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第48話 凄絶!!蒲生賢秀の死

蒲生賢秀は自身の陣形よりも先に、北側陣形の説明を行っていた。

大まかな区割りを紙に書き説明するだけなので、"10分"ほどで終わったのだが、それが彼の運命を変えてしまった。。。


後の世で【蒲生の10分】と広く伝えられる出来事となったのである。


1570年10月2日


蒲生賢秀

「10式戦車(改)10輌が最前列50m間隔で布陣。APC9部隊5千は1,000人ずつ横並びで5段構えだ。

その後ろに織田陸軍1万を控えさせてくれ。2,500で左・中央・右。残り2,500は遊撃隊として中央後方に待機。

我等はまだ相模川を渡河しないが、北条本隊は渡河せざるえない。すると北側から来る確率が最も高く激戦になる。

各隊、侍大将の指示に従い持ち場を守れ!」


「「「はっ!」」」


大急ぎで自分の持ち場である本陣東側に戻る賢秀。


「さて織田陸軍・蒲生部隊5千!

北条騎馬隊突進に備え、持参した馬防柵を組み立てるのだ!

我等6千の役目は玉縄城の抑え。中納言様本陣を守る東側の要だ。しっかり励めよ。」


足軽頭

「蒲生様、6千と申されましたが残りの1,000人は何処におられますのでしょう?」


「ん?ああそうか済まぬ。

わしとした事が北側陣形の説明に夢中になり、APC9部隊1,000人への指示を忘れておった。

悪いが本陣に詰めておるゆえ連れてきて貰えるか。」


「はっ!承知致しました。」


「ふう陣形に夢中になると他の事が目に入らん、悪い癖よ。

さあ1時間で300mを完成させるぞ、今宵は焼肉だそうだ!気合い入れてやれ!!」


「おおーー焼肉だーー」

「あれは美味いぞ!!」

「白飯と良く合うからなあ!」


焼肉と聞いて皆が張り切って作業を進める。5千人の馬防柵組み立ては音も鳴り響き、戦場での陣形作りの騒々しさの最高潮を迎えていた。


ドドドドド、、、

ドドドドドドドド、、、


「ん?なんだ?」

「どうした?手を休めるな!」

「ああすまん、空耳かw」


ドドドドドドドドド!

ドドドドドドドドド!!!!!


「おい、あの音って?」

「地響きだな。。」

「馬か?まさか騎馬隊?」

「残り1,000人呼びに行ってるんだろ」

「その騎馬隊か。」


ドドドドドドドドド!!!!!

ドドドドドドドドド!!!!!


「げっ!!て、て敵襲!!!」

「敵襲!!!玉縄城敵襲!!」


まさかの玉縄城5千人による

1点突破雪崩れ込みであった。


北条氏繁

「わしに続けえぇぇーーー」

「「「おおおおお!!!」」」


氏繁を先頭に獰猛精鋭で知られる玉縄衆2千の騎馬軍団。

その後ろには手槍を持った3千の武者が続く。


氏繁

「雑魚に構うなーーー狙うは大将・織田信興が首1つ!!」


日向

「止まるなーーー止まれば死ぬのみ!!1人で5人殺る迄は突進あるのみ!!」


騎馬軍団

「「「おおおおお!!!」」」


玉縄勢の奇襲に、なす術も無く倒されていく織田の兵士達。


織田陸軍兵

「ゴホッ」「ガハッ」

「ぐぎゃー」「腕が俺の腕が」


槍で殴られ、刺され、倒され、馬に踏み抜かれ、騎馬隊がこじ開けた穴を、手槍の3千がさらに広げていく。


5千人いる織田軍だが馬防柵組立ての為、横に長く広がっていて厚みの無い陣形になっていた。


蒲生賢秀

「何と言うことだ!!この大失態!何としても勢いを止める!大至急!左右から中央へ集まれ!陣に厚みを持たせる!馬防柵の鉄パイプを馬に投げつけろ!!馬の勢いを止めろーー」


賢秀も歴代の猛者!奇襲に乱れた陣形を必死に戻しにかかる。

2千程が中央に集まりかけたその時!


