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第16話 伊予国行く途中の大友宗麟

1570年2月10日 7:00


「伊予ちゃん、伊代ちゃん、い~よ~ちゃん、イヨちゃん!」


「和真。。。またバグっておるのか。。。」


「御館様、濃姫様からのDVD"とんねるず"オールナイトフジなる物の"ギャグ"でございます。

令和の世で50代以上の者達なら皆が理解してくれまする。」


「そうか。。。チート・ディープラーニングを無駄遣いしている気もするが、まあ良い。

伊予国は今日中に余の支配地とする。これで長宗我部元親を除けば四国平定とあいなる。

元親も昨日の軍事演習で思慮しておる最中であろう。

今少し猶予を与えてやる。」


「はっ!では自分は予定通り、湯築ゆづき城から良く見える興居島から塩屋海岸にかけての海域にて、昨日土佐湾で行ったのと同じ艦隊軍事演習を行います。

行きは時速150kmで豊後水道を北上します。

豊後国・臼杵湾に速度を50kmに落とし入り、臼杵城に居るであろう大友宗麟に見せ付けるため、湾内の津久見島に大和主砲を撃ち込みましょう。

周囲2km少しの小島を木っ端微塵にした後、海岸線を掠めながら黒が浜から右に転進、伊予に向かいます。

大友宗麟に織田海軍の脅威を教えてやろうかと。」


「ああ、今日は演習も全て実弾の発射をゆるす。バージョンアップで偵察ステルスドローンと、AI頭脳は同期済みであろう。

無人を確認して撃ち込め!威力的に領民に被害が出るようであれば海でも構わん!

和真の後に余が湯築城と河野親子を収納してくる。

それ以外の者達はそのまま捨て置く。

その跡地に安土城を築城する。道後温泉も近い好立地だ。

お前は演習が終わり次第、瀬戸内海を悠々と航海し、毛利と村上水軍に見せつけるのだ!!

その際、攻撃してきたら容赦無くやり返して構わん!

仕掛けてくる奴等にまで下手に温情を見せると、次から次と攻撃してくるからキリがない。

それが戦国の世を生き抜いてきた者達の生き様だ。

無闇やたらな殺生はせぬが、織田家の人間を殺そうとする者達に情けはいらぬ、行くがよい!」


「はっ!では失礼します!!」


入れ替わりに井上参謀長が入室してきた。


「御館様、織田家中村御所《支店》陸軍部隊準備整いました!」


「ご苦労!今の伊予国守護 河野かわの家は大友・一条の侵攻や、国内で長宗我部に通ずる者達の乱もあり、衰退しておる。

3年前に亡くなった村上水軍大将の村上 通康みちやすが毛利元就と縁が深く、そのお陰で毛利の援軍を得られ何とか対面を保ってるに過ぎん。

それが無くばとうに滅びておるところよ。

重信川の上流に大城第7軍団長の戦車部隊90輌とM9マシンガン装備の騎馬軍団1万8千を転移させる。

井上は中村御所支店の留守部隊1万と複合基地第6部隊の3万にて、一条の残党、長宗我部勢に不穏な動きあらば討伐せい!

大友宗麟の"草の者"にも注意せよ。必ず一条兼定に繋ぎを取りに来るはずだ。

海を渡る者全ての尾行をステルスドローンで行わせてておる。

連携して対処じゃ!」


「はっ!しかと心得ました。大友の者共は1人として帰しませぬ!」


「それで良い。念のため言うとくが降伏した者は殺してはならんぞ!捕縛して複合基地内の地下牢に収容しておけ。

但し相手が攻撃してきたら容赦無しで殺れ!」


織田海軍・陸軍2方面作戦に加え信長の湯築城チート収納、安土城"道後温泉支店"築城と今日もせわしなく動く織田軍団です。


**********


「いいか絶体出るな!!」


大友水軍を預かる若林 鎮興しげおきが配下の水軍衆に厳命する。

78隻の織田海軍の鉄(高張力鋼)で出来た山の様な巨体が、圧倒的な速さ(50kmに落としてるが)で目の前を通り過ぎて行く。


「親方、あんな化物。。。行けと言われても誰も"行きたむながる"。」


「鯨の30倍はあるなあ~"いびしー"」


戦闘を仕掛けたら瞬殺されると、海で長年生きてきた男達は肌で感じている。


「船体の家紋あれは織田木瓜!永楽通宝旗印も!間違いない織田信長の軍だ!!

