第24話 論功行賞①
カクヨムでの作品名は
チート織田信長と濃姫
です。
46話まで先行公開中!!
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1570年4月10日 11:00
稲葉城(別名・安土城・関ケ原支店、城代・稲葉一鉄)
大広間
上座に座る織田信長を筆頭に
新姉川の戦いに参戦した武将の論功行賞が行われている。
稲葉一鉄、安藤守就、氏家直元
稲葉貞通、前田利家、不破光治
の面々が信長の手から直々に、恩賞の内容が記入された目録を手渡される。
信長
「稲葉貞通!これへ!」
「はっ!」
「まずは浅井家への1番手柄!
敵の先鋒・3千の騎馬軍団を率いる猛将、磯野員昌を1騎討ちにて討ち取り、首級を挙げた事!見事である!!
重ねて貞通が武功により、浅井家全軍が動揺敗走したこと紛れも無い事実!!
壊滅的打撃を与え戦況を決定づけた事、織田家の誇り!この信長礼を申す!」
「「「「「おおーーー」」」」」
大広間にどよめきが起こる。先の淡路国攻め山路正国にも、《軽く》頭を下げただけで全員を凍りつかせた第六天魔王だが、今回は《深々と》御辞儀をしたのだ!!
これには当事者の稲葉貞通よりも断然速く、父親・稲葉一鉄がジャンピングスライディング土下座wを決める!
「なりませぬ御館様!!いくら手柄を立てたとはいえ、若輩者の某の倅なんぞに頭を下げる等、あってはならぬ事にございまする。
どうかこの稲葉一鉄の首1つで御容赦願いまする!!!」
と言うが速いか脇差しを抜き腹を斬ろうとする。。バカタレ。。
シュン!!
今日は小姓として控える浅野翔吾が、Androidの超人的スピードで一鉄の脇差しを掴み取った!
「ええい!この大たわけーーーどこの世界に、論功行賞で感謝の意を示すため御辞儀をしただけで、切腹しようとする重臣がおるのだ!!
一鉄!!お前は余を無慈悲な魔王にでもするつもりか!!たわけが!!」
一鉄「へ??」
「。。。なんだ?申せ」
「恐れながら。。。あの殿が、いえ第六天魔王の織田信長様が頭を下げたという事は、腹の虫の居所が悪く、稲葉家を取り潰し、我等一族を磔の刑に処す最後の別れの挨拶かと?。。。違うのですか?」
「磔って。。。。。余は感謝の御辞儀すら許されんのか。。。
おい利家、この石頭に何とか言うてやれ。。。こういう時、場を和ますのも"脳筋犬"の役割だ!」
前田利家
「はっ!では失礼して。稲葉殿、某も同じ思いでございまする。
あの殿が家臣に頭を下げる等、天変地異の前触れの他ありませぬ。
それ故、腹を召されなくても天災にてこの世が消えて無くなります。
その日が来るまで我ら家臣一同、懸命に奉公し天下布武の道ともに歩みましょうぞ!」
「。。。誰が天変地異の前触れだー!!!まったく。。もう良い。
貞通!これを納めよ、余からの感謝の気持ちである。」
信長は恩賞の品を認めた目録を読み上げる。
「余が創造した最強屋敷を東美濃に与える。そこを住居とし安土城・東美濃支店で奉公に励み、甲斐信濃の武田軍に備えるのだ。
その屋敷だが凄いぞwを作っておるゆえ皆の者、庭に出よ!」
先ほどまで庭の何処にもなかった、鉄骨鉄筋コンクリート2階建ての屋敷に、驚愕の表情を浮かべながらも浅野の案内で入っていく家臣達。
【信長特製・最強屋敷】
1階30m×50m=1,500㎡
2階20m×50m=1,000㎡
室内エレベーター及び非常用階段付き。
*本革4点セット5人用応接セットが2セット
*TOTO最高級トイレ・ネオレストNX
*同じくTOTOの高級化粧洗面台Vシリーズ
*LIXILユニットバスSPAGE
*システムキッチンは
タカラスタンダードの最高級グレード・レミュー。
浅野が全ての使い方等を実際に使って見せる度に
「おおーーー火が火が出たぞ!!」
「ここで魚が焼けるのか?」
「このトイレは正月のお年玉で殿に頂いたものじゃ!ワシはもう、このトイレでないと用が足せなくなって困っておる。」
「ゴクゴクゴク。。そこな蛇口なるものから出る水が美味すぎる。」
「ここで顔を洗うのか?鏡なるものにワシの顔が。。。こんなにシワが深いとは。。。」
「風呂がこれほどに綺麗なのか?信じられん、俺ならこの中で寝れる。。。」
「こんな便利で綺麗な台所があれば【まつ】も喜ぶのに。。。」
前田利家は物欲しそうな目で稲葉貞通に視線を送るが、必死に無視して視線をそらす貞通。
【まつ・後の芳春院、前田利家正室】
「貞通!どうじゃ見事な屋敷であろう。」
「ははっーー天にも昇る気持ちで御座いまする!!!」
「ふん!驚くのはまだ早いぞ!着いてまいれ!」
信長は皆をエレベーターに乗せ2階の寝室や500㎡の広々としたテラスを見せた後、屋上へ案内する。
「これは!!安土から長浜へトラック移動の際に、坂本殿が護衛として飛ばしてたドローンなるもの!!」
すぐさま前田利家が反応した。
「そうじゃ!1機のみ攻撃を披露せい!出力は最も低くしろ!」
信長の指示で攻撃型ドローンが、パワーバッテリー出力最低限にしてレーザービームを発射!