「どりゃーーーーー」

氏繁の槍が賢秀の顔面を強打した!!

「バキッ!!」

馬の突進力で速度が乗った槍での殴打、3mほど後方に吹き飛び、腰を強かに地面に打ち付けた賢秀。


「日向ーー殺れ!そいつだけは放置するな!!現場指揮官だ!止めを刺せ!!」


氏繁の指示で馬から飛び降り、賢秀に覆い被さる日向。間髪いれず脇差しを首元に突き立てようとしたが、なんと賢秀は自ら日向の脇差しに首を持っていき、刺されながら左腕で相手を抱え込んだ。


「これで逃げれまいw」

喉から血飛沫を上げながら、日向の左頸動脈に腰から抜いた脇差しを突き立てる。


「中納言さま。。。お逃げ。。くだされ。。」

蒲生賢秀が発したこの世で最後の言葉だった。


「氏繁さま。。。涅槃の露払い。。。この日向に。。おまかせ。。を。」

壮絶な相討ちで共に果てた賢秀と日向。


氏繁

「日向!!待っていろ、わしも直ぐに行く!織田信興の首を肴に飲み明かすぞ!

者共!止まるなーーー続けーーー!!」


一丸となった玉縄衆はついに織田陸軍・蒲生部隊5千を抜き中納言の本陣へたどり着く、その数は残り3,200人。


1万5千の本陣の兵士達。

玉縄城側と相模川方面にそれぞれ1,000人の抑えを残し、激戦の予想される北側に防御用の塹壕を掘っていた。


織田信興

「どうした?何の騒ぎだ!!」


織田陸軍兵

「はっ!玉縄城から奇襲を受けた模様!!」


「なんと!!玉縄だと!賢秀は?賢秀は無事なのか?」


「分かりませぬ、中納言様!!お下がり下さい!」


油断していた訳では無いが陣を整えている最中で、最も手薄な玉縄城側の様子を視察していた信興。

慌てて本陣東側から、北側で塹壕を掘っている1万3千の味方がいる場所へと移動を始める。

しかし氏繁率いる玉縄衆の勢いは衰えず、東側に布陣する織田陸軍兵1,000人を蹴散らし、ついに氏繁が信興を槍の間合いに捉えた。

近習に"錦の御旗"を持たせ、本陣内の士気を高めていた策が裏目となり、直ぐに信興と特定されたのだ。


「もらったぞ大将!!!!」

「ガン!!」


信興の右肩を氏繁の強烈な槍の打撃が襲ったのだが、びくともしない。濃姫のチート結界防御付与のおかげで命拾いをした信興。


「くっ!まともに捉えたのに何故倒れん!」

すぐさま馬を反転させ再度信興に突進しようとした氏繁を


ダダダダダダダダダ!!


急報を受け駆け付けたAPC9部隊のフルオート射撃が炸裂。


「「「ギャーーー!!!」」」


氏繁

「お前たち!!」


「行って下され。。氏繁さま。。。」

「織田大将の首。。。目の前です。。」


なんと玉縄衆100人以上が、自らと馬を盾にして氏繁を守った。


そして後続の騎馬隊・手槍隊が次々とAPC9の前面に立ちはだかり、我が身を犠牲に氏繁の盾となる。


「うう、無駄にはせぬぞ!!」


信興に再度追い付くと、槍を顔面に突き刺した!


