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第32話 織田信長と越後の軍神

 1570年9月16日 0:30


 創造神ゲネシス

『織田家の支配下地域以外の日本中の大名寝所の座標、偵察ドローンに送っといた。

 ちゃんと地点登録しといてくれよ。次から座標無しで行けるから便利だぞ。』


 織田信長

『ああ、既に登録済みだ。この機能は便利だな、余の創造物を置かなくても済むからな。』


 ゲネシス

『まあな、予想以上のスピードで平定が行われている。しかも必要最低限の犠牲でだ。

 これ程見事な天下布武の過程を見せられたら、少しくらい"サービス"してやるさ。』


『その"サービス"とやら少しでは無いと思うが。。まあいい便利なのは確かだ礼を言う。』


『おっと時間だ!自分で創造した世界なんだが、直接干渉は出来ない天界の厳しい掟でな。

 3分間しかいられない、これを濃姫に渡しといてくれ。医学に関する書物だが、少し手を加えた。ギフトショッピングモールでは買えないゲネシスオリジナルだ!コピーも出来るからな・《《シュッワッチ》》!』


『最後の《《シュッワッチ》》とやらは、帰蝶と和真が見ていたウルトラなにがしのDVDでやってた気がするが?まあ良い配ってくるか。』


 信長は武田信玄の書状に認めた通り


 朝廷・室町幕府

 駿河・遠江・三河・飛騨・山城

 伊豆・相模・武蔵・上野


 織田家の支配下地域以外の国主の寝所に転移で侵入。

 信玄等10名の写真と共に、武田信玄に宛てた書状と同じ物を置いてきた。

 もちろん正親町おおぎまち天皇と第15代将軍・足利義昭の寝所にも。


「2分で終了かww我ながら凄すぎて笑いも出るぞ。ついでだ毛利元就・大友宗麟・上杉謙信にも渡してくるか。」


 なお畿内や四国等自分の支配下地域や市中には、土佐中村御所の空軍部隊(Android兵)オスプレイ500機が飛び回り、書状と写真をA3用紙1枚に編集した物を500万枚コピー。

 空から勢いよくばら蒔いた。


 **********


 1570年9月16日 0:35

 越後国・春日山城


 それは最後に上杉謙信寝所に移動した時だった!


 パチッと目を開けた謙信

「怪しの類いか!違うな!この気配は軍神と似て異なるが、世の安寧を乱す存在では無い!」


 織田信長

「!!凄いな。。気配を悟られたのは初めてだ!"軍神"の称号持ちは伊達じゃないか。」


 謙信

「そなたは?殺気は微塵も感じ取れない。我の暗殺では無さそうだが何者なのだ?」


「これは失礼つかまつった!

 "尾張の大うつけ"と言えばお分かりだろうかw」


「そんな輩はこの国に1人しかおらぬw」


「その1人、織田信長に御座います。」


「上杉謙信だ、たしか我が4歳年長のはず。この寝所に無断で入って来たゆえ、この物言いになるが許されよ。」


「確かに無断でござった。こちらこそ御無礼お詫び致す。」


「して何用ですかな?神を感じさせる術で現れたのだ、お茶を所望しておる訳でもあるまい?」


「ふむ、話が早くて助かる。早速だがこれを。」


 信長は書状と共に武田家10人の写真を手渡す。


「。。。こんな事が可能なのか?この生き写し画を認めるには、人の力だけでは無理だ。。。それで其方そなたからは神に似たような物を感じたのだな。。」


「理解の早い御仁との話は小気味良いですな。」


「信長殿、武田の人物だけではあるまい?城、館、町や地形等も生き写し画にしているのでは?

