ!!MOBはオークとスケルトンウォーリアだ!!」どうやら第二派が来たようだね。MOBの数やLvが10代だったのが気になっていたんだが第二派は数、LV両方ともさっきとは大違いだ」


 ハルトはそう言うとさっきまで会話していた時とは違う雰囲気を出した。


 俺とリリィも気を引き締めて第二派がくるのを待った。


 他のプレイヤーも第一派は数でゴリ押しして討伐し終わっていた。既に死者が多数出ている。


 第二派はオークとスケルトンウォーリアと言う名前のMOBらしい。スケルトンウォーリアと言うのは、さっきのホネホネ君のことなのか気になったためハルトに聞いてみた。


「スケルトンウォーリアというのはさっきのホネホネ君とは違うMOBなんですか?」


「ホネホネ君?…あぁ、あれはスケルトンですよ。スケルトンウォーリアと言うのはスケルトンの上位種ですよ。クーさんならご存知のはずです」


 うぅ、俺はいろいろあってスケルトンとかは初めて見たんです。


 スケルトンウォーリアはスケルトンの上位種だそうだ。上位種となると当然LVや強さもさっきのホネホネ君よりも上だろう。


「クーさん、ギルドメンバー同士で固まっていこうと、遠話が来たので僕はそっちの方へ行こうと思います。クーさん達ならば大丈夫だとは思いますが気を付けてください」


 ハルトはそう言うとどこかへ走って消えてしまった。


 遠話? さっきデオからきた遠距離会話みたいなやつの事かな。


 

 数分後、第二派の先頭との戦闘が始まった。


 戦闘が始まるとオーク2匹が俺達の方へ向かってきた。


 オークは豚の顔に人の身体。体型は縦も横も大きく、身長は2メートルはありそうだ。オークは片手に鈍器を持っている。


「ブヒッ、ブヒヒヒッ!!」


 オークの鳴き声は豚そのもので、オークが鳴くたびに涎が飛び散る。


 うわぁ…。


「リリィ、俺が相手しているオークじゃない方の足止めお願い!!」


 俺はそう言い、向かってくるオーク2匹の内1匹に向かって走り出す。


 リリィは俺が向かっているオークではない方のオークへ双銃を撃ち足止めしている。


 俺はオークの間合いに入り、攻撃される前に鎌でオークの足を攻撃する。


 な、弾かれる…。硬いというか弾力!?


 オークの足へ攻撃は出来たものの、鎌は弾かれ、オークにダメージを与えることはできなかった。


 オークは俺が自分の間合いにいることに気づき、鈍器を振り上げる。


 予備動作大きすぎ。


 俺はオークが予備動作をしている間にオークの後ろへ回り込む。オークはそのまま先程まで俺がいたところへ鈍器を振り落とした。


 オークが鈍器を振り落とした瞬間ほんのわずかな間オークの体勢が低くなったため、俺はオークの頭に狙いを定めて鎌で切りかかる。


 マジかっ!! 頭まで弾かれるとは…、さすがにHPゲージは少しだけ減ったけれど急所でそれだけなのか。


 結果は足と同じく頭でも攻撃を弾かれた。どうやって倒そう、しかし俺にはそんな事を考えている時間はない。


 リリィが足止めしているオークがやってきた。


 俺が最初相手にしていたオークAは俺の方へ振り返り、リリィが足止めしていたオークBは俺の方へ走ってきてそのまま鈍器で一文字に振り払う。


 俺はバックステップで回避し、オーク2匹から距離をとり、自身へ支援が切れていないかを確認する。


 ついでにCPも確認しており、CPは半分残っていた。


 そうだ、ファイヤーエンチャントならダメージを与えれるかも。オークも所詮豚だ。豚なら火によって焼豚にできるはず。俺はそう思いスキルを発動する。


「ファイヤーエンチャント」


 ファイヤーエンチャントを発動すると、鎌の刃は炎を纏った。


 炎を纏った鎌を構えて、俺はオークAへ向かっていき、先程弾かれたオークの足めがけて鎌で攻撃する。


―――ジュゥゥゥ


 浅くだがオークの足を切り裂くことができ、傷口付近を炎で焼く。


 オークの肉が焼ける臭いが鼻にツーンと来るが、今はそんなことを気にしている場合ではない。


 オークAは豚の鳴き声を上げ、鈍器で俺をたたきつぶそうとしてくる。だがやはり予備動作が大きく簡単によけることができた。


 オークAの攻撃を回避するとすぐにオークBの鈍器が上から振ってきた。


 俺はなんとか回避し、攻撃したあと隙が出来ているオークBの頭へ鎌を振り下ろし、その後すぐにバックステップで距離を取る。


「ハイショット」


 リリィは俺が一匹のオークを相手にしている時はもう一匹のオークへ双銃で攻撃し、ダメージ+足止めをして、俺が距離を取る時は双銃のスキルを使い足止めする。いわゆるヒットアンドアウェイという奴だと思う。