「ガン!!」


咄嗟に頭を垂れ兜で顔面を庇った信興


「まただ!」


氏繁は防がれたとは言え、兜にダメージを与えた手応えは十分にあった。

なのに槍は折れ平然としている信興を見て


「そういうことか!!」


すかさず刀を抜き護衛の織田兵士数人を斬り捨てたが、10人以上で組んだ槍襖が左右から迫り右肩を砕かれ、刀を落としてしまう。


そこにAPC9部隊に倒され、残り少なくなった玉縄衆・手槍部隊が駆け付け、氏繁を必死に援護する。

「氏繁さま先にあの世にて待ってまするぞ!!」

「本懐を遂げてくだされ。。」


「すまん、、、あの世で会おう!!」


玉縄衆全員が氏繁のために命を捨て、多大なる犠牲を払いながらもついに、氏繁は信興と2人で対峙した。


*****


その時やっと戻った1機の偵察ドローンから

『織田信興襲撃交戦中!!!

藤沢本陣!!奇襲!!信興襲撃交戦中!!蒲生賢秀討ち死に!!!』


信長

『なっ!!!』


この合戦に200機の偵察ステルスドローンを配備していた信長だったが、一時的に小田原城内のドローン3機を除く全機を、200人以上の風魔乱波を駆逐するために使用していた。

時間にして僅か1時間、その間に全てが重なり"蒲生賢秀討ち死に"との最悪な凶報を聞くことになる。


*****


右肩に重傷を負い腕が上がらない氏繁は、左手で脇差しを取り防具の無い信興の右顔面に突き刺した!


「ウガァーーー」


痛みでのたうち回る織田信興中納言。


「やはりそうか、防具に何か仕掛けがあるのだな。止めだ死ね大将!」


「「中納言さまーーー!!」」


必死に駆け寄ってくる織田兵士達から悲鳴があがったその瞬間


シュポッ!


織田信興、北条氏繁2人の姿が消えた。。。


「間に合ったか!!危なかった。。。まさか玉縄城から討って出てくるとは。。。」


織田信長・江戸幕府初代将軍が立っていたのである。


信興にたどり着くまでの激戦で、5千いた兵士のほとんどが倒れ、残っている玉縄衆は80人程に激減している。

手槍で信長に飛び掛かった数人は

「ズシャ!」

一瞬で首が宙を舞っていた。


10騎ほど残っていた騎馬隊が、信長に突っ込もうと鞭を入れたのだが。。。

覇王オーラ全開で殺気を浴びせてくる信長の姿を見て、馬が後退りしてしまう。

ならばと全員が馬から下り槍・刀等で襲いかかる。


「ええい!!どけ!!」


1秒後そこには首と胴体が別々になった、10人の元騎馬隊の死体が転がっていた。


「余は蒲生賢秀の元に行く!

邪魔立てする奴は容赦はせぬ!命を無駄に捨てたい奴はかかって参れ!!」


"第六天魔王"

そのド迫力を間近で見せつけられ、心臓を鷲掴みされる様な殺気を浴びせられる玉縄衆。

勇猛果敢な猛将達もへなへなとその場にへたり込む。


「APC9部隊!玉縄衆残り66人全員捕縛せい!足枷は二重にしろ!」


「「「はっ!」」」


「それと細川藤孝!聞こえるか!」


風魔乱波に睡眠剤を散布、全員昏睡させた偵察ドローンが全て各地に戻っていた。


「はっ!上様。どうぞ!」


「うむ。六浦に移動した8千全員玉縄城に入れ。偵察ドローンが今調べておる。後程連絡が入るがおそらく無人であろう。

同時に磯子の2千を六浦へ入れろ、送れ。」


「はっ!六浦の8千を玉縄城へ。磯子の2千六浦へ移動。ラジャーです。」


「励め!」


そう言い残し蒲生の元へ駆けていった。


**********


収納から濃姫を取り出した信長

「どうだ!帰蝶!」


縋るような目で濃姫を見詰める信長だったが、、、


静かに首を横に振りながら

「上様。。身体中の血液が全て失われております。心肺停止・脳死も確認、、生体反応御座いません。。申し訳ありませぬ私の力不足です。。。」


「そうか。。。是非も無し。」


信長と濃姫はその場で遺体に手を合わせる。


『賢秀よ済まなかった。。。

一時的とは言え小田原城以外の偵察ドローン全てを風魔に向けたのは、紛れもなく余の失策である。。

玉縄城は籠城であると決めつけた余の驕り。。痛恨の極み!

