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第59話 上杉謙信・小早川隆景・第六天魔王


【カクヨムにて71話まで公開中】

1570年11月1日 19:00

安芸国・新高山城


信長・謙信2人が待つ部屋に、小早川隆景と椋梨弘平(筆頭家老)に重臣・乃美景興が入って来た。


小早川隆景

「お待たせ致しました、江戸幕府副将軍・上杉謙信様。城主小早川隆景で御座います、どうぞ上座の方へ御移り下さい。」


上杉謙信

「これは御丁寧な挨拶を頂き忝ない。上座下座に関しては、1つ提案があるが宜しいですかな?」


「提案ですか?」


謙信と信長が目配せをする。

ズン!

「「「はっ???」」」


突然護衛の大男が持つ黒い袋から、丸テーブルと椅子が5脚出て来たのだ。そりゃあ驚きますねw


謙信

「これは全て南蛮由来の品でしてな、丸い"テーブル"台になっておる故、上も下も無い。対等に話せると言うもの、さあ腰掛けようではないか。」


「はっはあ~?」

いやそこじゃ無いんだよ、聞きたいのはその黒い袋だよ。こんなでかい物が何で?


謙信も分かってるが無視して話を進める。

「さて小早川殿。瀬戸内は幕府で完全に制した。四国~堺にかけても幕府軍の許可無しでは航行出来ぬ。

その意味が分からぬ毛利家ではあるまい。幕府としては穏便に事を収めたいのだが如何ですかな?」


「穏便に収める為には何を御望みでしょうか?」


「ははは人が悪い。上皇陛下様と帝の連名による"勅命"の他に何があると?」


いきなり核心に迫られ押し黙る隆景。


椋梨弘平と乃美景興は、2人の会話も然る事ながら、大男の持つ黒いリュックが気になって仕方が無かった。


信長

「副将軍様、せっかく上下関係無しの丸テーブルに座っているのです。

そう急がずに、レモンティーとショートケーキでも召し上がりながら、話をした方が宜しいのでは?」


「うむ。それもそうだな、では頼む。ああわしはコーヒーが良い。角砂糖2つだ。」


会話の半分も理解出来てない小早川家の3人。


「今日は極上品を揃えましたぞ」

またも大男が黒い袋に手を入れた。


「「「ゴクリ」」」

今度は何が出て来るのか?思わず唾を飲み込む3人。


ズン!


丸テーブルの上には見た事もない飲み物と、美しい丸い食べ物?らしき物が並べられる。


「では失礼して」


信長がナイフを取り出しシュッ!

一瞬でホールケーキを切り分けた。


「「「「「むっ!!」」」」」


ナイフを見た小早川護衛の兵達が、遅ればせながら信長に向かってくる。


「やめとけ!抜くと死ぬぞ!」


シュッ!

