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第49話 蒲生氏郷・咲いた華なら散るのは覚悟

品濃坂上


信長

「佐々成政!相模国北条との戦、後詰めの陣5千を任せる。

浅野を付けるゆえ詳細を聞いておけ!行くぞ氏郷!」


佐々成政

「はっ!?消えた?消えたのか?浅野殿??」


浅野翔吾

「1から説明致します故こちらへ。」


信長はまず尾張へ飛び、軍事演習を終え役宅へ戻る途中の佐々成政を収納で拉致らちして、品濃坂上に連行してきた。


成政

「浅野殿。。。その~戦場で悪いのだが演習を終えたばかり。。腹が減って倒れそうなのだが。。」


「はっ!上様より今宵は兵に焼肉を振る舞えとの事!」


「おお!まさか戦場で焼肉が食せるのか?」


「はい!では食べながら説明致しますのでどうぞ。」


「忝ない、焼肉の為ならどんな御役目でも承りまする。」


わりと単純な御仁の様で。。


**********


信長は氏郷を伴い濃姫治療室の中に出る。


「帰蝶。。氏郷を連れてきた。。」


濃姫

「まあ婿殿、お元気そうで何よりです。」


氏郷

「はっ?はあ~?義母はは上様、戦場にお出座しとは?危のう御座いまする。」


治療が終わり奥のベッドで横になっていた織田信興。飛び起きて信長の前に膝を付く。

「あ、兄上。。いや、上様。。某の油断、腹を切りお詫び致します。。」


「黙れ!!!黙らぬか中納言!!此度の件!偵察ドローンを玉縄城に残さなかった余の失態!お前の腹等要らぬわ!夜戦を仕掛けてくる氏政に備えるのが役目であろう。。??

帰蝶?何故こやつの顔はこんなに腫れたままなのだ?治療はまだなのか?」


「それが。。此度の責任を負わねばならぬ身。自分だけ痛みも見た目も治して貰う訳には参りませぬと仰せで。。

傷口の治療は完治しましたが、顔の腫れや痛みはそのままでと。。。」


「たわけーーーーー!!!」


ボギャ!!


信興

「ぐうっえぇぇぇーー」


信長の余りの剣幕に治療室内は勿論、外で護衛に就いてるAPC9部隊二千の兵も固まっていた。


濃姫

「上様!何をなさいます!その怪力で顎を殴られたら、折角の治療がやり直しです!」


「ぐぬぅぅぅ!!実弟でなければその首、即刻落としてたわ!!おい!良く聞けよ大たわけ。

戦の最中に痛みが酷くなり、大将として指揮が取れなくなったら織田陸軍はどうなる?

余の直轄APC9部隊が居るにしてもここは平地。乱戦になったら射撃は出来ぬぞ。

皆、剣術・槍術の使い手ではあるが指揮官不在では統率が取れぬ!勝てる戦で総崩れにでもなりたいのか!ボケたわけが!!」


信興

「も、申し訳御座いませぬ。。」


「ううう!!分かったら直ぐに治療を受けよ!!話はそれからだ!」


濃姫

「さあ中納言殿、奥の部屋へお入りなさい。ここでは上様が怖くて治るものも治らなくなりまする。」


「!義姉上様!!女神様!!」


信興は奥の部屋へ脱兎のごとく駆け出した。信長の剣幕に生きた心地がしなかったようだ。


信長

「氏郷そこの椅子に座れ。。」


将軍・中納言・織田家行政医療大臣(濃姫)三人のやり取りに呆気に取られ、固まっていた氏郷。

「はっ!」

椅子に座ったがまだ緊張している。


「大事な話がある。。避けて通れぬ話である。」


「はい、何なりとお申し付け下さい。。。」


「1時間前の事だが、北条家玉縄城より北条氏繁率いる5千の軍勢。この本陣に討って出てきた。」


そこまで聞いて氏郷は全てを一瞬で理解した。

『そうかそうだったのか。。

この藤沢は中納言様の陣地。

上様に連れて来られたのに父上の姿が見えぬ。

それに中納言様の尋常では無い顔の腫れ。大将まで届いたに違いない。

北条氏繁とは、あの"地黄八幡"殿が嫡男。勇猛果敢と聞いている。そうかそうだったか。。。』


キリッとした視線で将軍信長を見詰めた氏郷が口を開く。

「御遺体は残っているのでしょうか。。」


信長

「ぐっ!!氏郷。。。」

元服を済ませたとはいえ僅か14歳の娘婿。短か過ぎるやり取りで全てを察してしまう。

将来有望な恐るべき才覚だが、この時だけはその才能が哀れに思えた信長。


「全てを察した様だが。。氏郷よ悲しむ時は悲しむのが、また人間というものであるぞ。。」


「。。。。。今の某があるのは間違いなく父上・蒲生賢秀の教えのおかげで御座います。

父は常日頃から言っておりました。

親の死に目に会える様な生き方をしてはならぬ。それは大事な御役目を頂戴していない事の証!

