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第137話 ゲネシスの授けた物とヨコハマ桜木町駅かき揚げ天ぷらそば

 ゲネシス

「濃姫と2人で、いや家族皆で500年後に俺を驚かせる地球を見せてくれよな。

 最後にこれを授ける、請求書がくる前の前金支払いだwサラバ友よ!!」


 *****


 1576年12月1日


 織田イングランド王国

 織田宗家ロンドン城


 織田信長

「5ヶ月前ゲネシスから授かった最後の神力。まさか余の指名する者達100名が、西暦2100年までの不老を貰えるとはな……で、どうしても嫌なのか?」


 エリザベス1世・前イングランド女王

「神力とはいえ凄い事です。まつりごとを治めるのには利点が多いとは思いますが、別れの悲しさを考えると正直言って私には堪えられそうにありません。」

 そう言うと息子の織田ブーリン英信・イングランド王(1歳)を強く抱きしめる。


 濃姫

「それは理解できますね……自分の友や親族、子や孫・曾孫など子孫まで次々と見送らねばならないのは深い悲しみでしょう。」


 信長

「それは悲しい別れだが、余と帰蝶を入れると同じ不老を持つ者が102名もおるのだぞ。それで悲しみを紛らわしながら手を取り合い、より良い世界を作っていく。。。。。と言ってもそれは余の屁理屈だがな……」


 エリザベス

「もし息子が英信が18歳になって"その道"を選んだら、その時は100人の1人として指名して下さい。ただそうなっても私は天寿を全うする道を選択します。」


 信長は例え自分の子供であっても2100年までの不老を受け入れるかどうか?本人の意思確認を行う事を大前提としている。それも独自の判断が出きるように18歳の誕生日までは、明かすことはない。


 この力にはゲネシスの守秘義務神力が添付されている。1度断ったが心変わりした者が受け入れた者を妬み、襲撃したり肉親間で争いの種になるのを防ぐためである。

 具体例としてエリザベスの様に断った者は、その場で不老の件の記憶を削除される。


 信長

「この2100年までの不老神力は、余が選んだ人物が受け入れた時点で固定され、他者への変更・譲渡が効かない。だから誰を指名したか否かの公表はせぬ。」


 濃姫

「でも当然30~40年もすれば老けない顔や衰えない身体能力で、同じ不老を授かった者同士は気付きますね。」


「そうだな。だからこそ記憶削除の守秘義務神力が添付されている。それがないと自分が選ばれず自暴自棄になり、選ばれた人間を逆恨みして殺すかもしれない。

 不老とはあくまでも身体細胞の全てが若さを保つ現象であり、不死とは違うからな。

 首を切り落とされたり、爆弾でバラバラにされれば死に至る。帰蝶等のチート回復も即死した者を蘇らせるのは不可能だ。ゆえに秘密保持は絶体必要なのだ。」


 エリザベス

「どうぞ貴方様。このやり取りの記憶、消して下さいませ。」


「………エリー最後にもう1度だけ聞く。不老を受け入れてはくれぬか?」


「ありがとう貴方、そこまで思われて私は本当に幸せ者です。ですがカトリックやプロテスタントの境を超え、1人のキリスト教徒としての天寿を全うする人生を送らせて下さい。

 2100年まで生きなくても、貴方と結ばれて英信を授かりました。この子が成長し家庭を持ち私の孫を見るまでは、まだまだ普通に長生きしますからwそれで私は十分ですよ織田信長さま。」


「エリー」濃姫がエリザベスを強く抱きしめる。

「のーひめ、のーさま」たどたどしいが生後1歳2ヶ月で言語を発する英信。


 それを見ながら信長は

「仕方無いか……揺るぎない決意!