ビシュ!
目標物として予め用意していた厚さ2cmの鉄板を貫いた。
「「「おおーーー」」」
「どうじゃ!これなら鎧兜も役に立たぬ。しかも空から突然撃ってくる。塀の向こうに隠れても無駄だ!」
「これで出力なるものが最低限なのですか?」
安藤の問いに
「ああ、マックス。。。最高出力にすると厚さ3mの鉄板。。。端的に言えば城壁の石垣すら貫通する。」
貞通「こんな凄い物を。。。」
利家「これが我が屋敷にもあれば、子供達の安全が保たれ【まつ】も喜ぶのに。。。」
またも前田利家の物欲しそうな視線が、貞通に向けられるが必死に無視する。
エレベーターで再び1階に降りた御一行。
信長
「翔吾!呼んでこい。」
「はっ!」
信長の命に広報室長兼小姓の浅野翔吾が、2m超えの筋骨隆々兵士(Android)を連れてきた。
ヘルメット・ブーツ・迷彩服上下に身を固め、左肩にたすき掛けでAPC9を右手には槍を持って現れる。
「ほお~かなり強そうだな!浅野殿、某に槍を貸しては貰えぬか?」
「はっ?いやそれは。。。」
「ふん!面白い翔吾!利家と兵士1人に稽古用の木槍を渡してやれ!」
模擬戦のため全員で庭に出ると、槍術スキルA+++を持つAndroid兵士の1人と向かい合う"脳筋犬"
「これは驚きだ!隙の無い構え、お主かなりの鍛練をしてきたなw」
一目で強敵と判断し、嬉しそうに笑う織田家No1の狂戦士。
「参る!!」
ガッ!ゴン!ビキッ!
木槍とは思えない轟音を出しながら、7合8合と槍と槍が激しくぶつかり合う。
「「「おおおおおお!!」」」
当代1の遣い手・利家と互角に打ち合うAndroid兵士に皆も驚きの声をあげた。
がしかし、戦場の経験値においてAndroid人生0歳と百戦錬磨の利家では比較にすらならず、利家が木槍をAndroid兵の顔面に投げつけ、それを槍で防御した瞬間!
「どおりゃー!!」
懐に猛烈なタックルをかました。
そのまま覆い被さると素早く脇差しを抜き、喉元に突きつける。勿論寸止めしているが。
「それまで!勝負あった!利家見事だ!!」
信長の一声で両者は分かれ、立ち上がろうとするAndroid兵に右手を差し出し、引っ張り上げてくれる利家。
「お主相当強いな。俺の槍を8合も受け止めたのはお前が初めてだ、名は何と言う?」
Android兵が信長の顔を見ると「うむ」と頷いたので名乗りをあげた。
「拙者!織田警備保障・SP部隊第1部隊長、秋広優人と申します。」
「秋広殿か、実に見事な槍捌きではあるが綺麗すぎる。おそらく実戦経験が乏しいのではないか?
これからそれを補えば、更に強い槍の遣い手になれるぞ。
どうだ!俺と槍術の道を極める覚悟はあるか?」
またも信長の顔を窺う秋広に対して「ふん!良いだろう。秋広優人!本日より前田利家の与力として励め!」
「はっ!」
「だが利家!秋広は余のSP部隊第1部隊長も勤める身。
その職務を全うするには欠かせない指揮官でもある!