お前はわしが死んでもそれを乗り越える強さを持て!と。。」


「。。。賢秀がそんな事を。。」


「はい上様。いま気を緩めれば底知れぬ悲しみが襲ってまいります。。。父を悼み悲しむのは、この戦が終わるまで封印しとう御座います。」


「そうか。。。

御主の父親の御遺体は帰蝶がのお。。綺麗にしてくれた。今にも喋り出しそうな程だ。。

それに帝にしか許されてなかった黄櫨染の布。それにて上級武家の長裃を余が創造し着せてある。

今夜は北条との夜戦だ!合戦前に父親と2人だけの時間を持たしてやりたいのだが?

死に目には立ち会えなかったのだから、賢秀の教えに背いたとは言えまい?どうする?」


そこに濃姫と信興中納言が現れ

「氏郷。。義理とは言え貴方は私の息子。義母からの頼みです、合戦前に実父に励まして貰いなさい。」


信興

「賢秀もそれを願っておるぞ、会ってやれ氏郷。」


ドン!

何も語らず信長は賢秀が眠る、立派な棺を取り出した。


「帰蝶、信興、行くぞ!

氏郷、10分間は誰もここには入らない。今宵は賢秀の大好物だった焼肉だ。戦は食わぬと持たんぞ。

外に給仕兵が待機しておる。ここで食すなら賢秀と2人分用意させよう。

19:00 ヒトキュウマルマル迄、好きにせよ。」


三人が部屋を出た直後だった!


「うっうっうおおおおおーーーちちうえーーーーーーー」


慌てて部屋に戻ろうとする濃姫を信長が止めた。

「止せ帰蝶。。ここは1人に。。いや親子水入らずにしてやるのが情けというものだ。。」


「。。あまりにも悲しゅうございます。。。」


信興

「賢秀。。。本当にもう。。おらぬのだな。。。」


信長

「帰蝶は義母ははとして、信興は義叔父おじとして氏郷を労ってやれ。

余も織田将軍家として正式に"江戸幕府葬"を営み、織田家を救った英雄として蒲生賢秀を送ろうと考えておる。

だがそれらは全て北条との戦が終わってからだ。

賢秀が命を懸けて守った織田軍にて今宵の合戦!完膚なきまでの勝利を挙げねばならぬ!」


信興・濃姫

「「心得まして御座います。」」


信長

「それにしても悲しいのお。。」


三人

「「「。。。。。(涙)」」」


ーーーーーーーーーーーー


蒲生賢秀討ち死にの第1報。

特級緊急事態であったので、速度重視テレパシーにて発せられた。

Android以外で知っているのは、その場にいた織田陸軍兵及び蒲生部隊の生存者3,500名のみである。


一方、幕府軍相模国平定部隊

大将織田信興・中納言を後1歩まで追い詰めた、北条氏繁率いる玉縄衆5千人。


敵の名将蒲生賢秀を討ち取る等、北条家最強部隊の名に恥じない奮戦をみせたが、多勢に無勢。

35,000の織田軍本隊を相手に1,700人強を道連れにし、信長に収納された氏繁以外の全員が戦場の華と消えた。。。

誰1人として降伏せず最後まで闘争本能剥き出しに、織田軍に襲いかかってきたからだ。


ある者は両腕を根元から失っても、喉元を狙い噛みついてくる。

また両脚と片腕をやられ動けなくなった足軽兵。。降伏を良しとせず最後に残った腕1本を用いその場で自害した。

亡くなった玉縄衆の顔は、皆うっすらと笑みを溢していたという。。。


生存者1人(収納内)という異常事態をもたらした要因の一つ。

信長直轄APC9部隊は勿論、合戦を積み重ねてきた織田陸軍兵士達ですら、生まれて初めて見る"死兵"の集団に遭遇し、恐怖心から足を狙う等の手加減をする余裕が無かったのである。


この玉縄衆死兵軍団による"死の突進"は後の世でドラマ化・映画化され、日本国民なら誰でも知っている

《《咲いた華なら散るのは覚悟》》

の名文句を生み出している。。。。。


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