許せとは決して言えぬが、せめて息子の氏郷の成長を見守っていてくれ。

余が責任を持って比類無き武将に育てて見せる!』


濃姫

「上様。中納言殿の本陣に私の治療部屋を出してもらえますか。氏郷殿に会わせる前に丁寧な"エンゼルケア"を施したく。」


「そうか。。余からも是非頼む。。」


*****


濃姫のチートヒールには清潔・殺菌・消毒等々、エンゼルケアに使えるスキルがある。

異臭等無きよう賢秀の体を清潔にして、整髪・髭を整え死化粧を施した。

身体の腐敗を防ぐため直ぐに信長が収納する。


「上様、下着に小袖は従来通りの白装束で構いませぬが、肩衣と袴は黄櫨染の布で裃をあつらえてもらえませぬか?」


「ああ帰蝶の注文通りにこしらえよう。

上流武家の長裃が賢秀には相応しかろう。」


ドローンよりテレパシーが入る

『こちら松田憲秀3万!真土城での大休止を終え本厚木へ向け出立しました!

到着予測18:30ヒトハチサンマル!ヒトハチサンマル!』


信長

『ラジャー!尚輝。座間と磯部の総数4千、本厚木へ移動させた。間もなく到着する。

後詰めは松永部隊5千!境川を渡河させ座間に行軍させておる。

時が惜しい北条軍は夜戦を仕掛けてくると思え。


たとえ夜戦でもオスプレイにて煙幕弾は投下せよ。

暗さには目が慣れても、煙幕では何一つ見えぬ。

余も藤沢の防御陣地を整え次第、本厚木へ向かう。以上!』


『ラジャー4千加え1万2千にて迎え撃ちます。以上!』


立て続けにドローン報告あり。

『こちら北条氏政が3万5千、18:00ヒトハチマルマル真土城到着予定!

ヒトハチマルマル真土城到着予定!

軍議内容によると後程到着する5千を後詰めとして残し、大休止後3万5千にて相模川を渡河!藤沢・白旗神社本隊へ夜戦を仕掛けます!

渡河予定時刻19:30ヒトキューサンマル!

渡河予定時刻19:30ヒトキューサンマル!』


信長

『ラジャー!どちらも夜戦になるか。引き続き監視を怠るな。以上!』

「帰蝶。相済まぬが今は時間がない。

余はこれから品濃坂上の氏郷を連れて参る。

信興を出すゆえ治療を頼む。痛みも取り完治させてくれ。

だが今後の戒めに傷痕は"うっすら"と残しておくように。

一瞬の心の隙で落命する事を忘れてはならん。」


濃姫

「はい、婿殿《氏郷》はさぞや落胆しておるでしょう。私も心のケアを施しますゆえ。」


「何から何まで済まんが宜しく頼む。」


信長は本能寺の変から蘇って、1番辛い瞬間になる事を本人も理解している。

気が重くなるのを堪えながら、蒲生氏郷が布陣する品濃坂上に転移で飛んだ。


ーーーーーーーーーーーー


【蒲生賢秀(36歳)】


六角氏重臣・蒲生定秀の長男。

2年前、六角義賢と織田信長の観音寺城の戦いで、柴田勝家と蜂屋頼隆等を撃破して面目を保つ。


六角家滅亡後も忠義を貫き

近江・日野城にて織田家の大軍を相手に籠城。

その敵ながら天晴れな態度に、信長は賢秀・鶴千代(後の氏郷)父子を死なせるのは惜しいと粘り強く説得を続け、家臣として迎え入れた。


織田家で働く息子・蒲生氏郷の才覚を見抜いた信長は、翌年1569年・次女の冬姫(相応院)を正室として嫁がせている程である。


史実より14年も早く逝ってしまった名将であった。



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