第49話 蒲生氏郷・咲いた華なら散るのは覚悟
品濃坂上
信長
「佐々成政!相模国北条との戦、後詰めの陣5千を任せる。
浅野を付けるゆえ詳細を聞いておけ!行くぞ氏郷!」
佐々成政
「はっ!?消えた?消えたのか?浅野殿??」
浅野翔吾
「1から説明致します故こちらへ。」
信長はまず尾張へ飛び、軍事演習を終え役宅へ戻る途中の佐々成政を収納で拉致して、品濃坂上に連行してきた。
成政
「浅野殿。。。その~戦場で悪いのだが演習を終えたばかり。。腹が減って倒れそうなのだが。。」
「はっ!上様より今宵は兵に焼肉を振る舞えとの事!」
「おお!まさか戦場で焼肉が食せるのか?」
「はい!では食べながら説明致しますのでどうぞ。」
「忝ない、焼肉の為ならどんな御役目でも承りまする。」
わりと単純な御仁の様で。。
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信長は氏郷を伴い濃姫治療室の中に出る。
「帰蝶。。氏郷を連れてきた。。」
濃姫
「まあ婿殿、お元気そうで何よりです。」
氏郷
「はっ?はあ~?義母上様、戦場にお出座しとは?危のう御座いまする。」
治療が終わり奥のベッドで横になっていた織田信興。飛び起きて信長の前に膝を付く。
「あ、兄上。。いや、上様。。某の油断、腹を切りお詫び致します。。」
「黙れ!!!黙らぬか中納言!!此度の件!偵察ドローンを玉縄城に残さなかった余の失態!お前の腹等要らぬわ!夜戦を仕掛けてくる氏政に備えるのが役目であろう。。??
帰蝶?何故こやつの顔はこんなに腫れたままなのだ?治療はまだなのか?」
「それが。。此度の責任を負わねばならぬ身。自分だけ痛みも見た目も治して貰う訳には参りませぬと仰せで。。
傷口の治療は完治しましたが、顔の腫れや痛みはそのままでと。。。」
「たわけーーーーー!!!」
ボギャ!!
信興
「ぐうっえぇぇぇーー」
信長の余りの剣幕に治療室内は勿論、外で護衛に就いてるAPC9部隊二千の兵も固まっていた。
濃姫
「上様!何をなさいます!その怪力で顎を殴られたら、折角の治療がやり直しです!」
「ぐぬぅぅぅ!!実弟でなければその首、即刻落としてたわ!!おい!良く聞けよ大たわけ。
戦の最中に痛みが酷くなり、大将として指揮が取れなくなったら織田陸軍はどうなる?
余の直轄APC9部隊が居るにしてもここは平地。乱戦になったら射撃は出来ぬぞ。
皆、剣術・槍術の使い手ではあるが指揮官不在では統率が取れぬ!勝てる戦で総崩れにでもなりたいのか!ボケたわけが!!」
信興
「も、申し訳御座いませぬ。。」
「ううう!!分かったら直ぐに治療を受けよ!!話はそれからだ!」
濃姫
「さあ中納言殿、奥の部屋へお入りなさい。ここでは上様が怖くて治るものも治らなくなりまする。」
「!義姉上様!!女神様!!」
信興は奥の部屋へ脱兎のごとく駆け出した。信長の剣幕に生きた心地がしなかったようだ。
信長
「氏郷そこの椅子に座れ。。」
将軍・中納言・織田家行政医療大臣(濃姫)三人のやり取りに呆気に取られ、固まっていた氏郷。
「はっ!」
椅子に座ったがまだ緊張している。
「大事な話がある。。避けて通れぬ話である。」
「はい、何なりとお申し付け下さい。。。」
「1時間前の事だが、北条家玉縄城より北条氏繁率いる5千の軍勢。この本陣に討って出てきた。」
そこまで聞いて氏郷は全てを一瞬で理解した。
『そうかそうだったのか。。
この藤沢は中納言様の陣地。
上様に連れて来られたのに父上の姿が見えぬ。
それに中納言様の尋常では無い顔の腫れ。大将まで届いたに違いない。
北条氏繁とは、あの"地黄八幡"殿が嫡男。勇猛果敢と聞いている。そうかそうだったか。。。』
キリッとした視線で将軍信長を見詰めた氏郷が口を開く。
「御遺体は残っているのでしょうか。。」
信長
「ぐっ!!氏郷。。。」
元服を済ませたとはいえ僅か14歳の娘婿。短か過ぎるやり取りで全てを察してしまう。
将来有望な恐るべき才覚だが、この時だけはその才能が哀れに思えた信長。
「全てを察した様だが。。氏郷よ悲しむ時は悲しむのが、また人間というものであるぞ。。」
「。。。。。今の某があるのは間違いなく父上・蒲生賢秀の教えのおかげで御座います。
父は常日頃から言っておりました。
親の死に目に会える様な生き方をしてはならぬ。それは大事な御役目を頂戴していない事の証!
