第57話 江戸幕府・毛利家への侵攻①
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1570年11月1日 8:00
伊丹トリプルタワー・信長棟前広場
陸軍総大将・織田信照中納言
本隊・直轄尾張兵2万・村井貞勝1万・柴田勝家1万・森可成1万
先鋒・北条5千
第2陣・村上宗隆第1・2万
第3陣・宮城大弥第10・1万5千
後詰め・村上宗隆第1・1万(伊丹トリプルタワー)
輸送用軍用トラック5,000車輌
陸軍総員10万が集結していた。
更に瀬戸内海・播磨~備前~備中沖には関白織田信忠が指揮する
【1個師団編成詳細】
イージス搭載戦闘艦・尾張型1隻
イージス戦闘艦10隻
イージス潜水艦・美濃型10隻
それが3個師団、配置されていた。
播磨・備前・備中国中の武士・民衆は震え上がり、織田陸軍侵攻の報告を受けたが正直それどころではない。
2週間前の滝川一益艦隊・艦砲射撃の恐ろしい記憶が蘇るのだ。
各武将は兵を籠城させ、巨大な戦艦を恐る恐る見る事しかできない。
やがてその城さえも収納で消滅するとも知らずに。。。
*****
織田信長
"上皇使徒陛下"兼"征夷大将軍"
「よいか播磨国から因幡・美作・備前・備中までは問答無用!数多ある城・砦の全てを余が収納する故、幕府軍は"錦の御旗"を掲げ、備後国・鞆の浦まで軍用トラックにて堂々と行軍しろ!」
「「「おおおおお!!!」」」
「小寺・赤松・黒田・三木・別所・浦上・宇喜多・三村等が離合集散を繰り返し混沌とする地域だ!
途中、臣従だ降伏だと足止めを狙ってくる。特に黒田職隆親子と宇喜多直家には厳重注意しろ。
如何なる手を使って来ても無視を貫け。目に余ればトラックにて撥ね飛ばす。
備後国・鞆の浦を制圧し大休止とする。そのあと尾道を平らげ、安芸国・小早川隆景が居城・新高山城までは"問答無用"!!間者の可能性も否定できぬ故に領民との会話は罷りならん!
新高山城到着予定・本日17:00!!行軍あるのみだ!!!」
「「「おおおおおーーー」」」
行軍前の士気を高めるため演説を行った信長であったが既に明け方、播磨国・赤松則房と三木城城主別所長治・黒田親子に宇喜多直家を収納済みである。
赤松・別所の2人は現時点でまだ、11歳と12歳の子供だ。
後見人を叔父が勤めているが、収納せずに放置している。
城・砦が消え去り丸裸になった光景を見て、果たして何人の家臣・国人・豪族が従うか?
不利な状況でも主家を守ろうとするか?今後の幕府人事において、それをリサーチしたい思惑もあった。
勿論徒党を組んで挙兵する輩には、各地に1万ずつ配置したAPC9部隊に、片足を蜂の巣にされる。
黒田親子に宇喜多直家。
知略、謀略の限りを尽くすこの3人。
信長は単純に毛利との対決前に邪魔だと判断。彼らと関り合う時間を惜しんだのである。
それでも備前国・浦上宗景と備中国・三村元親が倒木や岩石等で道を塞ぎ、幕府軍に臣従するゆえ"上皇使徒陛下"へ面会を求めてきた。
浦上などは"白装束"で正座している。
「。。。小田原遅参の伊達政宗かよ。。。はあ~~やれ!」
信長の命で偵察ステルスドローンが霧状の液体を噴射する。
『おやすみなさい』
見事な転落睡眠、40時間眠れるそうです。。
特に白装束で突然崩れ落ちた、浦上宗景の家臣団は大慌て!!
「とのーーーとのーーー!!」
「グーーースーーー」
「へ?寝てるの??」
「あ~今度から睡眠スプレー噴射で良いかもな。風向きだけは要注意だが。」
新たな敵無力化攻撃策が浮かんだようです。
**********
摂津国伊丹から安芸国新高山城まで約270km
重い武装をしての徒歩行軍だと10日前後を要する距離だが。。
陸軍総大将・織田信照中納言
「上皇陛下!予定通り17:00ヒトナナマルマル新高山城到着です。」
「ああ軍用トラックは便利だな。毛利の知将・小早川隆景も移動の速さに肝を冷やすだろう。」
ピーピーピー通信が入る
「こちら海軍・織田信包
厳島沖5km地点に配備完了しました。送れ!」
信長
「ラジャー、陸軍も予定通り新高山城到着である。今日はこの場にて陣を敷き夜営する。送れ!」
「ラジャー!瀬戸内海の現状報告!