堺を支配してるのは聞いておるが、何故土佐方面から来るのだ?

それより、城からは距離がある。家紋や旗印までは小さくて見えなかったかも知れん。

兵庫!!織田信長の水軍が土佐方面から現れたと、船の大きさ速さ等々は見たまんまを伝えるのだ。早馬をとばし御館様に至急お知らせしろ!!」


「「はっ!!」」



臼杵うすき

大友義鎮(ここから先は《宗麟》呼びにします。)


信じられない速さで臼杵湾に入ってきた所属不明巨大艦隊。

その内の超巨大戦艦の3隻が砲撃を開始。

三角の山形だった津久見島の上部7割を吹きとばし、黒が浜方面に消えて行った。


臼杵 鑑速あきはや

「殿、天が割れたかの様な轟音にあの砲撃の凄まじさ。津久見が半壊しております。」


戸次べっき鑑連あきつら=立花道雪

「あれを城や城下に向けられたら、防ぐ術等ありませぬ。。。」


大友宗麟

鎮興しげおき間違いなく織田の家紋や旗印だったのだな?」


若林鎮興

「はっ目の前を通り過ぎて行きましたので。。。あれに比べれば我らの船どころか、伴天連の大型船すら赤子同然。。。

それにあの火力に数。。。あれは化物でございます。」


大友宗麟

「化物か。。。織田が土佐方面から上ってくるとは?土佐で何か異変でもあったか?