お前はわしが死んでもそれを乗り越える強さを持て!と。。」
「。。。賢秀がそんな事を。。」
「はい上様。いま気を緩めれば底知れぬ悲しみが襲ってまいります。。。父を悼み悲しむのは、この戦が終わるまで封印しとう御座います。」
「そうか。。。
御主の父親の御遺体は帰蝶がのお。。綺麗にしてくれた。今にも喋り出しそうな程だ。。
それに帝にしか許されてなかった黄櫨染の布。それにて上級武家の長裃を余が創造し着せてある。
今夜は北条との夜戦だ!合戦前に父親と2人だけの時間を持たしてやりたいのだが?
死に目には立ち会えなかったのだから、賢秀の教えに背いたとは言えまい?どうする?」
そこに濃姫と信興中納言が現れ
「氏郷。。義理とは言え貴方は私の息子。義母からの頼みです、合戦前に実父に励まして貰いなさい。」
信興
「賢秀もそれを願っておるぞ、会ってやれ氏郷。」
ドン!
何も語らず信長は賢秀が眠る、立派な棺を取り出した。
「帰蝶、信興、行くぞ!
氏郷、10分間は誰もここには入らない。今宵は賢秀の大好物だった焼肉だ。戦は食わぬと持たんぞ。
外に給仕兵が待機しておる。ここで食すなら賢秀と2人分用意させよう。
19:00 ヒトキュウマルマル迄、好きにせよ。」
三人が部屋を出た直後だった!
「うっうっうおおおおおーーーちちうえーーーーーーー」
慌てて部屋に戻ろうとする濃姫を信長が止めた。
「止せ帰蝶。。ここは1人に。。いや親子水入らずにしてやるのが情けというものだ。。」
「。。あまりにも悲しゅうございます。。。」
信興
「賢秀。。。本当にもう。。おらぬのだな。。。」
信長
「帰蝶は義母として、信興は義叔父として氏郷を労ってやれ。
余も織田将軍家として正式に"江戸幕府葬"を営み、織田家を救った英雄として蒲生賢秀を送ろうと考えておる。
だがそれらは全て北条との戦が終わってからだ。
賢秀が命を懸けて守った織田軍にて今宵の合戦!完膚なきまでの勝利を挙げねばならぬ!」
信興・濃姫
「「心得まして御座います。」」
信長
「それにしても悲しいのお。。」
三人
「「「。。。。。(涙)」」」
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蒲生賢秀討ち死にの第1報。
特級緊急事態であったので、速度重視テレパシーにて発せられた。
Android以外で知っているのは、その場にいた織田陸軍兵及び蒲生部隊の生存者3,500名のみである。
一方、幕府軍相模国平定部隊
大将織田信興・中納言を後1歩まで追い詰めた、北条氏繁率いる玉縄衆5千人。
敵の名将蒲生賢秀を討ち取る等、北条家最強部隊の名に恥じない奮戦をみせたが、多勢に無勢。
35,000の織田軍本隊を相手に1,700人強を道連れにし、信長に収納された氏繁以外の全員が戦場の華と消えた。。。
誰1人として降伏せず最後まで闘争本能剥き出しに、織田軍に襲いかかってきたからだ。
ある者は両腕を根元から失っても、喉元を狙い噛みついてくる。
また両脚と片腕をやられ動けなくなった足軽兵。。降伏を良しとせず最後に残った腕1本を用いその場で自害した。
亡くなった玉縄衆の顔は、皆うっすらと笑みを溢していたという。。。
生存者1人(収納内)という異常事態をもたらした要因の一つ。
信長直轄APC9部隊は勿論、合戦を積み重ねてきた織田陸軍兵士達ですら、生まれて初めて見る"死兵"の集団に遭遇し、恐怖心から足を狙う等の手加減をする余裕が無かったのである。
この玉縄衆死兵軍団による"死の突進"は後の世でドラマ化・映画化され、日本国民なら誰でも知っている
《《咲いた華なら散るのは覚悟》》
の名文句を生み出している。。。。。




