第79話 美幸姫(みいの方)天晴れ大殊勲!
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1573年6月2日 5:00
東京都江戸東区
織田城内濃姫クリニック
(織田家専用・産科婦人科病棟)
担当医:織田濃姫
助手女医:お市の方
回復看護師:あここの方
付き添い:天寿院(美幸姫・実母)
分娩室外廊下
コツコツコツコツ
スタスタスタスタ
コツコツコツコツ
スタスタスタスタ
コツコツコ
スタスタス
がちゃ!分娩室のドアが開き
天寿院
「うるさい!静かにせぬか!」
がちゃ!閉じた。。。
織田信長&馬場信春
「「。。。。。。。。」」
遠藤 斎希
「。。御二人とも、お座りになられたらどうですか?」
「「う!うむ。。。」」
馬場
「皇帝閣下は初めてではなかろうて。」
信長
「いやいや舅殿こそ何度も経験しておろう。」
「儂は孫だから何度も経験は無い!」
「"俺"だってみいちゃんの子は初めてだ!」
「天下の皇帝ともあろう者が大丈夫で御座るか!」
「何を!武田の鬼美濃と恐れられた御仁が、孫の出産で狼狽えおって!!」
がちゃ!開いた
ズドン!ズドン!
「次、騒いだら顔面を貫きます。」
がちゃ!閉じた。。。
信長と馬場の頭上5cmの壁に
チート結界を物理化させた光る槍が刺さっていた。。。
信長
「舅殿・・・見えたか・・・」
馬場
「まったく・・・頭上が光って音が後から聞こえた・・・(汗)」
2人に背中を向けて歩き出す斎希
馬場
「斎希どこにいく?」
「2人と一緒に居ると某まで槍の餌食になりかねませぬ。とばっちりを受けるのは御免こうむる。
待合室にて待機しておりまする。」
信長
「ずいぶんと冷たいでは無いか・・・それを塩対応と言うのだぞ。」
「塩対応が何か分かりませぬが、かわいい甥か姪を見る前にとんでもな。。。」
「オギャー!!オギャーーー」
3人
「「「はっ!!!」」」
信長&馬場
「「そわそわ!ソワソワ!」」
斎希
「産まれたんですよね??」
何故か誰もドアから出て来ない
信長
「何だ?どうしたのだ?」
馬場
「ううううう、待ってられん何がおきておる。斎希!はやく中に入って聞いて来ぬか。」
「そうだ!舅殿の言うとおり。何をしておる斎希、早く行かぬか!」
「はあ?お断り致します・・このドアを開けた瞬間。。。」
「おぎゃ~おぎゃ~~」
3人
「「「えっ???」」」
がちゃ!ドアが開いた
笑顔が愛くるしいあここの方が出てきて
「おめでとう御座います皇帝閣下、参謀閣下、遠藤殿。とても元気な男の子と可愛らしい女の子でおじゃります。
みいちゃんも無事元気です。本当に頑張りましたよ。
いま産湯に浸かってますので、もう少しお待ちくださりませ。」
馬場
「双子ということか?」
信長
「2人か、良く頑張ったな美幸。」
斎希
「姉上様・・・無事で何より」
この時代、双子や三つ子の多胎児は忌み子・畜生腹と呼ばれ、産んだ母親含め侮蔑されていました。
2番目に産まれた子を、寺院前に捨てたり養子に出すのが一般的で、恐ろしいのが生活の苦しい貧民世帯では、片方を殺す間引き等も行われていたそうです。
エコーや鑑定で前もって男女の双子と知っていた濃姫。
但しその事実は誰にも知らせず、すぐに医学部や病院クリニック等で、多胎児はその家に繁栄をもたらす"福の神"であると講義等で演説。
浅野翔吾に広告ビラを作らせて、経済的にどうしても育てるのが困難ならば、捨てたり間引いたりせず幕府支所に届けるよう日本全国に厳命した。
また現代知識を持っている信長にも働きかけ、幕府内で「双子は幸せを2倍にしてれる存在である。」と推奨し、子育て支援の給付金として織田金貨100万円を贈呈する政策を取らせたのである。
信長
『帰蝶。儂にまで知らせないとは、、、個人情報保護法とやらか?w』
濃姫
『単なるサプライズですよwいまドアを開けますね』
「皇帝閣下、馬場家、遠藤家の方々おめでとう御座います。
とても元気で可愛いお子たちですよ、さあ中に入って下さい。
その前に手洗いに消毒液を忘れずに行って下さいね。」
信長
「みい、良く頑張ったな、でかしたぞ!天晴れ大殊勲だ!!!」
馬場
「美幸・・無事で良かった・・うううううう(涙)」
斎希
「姉上様、繁栄をもたらす福の神、誠にめでたい。甥と姪が同時にできて某も嬉しゅう御座います。」
天寿院に手を握られ横になっている美幸姫
「貴方様とみいの子供です。抱いてくださりませ。」
「おお!もう抱いてもいいのか?帰蝶!手は消毒したが風呂に入っておらん、良いのか?」
「ふふふ大丈夫ですよ、産まれたての赤子は母親のIgG抗体、母子免疫で守られています。半年ほどは強いですからw
まあでも念のため部屋全体に、チートクリーンをかけましょう。あここさんお願いします。」
「はい、エリアクリーン」
シュワワワワワ!!
公家出身のあここ姫らしい、ほんわかとしたソフトな光が分娩室を包み混んだ。
「おおお、あこのレンタル回復力の効果もレベルアップしておるな。どれ2人もおると1度に抱くのは慎重にせねばのお。」
お市の方
「兄上様!赤子の体は"デリケート"です。欲張らず1人ずつお抱きください。」
男の子を抱いた信長
「そ、そうか。それもそうだなどれ、おおお~柔らかいのお。。。目も鼻も余にそっくりではないか。。」
馬場は女の子を抱いている
「おじいちゃんだぞーーうんうん口元が儂とよう似ておる。」
斎希
「はあ?参謀閣下殿、御言葉ですが閣下と赤子に血の繋がりは御座いません。口元なら某と生き写しで御座いましょう。」
「何を言うか斎希、長年美幸と暮らしていたのだ。顔も似てくるのは当然であろう。
なあ~赤子よ~お前の"叔父さん"は何も知らんおバカさんだな~」
「ぐっ!もうよろしいでしょう、早く代わって下され。」
天寿院
「まあまあ産まれてすぐ殿方2人の取り合いになるとは、この娘はモテモテですねえw」
信長
「義母上様、モテモテだろうが誰1人男は近づけませぬ故ご安心下され。」
「まあ~婿殿はもう親バカを発揮しています。貴女はたいへんですねえ、ふふふふふ」
濃姫
「貴方様。第2子の女の子は、市が取りあげてくれたのですよ。」
「そうなのか?お市、我が娘を無事にこの世に出してくれて感謝いたす、本当にありがとう。」
「何を申されますか、こちらこそ義姉上様に御配慮頂き、有りがたく思っております。
織田の家、馬場の家、遠藤の家みんなの宝物ですからね。」
一同
「「「その通り!みんなの宝物だー」」」
信長
「美幸、、、ありがとうありがとう、本当にありがとう。」
「もう貴方さま、、そんな何度もウフフ」
「何度でも言うぞ、ありがとう美幸。そして誠に"天晴れ大殊勲"である!!」
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信長と美幸姫
初めての子供が男女の双子とは、めでたいです。
また6月2日でしたね。このまま毎年その日に良い出来事を重ねていけば1582年6月2日も良き日になるのでは?
また明日。
第80話
この後【9:00】予約投稿入れてますので引き続き御覧ください。