 俺は再びオークAに向かっていく、オークはすぐに反応し鈍器を振り下ろすが、横に回避し、隙が出来ているオークAに鎌のスキル連続切りを発動する。


「連続切り」


 ファイヤーエンチャントにより炎を纏っている鎌で連続切りをする。


 1回、2回、3回………9回の攻撃をいつもの数倍の速さで斬り付ける。


「ブヒヒャァアア」


 オークはHPを残り2割まで削られる。


 CPは連続切りあと1回分と少し残っている。


 俺はもう一度連続切りをして、オークAにとどめを刺すことにした。


 俺は悲鳴を上げているオークAの後ろへ回り込みスキルを発動させる。


「連続切り」


 再びファイヤーエンチャントにより炎を纏っている鎌で連続切りをする。


 オークAの背中を1回、2回、3回、4回と攻撃し、4回目でオークは光の玉となって消えていった。


 不意に、リリィの声が聞こえた。


「クー、MOBが私達を囲もうとしている」


 俺はすぐに辺りを見渡す。


 すると周りには戦っているプレイヤーはおらず、近くにいるMOBが全てぞろぞろと此方の方へ向かってきている。


 恐らく俺たちを囲もうとしているのではなく、ただ単に俺たちの方へ向かってきているだけだろう。ただ、全方向から向かってきているので囲もうとしているように見えるだけだ。


 たった2匹のオークにでさえ苦戦しているというのに、ぱっと数えただけでも100以上はいる。そんな数相手にしていられない。


「リリィ、南門まで下がるよ!」


 リリィにそう言い、俺は南門へ向かい始める。


 だが、全方向から向かってきている。ということは当然南門へ向かう進路上にもMOBがいる。


 俺はなるべく相手にせず、目の前にいるオークの鈍器をよけ、通り抜けようとする。が、横からさらにスケルトンウォーリアの剣が降りおろされ、鎌で受け流した。


―――パキンッ


 スケルトンウォーリアの攻撃を受け流すと鎌にヒビが入り、砕け散った。


「な、なんで!?」


俺は直ぐ様後ろへバックステップし距離を取る。


「武器の耐久力が0になったから」


 リリィは、なに当然の事を?とでも言いたげな表情で言った。


 え? 武器に耐久力とかあるの…?


 オークとスケルトンウォーリアの群れはどんどん俺達の方へ向かって来る。


 リリィは双銃で交戦するが、いかんせん数が多く、少しずつ後ろへ下がっていく。


 俺は鎌が砕け散ったため何も出来ずリリィと共に下がっていく。


 イベントリの中には初期装備の鎌が残って入るのだが、戦闘中は装備の変更はできないため、どうしようもない。


 ついに、後ろにも下がれなくなった。


 後ろからもMOBが居て、俺とリリィを中心に半径7メートルの円を逃げる隙間なく作っていた。


 やられた、これじゃあ逃げれない。


 どうすれば生き延びれる。


 俺は必死に考え始め、思いついた。


 アレがあるじゃないかと。


「リリィ、このままだと私達は死ぬ。そして私たちが死んだらここにいる全てのMOBが南門に向かうと思う。そしたらこの大群は南門に残っているプレイヤーでは止めれず全滅すると思う。だから私たちはこの大群から抜け出し、そのまま南門とは反対方向に進んでリーダー格を探し出し、討伐する」


 そう、このままだと俺達も他のプレイヤーも死んで終わってしまう。


 死ぬのならば、自称神から貰った能力を使って生き延びたほうがいい。その力を使って南門へ逃げるというのもありだけど、そうしてる内にもMOBによってプレイヤーが犠牲になるかもしれない。そんなことはさせたくないから俺はリーダー格のMOBを倒そうと思う。


「わかった。けれど、どうやって?」


「PKの時に使っていた炎の能力を使って炎で出来た武器を作る」


 描け、理想の力を、この手に。


 俺は右手にこの前に炎で出来た武器を想像し、創造する。


「きれい、それに大きい」


 創造した武器は全長が5メートル位の大剣だ。本当は鎌でもよかったんだが大剣のほうが多数の敵を同時に攻撃できると思ったからだ。


 持つところも炎で出来てはいるが、熱くはない。


「リリィ、いくよ。あんまりぴったし引っ付くと当たるかもしれないから気を付けて」


 俺はそう言うと南門とは反対方向にいるオークやスケルトンウォーリアに、炎で出来た大剣で横に薙ぎ払う。


―――ジュゥゥゥゥ


 炎で出来た大剣はオークやスケルトンウォーリアを、いとも簡単にまっぷたつに両断し、切り口が燃える、というより溶けた。


『ポーン、ポーン』

 電子音が頭の中で2回鳴り響く。


 一回なぎ払っただけで俺を中心とした半径5メートル内に居たMOBは、全てHPゲージを0にされ、光の玉となって消えていく。


 俺は南門とは反対方向へ走りながら間合いに入ったMOBを、炎で出来た大剣で薙ぎ払い、どんどん倒していく。



 リリィは俺の間合いに入らないように気を付けながら、双銃で後ろから突いてくるMOBの足止めをし、俺についてくる。


 

 結構な時間走り続けながらMOBを倒しまくった。


 どのくらい倒しただろうか。数は分からないが結構倒したと思う。Lvも電子音が何回も聞こえたから結構上がっているだろう。


 それくらい倒したというのに後ろの方に小さく見える南門の付近には、沢山のMOBが見える。 


 このイベントもこれで終わる。


 恐らくこれがオルスト街襲撃のリーダーMOBだろう。


 全長5m位は優に超える大きさ、全身石みたいな鉱石で出来ている。


 そう、リーダーMOBはゴーレムだった。


今週学年末考査です…。


さすがに学年末はいい点取らないと…。


どうしましょう…。

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