 少なくとも我ならそうするが。」


「wお見通しの様だ。」


 甲斐・躑躅ヶ崎館の詳細に渡る写真を50枚差し出す。


「これは!!織田家と戦になると滅びる訳か。。。良かった。。。今で。。。」


「ほお。。仮に10年前なら?」


「いや、5年前でも怪しいかとw」


「お若い事でw」


「「わっ、わはははははは」」


 謙信小姓

「殿、大事無いですか?」


「良い!部屋に誰も立ち入るな。毘沙門天様と共に思考中である!」


「はっ!」


 それから明け方まで織田信長と上杉謙信は語りあった。

 浅井長政や織田家臣団に話した、一刻も早い天下統一の大切さ。

 外国勢力に狙われている、この国の危うさを。


 謙信は信長を、信長も謙信を、話が深まれば深まるほど、互いの理解度が交錯し相乗効果によって、より新しい方策等が見えてくる。

 2人は共にこの《心地好い会話》が、何時までも続いて欲しいと思うようになっていた。


 同日 5:00

 白々と夜が明け始めたころに突然謙信が姿勢を正した。


「織田信長様。この上杉謙信、今宵の話の全てに同意、また感服致しまして御座いまする。」


 信長も驚きながら同じく姿勢を正す。


「上杉謙信公。それはこの信長とて同じ事。様付けで呼ぶのは止めにしましょう。」


「左様か。。ならばせめて織田《殿》と呼ばせて貰いたい。」


「さすれば余も上杉《殿》で宜しいか?」


「勿論だとも織田殿。2人だけの時は謙信、信長でも良いかと存ずる。どうかな信長w」


「良いぞ謙信w」


「では早速だが先ほど話した港を出しておく。海岸線を多少埋立て、米蔵を作り10万石ほど"コシヒカリ"を置いていこう。」


 シュン!

 謙信の手を取り共に転移する。

「おおおーーー本当に一瞬で越後の海だ!!」

 そして創造神の使徒の力を存分に発揮!

 織田家でも創造過程まではAndroid部隊以外に見せた事は無い。

 巨大桟橋が10本の特大港を創造した。


 ガタガタガタガタ

 何やら謙信の様子がおかしい。


「謙信!どうした!何故泣いておる?」


「信長、、、我はいま奇跡を目の当たりにした喜びに、唯々感謝しておるのだ、、、」


 港に向かい手を合わせ拝んでいる"越後の龍"


 港を創造する前に、半径5km以内のあらゆる生物を収納した信長。

 この奇跡を目撃したのは上杉謙信ただ1人。


 いまだ涙ぐんでいる謙信を伴い大桟橋に連れて行く。

「では出すぞ!」


 シュポン!!