 流石は元イングランド女王陛下だ。悲しいことではあるが、その覚悟と誇りを無視する事はできない。では今の不老に関するやり取りのみ記憶を削除する。」


 一瞬だけ眼力を強めた信長、その瞬間

「つっ!濃姫様?ちょっと痛いですよ!そんな強く抱きしめてどうしたの?」


「ハッ!ごめんなさいエリー(汗)」

 慌ててエリザベスから離れる濃姫。


「もう全く…そんな細い身体の何処に、これだけのパワーが潜んでいるのかしら?で大事な話しというのはどういった御用件でしょうか貴方様?」


 信長

「ん?あっああ~何だその~もうすぐクリスマスだな。今年は東京の織田宗家城ではなく、ここ織田宗家ロンドン城で派手にクリスマスパーティーを開催したいと思ってな?」


「まあ、それはそれは嬉しいですわ!是非とも東京や世界中から皆様を呼んで開催しましょう!」


「おおそうか、エリーも嬉しいか!よし決まりだな。早速明日にでも翔吾の部下達を呼んで、会場設定など具体的な細かい段取りをさせよう。」


「はい!12月25日は主であるイエス・キリストの降誕祭ですから、キリスト教徒にとっては新年よりも大切な日です。神がイエスという最も大切な子を、我等にプレゼントとして与えられた日なのですから。

 それをロンドンで祝えるとは、貴方様の優しさに深く深く感謝申し上げます。」


 *****


 西暦2100年までの不老神力を強い信念に基づき、キッパリと断ったエリザベス1世元イングランド女王陛下。


 それを受け入れたエリザベス1世のたった1人の息子、織田ブーリン英信・織田イングランド王。

 400年以上後の世で父親の信長にこう語っている

「神力とはいえ凄い事です。まつりごとを治めるのには利点が多いのですが、別れの悲しさには正直疲れはてました。

 自分の子や孫、曾孫など子孫を次々と見送らねばならぬ深い悲しみ…何度遭遇しても慣れません…」


 信長

「………流石親子だな…そなたの母エリーが余の提案を断った時に述べた理由が、今と全く同じセリフだった……」


 英信

「母上様が!そうでしたか………1つだけお聞きしたい事があります?」


「申せ」


「父上ほどの神力であれば断る母上に対しても強引に不老を授ける事、容易く出きたのではないでしょうか?」


「英信…お前の申す通りだ…だがもしそれを実行していたら誇り高きエリザベス1世は、嘆き悲しみ苦しみの果てに教義を捨て自害の道を選んだやも知れぬ。

 それだけの迫力と毅然とした態度を、お前を胸に抱きながら余に示して見せた…あの時のエリーの燃え盛る視線…400年以上たった今でも忘れておらぬ。」


「……そうでしたか……父上と母上の覚悟も知らずに失礼な物言い、申し訳御座いませんでした。」


「余はこう考える。エリザベスの様に不老という誰もが憧れる魅力的な提案を、キッパリと断る勇気。だがな受け入れた者達にも、負けず劣らずそれ相応の覚悟と責任が生じる。

 何度遭遇しても慣れぬ子孫との別れの辛さ。だが受け入れた以上それを乗り越えて行かねばならん。英信、お前は決して1人ではない!余を始めとする肉親や幕閣、同じ境遇を選択した不老の者達。何のためにこれを選んだのか?忘れずに共に前進するしかない、2100年まではな…」


「はい精進いたします。今日は久しぶりに母上の好物ヨコハマ桜木町駅の名物、かき揚げ天ぷらそばイナリセットが食べたくなりましたw」


「ああ、あれか懐かしいなあw高貴な生まれ育ちのエリーが初めて食べたとき、こんな美味しいパスタにライス!さぞかし高級料理なのでしょう?と言ってたなw」


「はい!父上が千円でお釣りがくるぞと言った時の母上の顔ww」


「わははははは固まっておったなw」


「はい!(爆笑)あれ?何でだろ!涙が止まりません!」


「心配するな英信、"俺"も目から水が止まらん!ホレ七味も出したぞ」


 湯気が立つ美味しそうなかき揚げそばにイナリ寿司が2個。

 それを2セット収納から取り出し、織田宗家ロンドン城の豪華宮殿内で仲良く食べる父と息子…

 何の変哲も無い立ち食いそばですが、エリザベス1世女王陛下は生前、週に1度は必ず食べていました。

 それはそれは幸せそうな表情を浮かべながら………


 ゲネシスが授けた物には不老だけではなく、こういう思い出も含まれていたのかも知れませんね…また明日。


 *****


 あーーー食いたくなった!

 でも遠いな桜木町!


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