先の滝川一益艦隊の殲滅作戦にて、村上衆を主体とする毛利水軍、影も形も見えませぬ。
艦隊所属・偵察ドローンも敵影無しとの事、送れ!」
「ラジャー!大納言、戦闘艦10隻で豊後水道を南下し大友宗麟に挨拶してこい!港に南蛮船が2隻停泊中だ。それを轟沈せよ、送れ!」
「ラジャー!大友宗麟に津久見島の悪夢を再び見せてやります!送れ!」
「ラジャー!臼杵城石垣と城門も破壊してこい。5発も撃てば十分だ。
陸軍は新高山城が降伏しようがしまいが、明朝05:00マルゴーマルマル吉田郡山城を包囲する。
海軍は多治比猿掛城を05:30マルゴーサンマル砲撃し殲滅せよ。
多治比猿掛城マルゴーサンマル殲滅!短距離イージスミサイルで派手にやれ!送れ!」
「ラジャー!明朝マルゴーサンマル多治比猿掛城・艦砲射撃にて殲滅!マルゴーサンマル短距離イージスミサイルにて"派手に"殲滅します!」
「ラジャー励め!!」
「ラジャー!!」
*****
厳島沖に浮かぶ
海軍総大将・織田信包大納言
浮島東京ドーム3万・戦闘艦30隻3万・総員6万
毛利側からすると突然本物の島が現れた様にしか見えない。
ましてや瀬戸内海・毛利水軍は、つい2週間前に織田信忠関白殿下の命を受けた滝川艦隊によって、徹底的な艦砲射撃を受け船も港も全滅していた。
村上水軍(能島・来島・因島)に小早川水軍等の毛利水軍衆。
「あんな巨大な動く島まで持っているとは。。。もう我等に出きる事は何も無い。。。」
瀬戸内海を我が物顔で支配してきた村上・毛利水軍。江戸幕府海軍の前に完全消滅したのである。
**********
ピーピーピー再び通信が入る。
「こちら阿部慎之助第五軍団。
出雲国沖合い20km地点・月山富田城から50km地点に配備完了しました。送れ!」
「ラジャー!月山富田城大和主砲のナパーム弾にて焼き尽くせ。送れ!」
「ラジャー!直ちにナパームにて焼失させます!送れ!」
「ラジャー!20:00フタマルマルマル城跡に安土城出雲支店を設置する。阿部軍陸兵2万と余の安土城守備兵3千を入城させ毛利の度肝を抜く。指揮官に織田信時中納言を送る。ナパーム砲撃後、フタマルマルマルまで待機!励め!」
「ラジャー!ナパーム砲撃後、フタマルマルマルまで待機!以上!」
阿部慎之助・出雲攻略部隊
1個師団
イージス搭載戦闘艦・尾張型1隻
イージス戦闘艦10隻
イージス潜水艦・美濃型10隻
陸軍兵士2万搭載
「今年、尼子から取り戻したばかりの月山富田城。今日で廃城させ安土城が聳え立つ。
城代の毛利元秋(毛利元就五男)は気が触れなければ良いがな。」
ポツリと呟く信長。
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1570年11月1日 18:30
吉田郡山城
毛利元就の側近・南方就正(25歳)
「そうですか新高山城が幕府の大軍に包囲されましたか。。」
世鬼政時(毛利忍び世鬼一族頭目)
「ああ、鳩にて届いた倅の書状だと9万人以上。それと見た事もない動く鉄箱に乗ってやってきたらしい。」
「ふう~参った。。御館様がこの状態です。吉川様と口羽様は揃って日野山城に居るため、鳩にて状況は報せましたが、軍勢を纏めここに到着するのは、最短でも明日の夕刻かと。。
福原様はそろそろ到着すると思われます。
それと。。。。。」
毛利輝元の病床にじっと寄り添っている毛利第14代当主・毛利輝元(17歳)
世鬼
「輝元様。。。家臣団が集まりまする。御支度をお願い致します。」
輝元
「政時。。。御館様はどうなってしまうのだ。。」
「大丈夫です。不死身の大明神様ですから。それと輝元様も御館様ですぞ!大事な軍議、困難な時ほど家臣団をしかと束ねましょうぞ。」
小姓
「筆頭様が参られました。」
福原貞俊・筆頭重臣(58歳)
「輝元殿。。此方でしたか。新高山城が件、至急話し合いまする。その前に。。」
福原は毛利元就の枕元に跪き、右手を握りしめながら
「御館様。。。この貞俊、小早川殿救援の先陣を勤めますゆえ、御安心なさり養生して下さりませ。」
深々と頭を下げ
「参りましょう輝元様、世鬼政時お主も同席を頼む。南方、御館様を頼んだぞ。」
よろよろと立ち上がる輝元を支えながら、三人は軍議の場へ向かった。
だが毛利家臣団は全員理解していた。自慢の村上水軍・小早川水軍がたった1日で、根こそぎ壊滅させられた事実。
あの艦砲射撃を城に向けられたら、籠城に何の意味も無い事を。
そして2週間前、南天山城を爆撃し焼き尽くした空飛ぶ鉄の箱。それと同じ物が何十機も"ビラ"をばら蒔いていた。
もしあれで爆薬を落とされたら毛利は滅びる事を。。。
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毛利元就公は1571年7月に死去。
残された資料を分析した状況から
食道癌だった可能性が高いそうです。
さぞや苦しかった事でしょう。。。