消えた信長が直ぐに席に戻った時、5人の兵士は全員当て身をくらい、気を失っていた。


『『『見えなかった。。』』』

小早川家の3人に戦慄が走る。


「これはケーキと言う食べ物だ。切り分けるためにナイフを取り出した。護衛の兵士に誤解を与えたのは謝罪しよう。

暴れられると肝心の話が出来ぬ故

眠らせた。急所は外しておる、いま少しすれば覚醒するであろう。」


小早川家1の強者、椋梨弘平

「その鍛え上げられた体つき、先ほどの動き等まったく見えなかった。。。そなたはいったい何者でありましょうや?」


「済まん騙すつもりは無かったが、混乱させぬため偽っておった。」


乃美景興が緊張のあまり脇差しに右手が動く。


小早川隆景

「止めろ景興!死ぬぞ」


「はっ?いやつい無意識に失礼した。。。」


それを見て上杉謙信が椅子から立ち上がり、信長に向かって跪く。

「ここにおわすが"上皇使徒"並びに"征夷大将軍"織田信長様であらせられます。」


椋梨&乃美

「「!!!うう!!」」


小早川

「。。。やはり。。。」


「1つだけ提案がある。折角のレモンティーとコーヒーが冷めてしまう。

まずは一服してから話をしようではないか。のお副将軍よ!」


「はっ!上皇使徒の仰せのままに。」


「お前も座れ謙信!小早川家の3人が戸惑っておる。」


信長は湯気の立つレモンティー4つを並べ

「無論、毒等入っておらんが先に選ぶと良い。余は残った物を頂こう。」


「御配慮有り難く」


小早川隆景は信長の毒への配慮に感謝し、真っ先に1つ手元に引き寄せる。

椋梨と乃美もそれに続く。


カチャ

ガラス細工の蓋を開け、角砂糖を2つ自分のティーカップに入れる信長。


小早川

「それは?もしや砂糖ですか?」


「ああ本当は3個いれたいのだが、体に悪いと帰蝶がうるさくてなw」


椋梨

「砂糖。。高価な物をこんなに。」


信長はわざとバケツサイズwのカットガラス容器を創造し、これでもかと角砂糖を5kgも入れていた。


謙信はこれ見よがしに角砂糖を3個入れ、コーヒーを美味そうに飲んでいる


「謙信。。お前、余への当て付けだろ?いま3個入れたよな!」


「何のことで御座いましょう。さあ皆も飲みなされ。冷めると味が落ちますぞ。」


「確かに。。ではわれらも頂こうではないか。」


信長

「ぐぬぅ。。。狂戦士バーサーカーめが。角砂糖の恨みは根に持つぞ!」


「「「うっ!!美味い」」」

3人の顔が満面笑みになっている。


「上皇使徒様。美味しい物を頂いてる最中に、恨みとか根に持つとか無粋と言うもので御座います。」


「。。。。。ふん!勝手にせい!」

信長は見事に5等分にカットした、ホールケーキに手を伸ばし止めた。


「いかん。小早川殿、それはケーキと言う伴天連由来の菓子だ。先に選んでくれ。残った物を余と副将軍で貰うゆえ。」


小早川

「ほお菓子には目が無いので。頂きまする。」


「「「あああああ~~」」」

3人の顔から頬っぺたが落ちている。


乃美

「そんな!そんな!そんな!」


信長

「そんな節とかいう唄か?」


椋梨

「駄目じゃ!こんな物を食うたらいかん!人間駄目になってしまうムシャムシャ。じーーー」

瞬く間に平らげ、恨めしそうに謙信のケーキを見つめている。


「パクッパク」

危険を感じた謙信は2口で全部放り込んだ。


「ううーーー」


「苺もたっぷりホワイトベリーホールケーキ5号では足りなかったか、なら次はこれだ!」


ズン!

大皿にシュークリームを30個出す。


「「「ん?」」」

少し物足りなさそうな3人。


それを察した信長

「見た目的には最初のホワイトベリーホールケーキの圧勝だ。だがな~wまあ良い食べれば分かる、今やカスタードクリームの虜になっておるこの男のようになw」


そう上杉謙信はシュークリームが無ければ、副将軍の座を降りると真顔で訴える男なのである。


椋梨&乃美

「「ぐおおおおおおお!!」」


小早川

「。。。分かる分かるぞムシャムシャ軍神殿が虜になる理由が。。」


覚醒した護衛兵士5人にも

「詫びだ遠慮するな」

「「「ひいいいいい」」」

信長に怯えながらも、シュークリームを食べる口は止まらなかった。


骨抜きにされた小早川家首脳3人に向かい


「こんな美味い物を食べて飲んで幸せな気持ちになれる。

そして明日殺しあいをしようと思うか?今の気持ちのまま生きて行く。

親兄弟子供たち、家族全員が、友が戦友が、笑顔で仕事をして皆で美味い物を食う。そんな国を"俺"は作りたい。

どうだ小早川隆景"勅命"に従い一緒に役目を果たせ。江戸幕府は何時でも待っている。」


小早川隆景

「。。。。。感服致しました。上皇使徒様となら叶えられそうな気が致します。。。がしかし。。。。。」


「よい、急くな。勅命に認めたように1572年12月31日までの猶予がある。

だが1つだけ言うておく。早々と余に従った副将軍の越後の事だ。謙信」

お前が話せとの目配せに


「はい。では

たった1月と少しで国の全てが変わり申した。経済的に豊かになるということは、こういう事なのかと。。。民の笑顔それも心からの笑顔。。。わしは今まで1度も見たことが無かった。

この御方に付いて行けば日ノ本中がそうなれる。確信したから副将軍の役目を全力でまっとうしておる。決断が1日早ければ幸せな笑顔も1日早く見られる。

それだけの事だ。。だがそれだけの事を誰も成し遂げられなかった。。。そこに早く気付いて欲しい。」


「「「。。。。。。(涙)」」」


チラッと時計を見る信長

「だがな隆景それはそれ、これはこれだ。余の海軍の別動隊がいま出雲沖合いにおる。

毛利家が足利義昭等を匿っておった事、とうに露見しておるぞ!

泳がせておったがあの馬鹿ども、余を討伐せよと文を送りまくっておる。

その返礼として、御主等はまだ知らぬ用だが月山富田城を砲撃して焼き尽くした。跡地に余の城を作る、今夜中にな。

恨むならあの馬鹿どもを恨め。


それと

石見銀山は"今のところ"多目に見てやる。だが出雲は今夜から幕府の直轄地とする。

余と一緒にやるか?やらないか?明日囲みを解くゆえ早く決断しろ。

但し吉田郡山城は明朝から囲むぞ。手を出すつもりは無いが、攻撃されれば反撃する。

あとは

多治比猿掛城を調べたが兵がおらぬようだ。明朝爆撃で殲滅する。余も悪戯に人を殺めたりはせぬ。無人の城を殲滅するのは、歯向かう逆賊に容赦はせぬぞという警告である。」


ズズズン!!

