7筆目
渡白「お~、これが戦士の国か。立派なもんだな」
クロ「そうですね。国はこの砦に囲われてるみたいっす。おっ、あそこから入れそうっすよ」
受付「現在我が国では、魔王軍警戒命令が団長より出されておりま~す。それにより入国検査が厳しくなっておりま~す。ご了承くださ~い」
クロ「魔王軍警戒命令?何かあったんすかね?」
渡白「さあなあ。まあ魔王倒すのが目的の僕らには関係ない話だな」
クロ「入国したいんですけど」
受付「はいありがとうございます。現在魔王軍への警戒命令が出ているため、いくつか確認をさせていただいてもいいでしょうか」
クロ「はいお願いします」
クロは持ち前の愛想のよさで快く答える。
受付「ガナにはどのような目的で来られましたか?」
クロ「仲間集めですね」
受付「滞在の期間は?」
僕は質問の内容から空港での入国審査を思い出した。
その後も簡単な質問が続き、そのたびに受付の手元のリストにチェックマークがついていく。
受付「では最後の質問です。ご職業は何でしょうか?」
クロ「画家です」
クロがひときわ大きな声で、自信満々に答える。
ガシャン
その瞬間衛兵が素早い動きで、僕たちを取り押さえる。
渡白・クロ「えっ?」
ガチャ、バタン
クロ「ちょっと、出してくださいよ。何も悪いことしてないっすよ」
兵士「お前らには、魔王軍警戒命令発令中の我が国において、画家なる未知の職業を申告し、新たなる魔王の恐怖を国民に与えた疑いがある。よってこの牢にて拘束する」
なるほど。
そういうことか。
僕らが魔王と同じように、この国に被害を与えることを危惧しているわけだ。
つまり魔王軍警戒命令とは、僕らを警戒して出されていたのか。
クロ「何言ってるんですか。オレらは魔王を討伐するためにこの国に来たんですよ」
兵士「お前らこそ何を言っているんだ。お前らは第二の魔王だ。生きてこの牢を出られると思うなよ」
??「やめろ。声を荒げるな。みっともない」
タッ
兵士が声の方に身を翻す。
兵士「ハッ。申し訳ございません団長」
現れたのは団長と呼ばれている、巨大な剣を背負った赤毛の女だった。
団長「私は未知の職業を申告または、未知の能力を使用した者を捕えよと命じただけだ。この者共の今後の処遇についてはまだ決まっていない。それにこの者たちが第二の魔王だと決まった訳ではない」
兵士「しかし国民はこいつらを恐れ、夜も眠れずにいます。それにこいつらが、未知の職業と能力を持っていることは事実です。即刻死罪にするべきです」
団長「結論を急ぐな。こやつらの言い分も聞かねばならぬ」
兵士「……チッ、めんどくせえなこの女。ちゃっちゃと言う通りにすればいいのによ。こんな回りくどいやり方やめだやめだ」
カラカラカラカラ
不気味な骨の音が響き渡る。
兵士(?)「こいつらから殺そうと思ってたがお前からだ、団長さんよ」
兵士が腰の剣を抜き突っ込んでいく。
女の剣は背中、抜くのは腰差しの方が速い。
この攻撃は直撃する。
渡白「クロっ!」
ガキンッ
クロ「ふう。なんとか間に合ったっすよ盾」
クロが一枚の盾を両手で持って、なんとか初撃を防ぐ。
兵士(?)「!?お前らなんで牢か…」
団長「よそ見をするな。お前の相手は、私だ」
グザンッ
後ろからクロを除け、大剣を振り下ろす。
一撃で甲冑の上から一刀両断。
なんというパワーだ。
ドサッ
兵士が床に倒れこむ。
団長「尋問の時間だ無謀な兵士まがいよ。お前はいったい何者だ?」
兵士(?)「ハアハア。じ…自分のとこの兵士のこと忘れたのかよ。団長様」
団長「斬りかかっておいて何を抜かす。それにうちの兵士なら私に謀反は起こさん。なぜなら私の恐ろしさを一番知っているのは兵士だからな」
そう言いながら兵士の頭の甲冑を外す。
団長「誰だお前は?声はよく知ってるが、顔は見覚えが無いな」
兵士(?)「驚いたか?俺は魔王様が配下。ス…スケルトンのコーチェクス」
コーチェクス「我が一族はヒトマネを得意とする。俺らは人から顔や体つき、声まで全てを完璧にマネをする。お前らは仲間すら見分けられない下等な種族だ!この国にどれだけのスケルトンが潜んでいるのか疑い、怯えながら死んでいくんだよお前ら人間は!現にどうだ俺の声マネは完璧であっただろう?」
団長「ああ完璧だったよ。だがオツムがスッカスカの伽藍洞だ骸骨野郎。情報提供感謝する」
グシャッ
女は大剣をペラペラと喋っていたスケルトンに突き立てる。
団長「クッ、もう既に魔王軍に国内部に入り込まれているのか。厄介だな」
クロ「そうっすね。早く国の人たちに伝えないと」
団長「…一つ質問いいか?」
クロ「はい!」
団長「何故牢から出てるんだ?」