与力として派遣するのは3年間だ!その間に槍術を極めさせろ。条件はその1つのみ良いな!」
「はっ!御館様より預かりし秋広部隊長、必ずやこの利家が更なる高みに到達させまする!」
「励め!すると。。。よし翔吾!第1SP部隊(Android)10人をここに!」
「はっ!只今!」
これまた全員2m超え筋骨隆々兵士(Android)を10人連れてきた。
全員陸自スタイルに左肩にAPC9を左腰に刀を差している。
「貞通!こ奴等も余のSP部隊員だ。この者達も此度の恩賞としてそちに遣わす。
皆の物も聞くがよい。余は織田警備保障なる《株式会社》と呼ぶ組織を立ち上げた。
分かりやすく言えば傭兵集団を扱う組織だ。
無論貸し与えるのだから、派遣料金として1日当たり織田金貨で1人5万~50万円貰うことになる。」
氏家
「ほお殿は傭兵集団のお頭で御座いますな。」
「お頭。。。本来は社長と呼ぶのだが。。。まあ良いそんな物だ。
此度は戦の恩賞として貞通に貸し与える故この10人、無償で提供する。
但し利家が与力・秋広優人の部下に当たるゆえ期間は3年限定である!
まあその代わりと言うては何だが、先の戦闘ドローンを総数10機授けてしんぜよう。
夜間屋敷の防御や自身の護衛等に使え。しかし超小型バッテリーなる物でしか動かぬ故、攻撃回数は最低限出力で150発、最高出力だと1発しか撃てぬ。
バッテリーは3分で充電出来る。種子島の装填時間3~4倍と理解しておけ。」
「はっ!この身に余る素晴らしき恩賞の数々、大殿の陪臣としてまた、父・稲葉一鉄の顔に泥を塗らぬよう今後も精進致します。」
余りの凄い恩賞にその場で土下座する稲葉貞通。
「おい貞通、せっかちなのは父親譲りかw人の話は最後まで聞かぬかw恩賞はこれだけではない。
これから話す事は皆にもイヤ織田家中だけでは無く、《日本国》全体で行わなければならぬ事である」
大広間の上座に戻った信長は、いつになく真剣な表情と声色で話を始めた。
「稲葉貞通には恩賞として東美濃に1万石の扶持を支払う。これで貞通も大名となるわけだ!
だが肝心なのはここからで余は今、1万石の《領地を授ける》では無く1万石の《扶持を支払う》と言った。」
息子が大名に抜擢され内心小躍りしていた稲葉一鉄が
「ふむ、確かに扶持と申されましたな。」
と信長に返す。
「そうだ、では1万石の扶持とは如何程の金銭になるか?翔吾説明せい。」
「はっ!しからば皆様此方を御覧下さいませ。」
浅野は用意していたホワイトボードに、赤や青などの色マジックで書かれた数字等の説明に入った。
「まずこの国では織田家に限らず、全ての者が家臣の皆様への録として領地を任せ、その石高にて暮らしを成り立てております。
例えば10万石の大領地を預かれば10石石の米が収穫されるのですが、それは収穫量に過ぎず当然田や畑を耕すのは民百姓、彼らが育てた中から年貢として徴収します。
年貢の率は国によって様々ですが、我が織田領では3割とかなり安く設定されています。」
安藤
「ふむ、なるほど。こうやってその白い板に書くと分かりやすくて良いのお。」
「有難うございます。
では10万石の米が取れたとして、そこで政を行う武将に入る年貢米は3万石となります。
その中から織田本家に3割つまり9千石を上納する故、実質手元に残るのは2万1千石!それで自身の家族家臣を養い、領地内の河川や道、新田の開発等を行わなければならず、内政に苦心しているものかと思われます。」
利家
「ああ、その通りだ。しかも不作の年などは氾濫する河の堤防普請等、やりたくても金が無い。。。
荒子でも苦労した。。。腹も減るし本当に思い出すと泣けてくる。。。。。」
一同
「「「グゥーーーーー」」」
利家の話で飢饉の事を思い出し腹の虫が鳴り響く。。
信長
「。。。。。まあな余も同じだ」
浅野
「殿。12:00で御座います。一旦昼休憩を挟むと効率も上がるかと思われますが?」
「ああそうするか。」
『帰蝶どうだ?例の物は出来てるか?』
『はい殿、準備万端いつでも御座れですw』
『ふっ食べ物等で幸福感を感じれば、交渉事は上手くいくか。。帰蝶の《人たらし》もスキルアップしてるのではないかw。』
「よし、一同昼休憩じゃ!モデルハウスにて帰蝶が昼御膳を用意してある。皆で食すとしようではないか。」
「「「はっははーー」」」
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織田信長最大の政治改革
家臣を土地の領有から切り離し金銭払いに変える。
これが成功すれば織田領地、いや日本全国を一斉に整備し一気に近代化に繋げる。
最大の山場はご飯の後で
さてCoCo壱番屋行ってきま~す。
m(_ _)m
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書き終えたら丁度お昼時だったのでCoCo壱っす!
今日の話は続きがあるので連続投降します。
★★★待ってるよm(_ _)m