待て!堺から土佐?安宅の淡路水軍が素通りさせた?いやいや阿波の三好に讃岐の十河も助力するだろ。。。

もしや安宅に三好、十河!!三国揃ってあの化物戦船に喰われたか!!!」


立花道雪

「あれを城や城下に向けられたら、防ぐ術等ありませぬ。。。」


臼杵鑑速

「立花殿ともあろうお方が、先ほどと同じ事を語るとか。。。」


「それだけ信じられぬのだ。。。あれでは戦その物が変わってしまう。

刀、槍、弓、騎馬どれだけ鍛練しても、砲撃1発で津久見島になる。。。

種子島を揃えても射程距離と威力が違い過ぎる。何とか倒す術を思考すればするだけ虚しくなるのじゃ。。。」


宗麟

「道雪もう良い。。津久見島を見て虚しくなるのは御主だけでは無いぞ、わしも同じだ。

白木からの早馬では、黒が浜から伊予国に向かったそうだ。。来島の村上水軍も討って出れば蹴散らされるだろう。。

河野は早々に降伏するしかあるまい。

急ぎキリスト教宣教師を呼んでおる。良質の硝石を大量に使い、化物を沈めるだけの威力ある兵器等無いものかと、話しだけはしてみるが答えは難しいであろうな。。。」


臼杵鑑速

「伊予に紛れ込んでいる草の者達からの報告が待たれますな。

それを聞けば織田の戦術や目的が掴めるかも知れません。」


やっと少し顔色が戻った立花道雪

「殿も御存知の事ですが、十河の讃岐と三好の阿波に我が手の者がおりまする。異変あらば人を使いすぐに豊後に知らせが来る。

織田と戦になったかどうか?もし讃岐に阿波が織田に落ちていたら淡路も同じ事。。。長宗我部はさておき御味方の一条殿の報せが欲しいですな。」


宗麟

「それよ!兼定には手練れを5人走らせておる。

もし異変ありでも1人位は戻って来るだろう。それまで各々家来衆と共に戦支度だけは怠らないように。解散だ!!」


長宗我部元親に続いて大和主砲の脅威を自身の目で見た大友宗麟。

あの砲撃が城や城下町を焼き尽くし滅ぼす悲惨な末期が頭をよぎる。

家臣領民共々、犬死にするより降伏するしかないのか?と臼杵城内にて頭を悩ませる事となる。


*********


2月10日 13時

伊予国・松山沖に浮かぶ興居島


作戦通り豊後での艦砲射撃から伊予での海軍軍事演習。

最後の実弾射撃は河野家だけではなく、内乱中の国人衆達をも震え上がらせた。


「和真!伊予の名目上当主は河野かわの通直みちなおだがまだ6歳の童だ。

実際は父親の通吉が取り仕切っておる。文化、勉学には聡いが武には疎く戦乱の世には向いておらん。実質ここは毛利元就の領土と認識しておけ。」


「はっ!しかし河野親子。この時代で生き抜くのは無理で御座いますね。」


「ああ、だが内政に重きを置く世では使い道が大いにある。

さて余は大城第7軍団長他2万の陸軍部隊を下ろして、湯築城収納と安土城《道後温泉支店》を築城して来る。

和真は毛利元就に織田海軍の恐ろしさを嫌と言うほど見せ付けて来い。

死傷者さえ出さねば、奴の本拠地・吉田郡山城に大和の実弾を馳走してやっても良いぞ。

帰蝶の策でな、夜は安土城にライトアップなるものをするらしい。

瀬戸内海からも良く見えるだろう。今夜は第5・第7軍団の兵達も皆で道後温泉に浸かるぞ!

帰蝶の防御結界を張るからな。

誰1人外から忍び込めんw」


こうしてチート織田信長は伊予国の河野親子に湯築城を収納しその跡地に安土城《道後温泉支店》を築城。

重信川上流に信長により転移した大城第7軍団長2万の織田陸軍。

弘法大師縁の西林寺周辺に3千を置き松山平野の中央部に展開。

信長が湯築城収納し安土城を築城した場所から1kmほどの勝山(現在の松山城)に2千を陣取らせる。

残り1万5千を2手に分け、8千で海岸線を西に向かい伊予方面に進軍。

7千は北東へ進軍し北条(現在のJR伊予北条駅)付近に駐屯した。


これは信長と井上参謀長の策であり、この4ヵ所に駐屯することで、松山平野(現在の松山市)全体を実行支配する事になる。


「御館様、予定どおり松山平野4ヵ所に駐屯完了しました。」


「ご苦労大城。どうだ進軍中の民や河野旧臣に国人達の反応は?」


「はっ!戦車を見て震え上がっております。またAPC9マシンガンを定期的に撃たせてますので、騎馬軍団にも畏怖しており、誰1人立ち向かって来ません。。」


「ん?良い事では無いか。何を物足りなさそうな顔をしているのだ!」


「はあ、敵地真っ只中で戦闘が無いというのも何というか不思議です。」


「そうかまあ良い。警戒は怠るなよ夜襲が無いとも限らんからな。

今から帰蝶を迎えに行く。阿波国の鑑定回復が終わったそうだ。

それと伊予におる第6第7軍団全員と兵器武器に防御結界を付与する。

これで守りは磐石だ。後は明日からの平定作業の基本!道作りと河川改修工事で民を雇う。

相場の倍の金額を新品の織田金貨で支払う。

日当で渡すから城下も活気に溢れるぞ。」


「それは善き考えですな。相場の倍を日払いで貰えれば、希望者が殺到するかと。」


「民衆が働き金銀を得て消費が増え経済が回る。その為に高賃金を支払う。ゆくゆくは所得税として"2割"が織田家に戻ってくる、その税でまた公共事業で内政を充実させる。

国作りの基本だ!」


「はっ!勉強になります。」


「うむ、では行ってくる。駐屯地を余と帰蝶で順に回る。

テレパシーで全員に伝えといてくれ!」


これで四国最後、伊予国での軍事行動は終了。もちろん反乱が起これば転移で即駆け付け、降伏しない者達とは戦闘になります。

長宗我部には今日、戦車とドローンが向かい軍事演習を行なった結果。

長宗我部元親は織田家へ全面降伏を決断。臣従が許されるか?信長への対面希望を文に認めました。

一条兼定始め収納してる各国の武将達。

彼等とは細かく詳細は詰めますが、ほぼ無血で四国平定完了です。


織田信長の方針として各地への侵攻はしばらく停止。

四国と畿内、濃尾平野の内政に勤しみながら1570年4月1日に北近江・浅井長政との会談を打診しています。

織田と朝倉のどっちに付くか?と追い詰めるのではなく、浅井家の内政を大いに支援する方向で話を進めるつもりの信長ですが、果たして長政の反応は?


またあの武田信玄がこのまま大人しくしているのか?

織田海軍に虚仮にされた大友宗麟と毛利元就の大物戦国大名が黙ってるのか?足利義昭も居るよねw

その辺が【第2章】の軸になっていくのかな?


ってことで無事【第1章】終了しました。

今後もよろしくお願いいたします。


m(_ _)m


ーーーーーーーーーーーー


大分弁使ってみました。

地元の方間違ってたらご免なさい


《《行きたむながる》》="行きたくない"の強い言い方


《《いびしー》》=気味が悪い



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