おびただしい量の織田金貨が山になり、部屋に積まれた。

金色の目映い光りを放っている。


「「「なっ!なんと!」」」

驚愕で椅子から立ち上がるが、体が固まって動けない3人。


「織田金貨で300億円ある。

瀬戸内の毛利水軍に村上等の海賊衆の復興に使え。小早川水軍も壊滅したのであろう。船を作り漁師として、または海運業として働き生活を成り立たせる。その為の金だ。

もしその船を戦に作ったら今度は"命も"取る。」


「復興の為の金子!!!我等の?毛利のために??」


「ああ余は上皇使徒であるぞ、帝の父親だ!日ノ本の民は全て余の子供達だ。

毛利だから、織田だから、上杉だから等の区別は持たん。300億円では分かりにくいか?早く織田金貨の単位に慣れろよ。

"20万貫"だ!!行くぞ謙信、出雲が待ってる。」


「はっ!小早川隆景殿また会おう!」


シュン!


「消え、、、た。。」

「20万貫。。。。。。」

「毛利が生き残るのに選択肢など無い、従うのみだ。

文官と右筆を呼べ!鳩だ、鳩にて今の話を全ての毛利領地に伝える。

小早川家は織田に、いや上皇使徒様に無条件降伏すると!

毛利家も明朝、吉田郡山城が囲まれると報せろ!そして即時降伏するようにと輝元に伝えるのだ!!

月山富田城、多治比猿掛城の事も直ぐに送るのだ!!!」


毛利家随一の知将・小早川隆景

信長の持つ圧倒的な軍事力・経済力に加え、消えたという事実。それは一瞬で移動も可能なのだろうと理解した。


それと何より民衆を幸せな気持ちにするであろう、あの美味しい菓子と飲み物。おそらく種類も豊富にあるはずだ。

冷酷であり、厳しくもあるが味方には誰よりも優しく暖かい。


『全てにおいて勝てる相手では無い。。。毛利の為に出来ること。それは自分が幕閣となり毛利・小早川・吉川の領民達に還元する。そのために江戸幕府で頭角を表してやるぞ。』

固く心に誓い素早く行動に移すのである。それは令和の世まで続く名門大企業・"小早川物流カンパニー"誕生の瞬間でもあった。


ーーーーーーーーーーーー


信長の命で大友宗麟に挨拶をしに来た織田信包大納言艦隊。


港に停泊中だった南蛮船2隻を、イージス鉄鋼艦の一撃で轟沈させる。


大友宗麟

「ぐぬぅ。。。まただ、また来たのか織田の怪物鉄船が。。次はどの島を砲撃するつもりだ?」


しかしその牙は大友家の居城・臼杵城へと向けられた。


ズガーーン!!ドカーン!!

海側の石垣が粉々に砕け散り、重厚で頑丈な城門は、跡形も無く吹き飛んだ。。。


織田信包

「折角だ、もう少し馳走してやろう。」


ババババババババ

東京ドーム2号から飛び立ったオスプレイ2機。

1機が臼杵城二の丸・三の丸に向けてナパーム弾を投下。激しい業火にさらされる。

大友宗麟や重臣達に見せ付ける為に、わざと本丸は目標から外した。


もう1機は城下町にビラをばら蒔いている。


内容は

【これは"勅命"である】

大友宗麟へ告ぐ!!

領民を誘拐し伴天連へ奴隷として売る事を即刻中止せよ。

さもなくば明日も来る!次は本丸が丸焼けになるぞ!


大友家・家臣団に告ぐ!!

江戸幕府が30万の大軍で攻めてくる。

一族郎党皆殺しになりたくなければ、逆賊・大友宗麟一族を捕らえ織田信長"上皇使徒"へ差し出せ。

大友宗麟一族は"朝敵"である。

それに与する配下は同じく"朝敵"とみなす。


"朝敵・逆賊"大友宗麟一族を捕らえるのだ!

これは【勅命】である!!!


織田信包大納言

「良し!撃ち方やめーい十分である。厳島沖に戻るぞ前進全速!!」


十分な成果を挙げ悠々と去っていく10隻の鉄鋼イージス艦隊。

我が物顔で大友領内を飛び回る2機のオスプレイ。


わなわなと震えながら、引き上げる織田軍を見つめる大友宗麟。

ビラを手にした勇猛果敢な武将の一団や、息子や娘が神隠しにあい突然消えた民衆達が、怒り狂った表情でビラを読み、燃え盛る臼杵城を取り囲もうとしている事をまだ知らない。。。


ーーーーーー


おお!!!大友宗麟どうなるんだろ!!

史実では1587年・57歳まで存命していますが、城を守る石垣も城門も破壊された今の状況。。。

これは相当ヤバいかもです。


さあいよいよ吉田郡山城だ。

織田信長と毛利元就

直接対談が是非見たい作者であるw

久々に濃姫も出ますよ。


また明日m(_ _)m


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