 鉄鋼軍艦5隻が港に浮かび、桟橋には左肩にAPC9を掛けた3,000人のAndroid兵が並んでいた。

 海軍のはずだが何故かお馴染みの陸時スタイルで。


「鉄の島が浮かんでいる。。。それにこの大男達は?」


 織田海軍では1番の小型艦船でも、この時代100mを超える船。

 しかも鉄鋼船、まさしく島にしか例えようのない巨大船なのである。


「余の直轄第7軍団3,000人だ。今日から謙信直属部隊として指揮下に置いてくれ。

 但し上杉謙信以外の命令には従うなと、余が厳命しておる。

 扶持に関しては、食料飲料水含め全て織田家が持つ。

 そこに作った米蔵の1つに織田木瓜おだもっこうの家紋を入れてあるので専用に使わせてやってくれ。」


「いや信長よ。。それでは余りにも一方的だ。。」


「一方的?」


「そうだとも!一方的に上杉が得をし、織田は持ち出し一方では無いか!」


「ははは、その一方的かwそうではないぞ謙信。無料で貸すのは5年間に限る。その間に操船技術を学び、越後兵のみで動かせるようにしてもらう。

 整備もそうだ、今までの船とは訳が違うぞ。

 しっかりと人選して相応しい人間を乗船させてくれ。」


「その操船技術を教える代官は派遣してくれるのか?」


「当然だ!その3,000の兵がそうだ!全員軍艦の《スペシャリスト》だ!」


「スペシャリス?」


「すまん。専門家という意味だ!」


「成る程。。。いや、成る程では無い!!ならば尚更、技術習得料を支払わねば《同盟国》としておかしいだろ!」


「だから最後まで聞け謙信。5年の期限以外に、織田の軍事行動があれば全部とは言わぬが、3隻ほどは連れて行く。

 場合によっては越後兵の力を借りる事もある。

 それであれば一方的では無いぞ!」


「そうか!織田の戦で役に立てるなら、我の越後兵幾らでも貸すぞ。

 何なら我が直々に指揮を取る!いや是非とも取らせてくれ信長!!」


「おい謙信!幾らなんでも織田の戦に越後の龍、軍神を借りる訳にはいかんだろ。。(汗)」


「何を言うか信長!今日から同盟国であろう。これでも我は戦場の指揮官としては、少し優秀だぞ!」


「《少し》って。。。あのなあ謙信、あの信玄公と5度も戦った川中島合戦!御主がどれだけ恐ろしい指揮官か!日本中が知ってるぞ!!

 全く"軍神"として自覚が足りんな。。とにかくそう言う事だから細かい事は軍団長に聞いてくれ。大城!!」


「はっ!大城卓三第7軍団長で御座います。今日から5年間、尊敬する"軍神"上杉謙信様の指揮下で働ける事、軍人としての誉れにて、宜しくお願いいたします。」


「うむ、大城卓三軍団長!今日からそちをタクと呼ぶ!何から何まで頼って悪いが、《我と》越後兵に鉄鋼軍艦の事を、宜しくお願いする。」


 信長&大城

「《我と》??」


「うむ《我と》だ何なら《我のみ》でも良いくらいだが、5隻もあるからなあ。。」


『タクだめだこいつ利家と同じ筋金入りの狂戦士バーサーカーだ。。』


『はい、そのようです。同じ臭いがします。』


「では謙信また来る。これから家康と対武田の打合せをせねばならん。朝飯に米蔵のコシヒカリ食べて見てくれ、美味さは保証する。大城!大事な同盟国の主であり、余と兄弟の盃を交わした!諸々頼んだぞ。」


「はっ!!」


「気をつけてな信長、この恩は謙信生涯忘れぬ!必ずや織田家の役に立ち恩返しをさせて貰う。信玄入道と勝頼が駿河に居座れば、越後軍で信濃~諏訪に侵入し牽制してやろう。」


「そうならないように家康と遠江・駿河に手を打ってくる。では御免!」


 嵐の様に現れ去って行った第六天魔王!

「織田信長!誠に素晴らしい知古を得た!越後は我のいる限り信長に付いて行く。奴の天下統一のために先陣を務める所存だ!!」


 **********


 織田信長と上杉謙信

 史実でも【濃越同盟】を締結した訳ですが、上杉側からの人質提出資料が存在せず、そこまで強い同盟関係とは言えなかったとの評価もあります。

 雪国という過酷な環境で鍛えられた強靭な越後兵を恐れ、織田家の方からすり寄って行ったとの見方もできるのかな?と。


 この物語では史実より2年も早く同盟がなされた訳ですが、本来戦国時代の同盟とは、自国の利益が最優先されるのが普通。(今もそれが基本かなw)

 ここでは日本と言う国家を守るため内乱の愚かさを説き、それに同調できる者同志が同盟を結ぶため、極めて強力な同盟関係に発展していくパターンを無理やりw設定しています。


 共通する敵がいる場合にはこのような同盟関係もあり得るのでしょうね。

 近代史でいうナチス包囲網とかもそうなのかな?

 まあ中々そんな上手くは行かないでしょうけどね。


 いずれにしろ

 今世の信長公は物凄い人を味方にされたようです。

 なんせ空間創造神・剣神の加護持ち&"軍神・越後の龍"が心から信頼しあったんですから。

 天下布武に向けこれ以上のゴールデンコンビはいないかと。

 しかも《《聖女》》濃姫までいるわけで。。。

 ん?これって?

 《《勇者パーティー》》??

 違う物語が書けそうな予感。。

 m(_ _)m


 ーーーーーーーーーーーー


 上杉謙信 年齢40歳


 職業:創造神の使徒・織田信長の親友


 称号:軍神

 内政の芽生え【New】


 攻撃:A++

 防御:A++

 剣術:A++

 統率:A+

 内政:B【New】


 何やら信長との同盟効果がステータスにも好影響をもたらしたかと。



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