第134話 織田ブーリン英信王子誕生
【アン・ブーリン】
イングランド王ヘンリー8世の2番目の王妃。エリザベス1世の生母である。
アン・ブーリンは結婚から2年後の1536年5月に国王暗殺容疑、5人の男性との不義密通、反逆罪等々に問われる。そしてエリザベスが2歳の時に35歳の若さで斬首刑にて処刑された。
王妃として政治に介入するアンと実家のブーリン家は多くの政敵を作っていた事実が資料で残されている。
ただ当時からその裁判の正当性は疑問視されており、多くの国民から冤罪であると信じられている。
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1575年10月5日 17:00
織田宗家城・100F濃姫クリニック分院
信長
「織田の名字を頭にして本当に良いのか?しかもヘンリーやエドワードなどテューダー王朝の伝統名字も入れないとは?」
エリザベス1世
「はい、御心遣いありがとうございます。ですが私は母の命を奪ったテューダー朝・第2代の父親ヘンリーや、僅か15歳で病死したエドワード(異母弟)の呪われたテューダー家の名を、貴方様と私の息子に与える気は毛頭ありません。」
信長は当初
【ヘンリー織田英信かエドワード織田英信】の名を提示した。
イングランドテューダー王朝伝統の名字を頭にし、織田を2番目にしてエリザベス1世とイングランド国民に気を遣ったのだ。
濃姫
「織田ブーリン英信、とても良い名前ですよ。亡き母上の御実家の家名"ブーリン"。エリーの思いを込めた我が子への愛情を感じます。」
「濃姫様……ありがとうございます。母が斬首でこの世を去った時、私は2歳でしたので記憶はありません。
ですがこの髪飾り、幼い頃からこれを身に付けていると何故だが心が落ちついて、不思議な感覚に包まれました。これが母アンのこの世に残された、たった1つの形見の品だと知ったのが18歳の時です。」
「本当に良かった。たった1つでも母上様とのつながりが貴女に残されていて……」
思わず主治医お市の方がエリザベスを抱きしめる。
「お市先生…ありがとう……
貴方様。どうかブーリンの家名を我が子に授けて下さい。母は、アン・ブーリンは、政敵に陥れられた冤罪だと信じています。
ですから私は堂々と胸を張って、この家名をイングランド国民に届けたいと思います。」
「………分かった…母上はさぞかし無念であったろう。
織田ブーリン英信!来年の10月5日、1歳の誕生日にイングランド国王へ正式に任命する。ロンドンで就任戴冠式を派手に行うぞ。
父親の余が、大日本皇国初代皇帝の織田信長が後見人である!
エリザベス1世そなたは余の妻として、これからの人生を歩むが良い。」
「あああぁぁ~~やっと重い荷物を下ろせます。こんな幸せが来るなんて、生きてて良かった(涙)」
濃姫
「エリー……さぞかし孤独で辛かったことでしょう。でももう大丈夫ですよ。織田宗家を始め織田一門衆の皆が貴女の家族同然で、織田幕府の幕臣達も貴女の味方ですからね。」
「ううううううう~(泣)」
ついに泣き出してしまうエリザベス1世女王陛下。
「それとなエリー。
英信の英はイングランドの事を指す文字で普通は【えい】と読むのだが、日本語では英とも読める。
余とお市の父親の名は織田 信秀、秀と英で漢字は違うが父上の【ひで】と余の【のぶ】を取り英信と名付けた。
それにエリーの母上様御実家【ブーリン】の名が入れば、イングランド国王として相応しいであろう。」
「えっ!!!そんな!貴方様の父上様の名を我が息子に………うっうううううううううわ~ん(大泣)」
「おいおいエリーまだ話す事があるのに大泣きしてどうするwこれではいつぞやのお市と同じでは無いか。ニヤリ」
「うふふ。お市ちゃんwそんな事もありましたね。」
「もう!兄上も義姉上も嫌いです(真っ赤)」
濃姫
「貴方、エリーは今朝初産を終えたばかり。そろそろ面会はこの辺にしましょう。
夜中の授乳に備えるため、夕食を取り仮眠をしないとね。」
「おお確かにそうであったな済まぬ。では続きは明日の楽しみとしよう。
エリー同じフロアーにおるのだから、何かあったら直ぐに呼ぶのだぞ。遠慮などするでないぞ!良いな。」
「はい分かりました。ありがとうございます。」
「お市ちゃんもそろそろ名護に帰る時間よ。茶々・初・江が待ってるわ。
明日はみいちゃん&あこちゃんの仲良しコンビが来てくれるし、明後日は井伊の方達も手伝いに来るから連休のんびり過ごしてね。休み明けは午後出勤で良いわよ。」
「はいありがとう義姉上様。茶々達もエリーの赤ちゃんを抱っこしたがってるから、休み明けに連れてきますね。
エリー沢山食べてぐっすり寝るのよ。ではお疲れ様でした。」
東京の織田宗家城から転移ルームで、沖縄県の名護に数秒で帰るお市の方。この移動手段を使ったらもう飛行機にも乗れませんw
信長テレパシー
『仕方無い。織田宗家ロンドン城の話しはまた今度にしよう。この部屋はテレビ禁止だから、情報を入れないよう、みいとあここにも余がこれから言うておく。せっかくのビッグサプライズだからな。ニヤリ』
濃姫
『宜しくお願いします。』
『うむ今夜はロンドンの城におる。慎之助に任せておるが、何かあるやも知れぬからな。エリーと英信の事しかと頼んだぞ。』
『はいお気をつけて』
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1575年10月5日 19:00
【日英の時差のことは気にしないで下さい:作者より m(_ _)m】
織田宗家ロンドン城
阿部慎之助
「まったく凄い事になってるな(汗)
翔吾やり過ぎだろおまえ(苦笑)」
浅野翔吾
「まさかこれ程の反響とは(汗)(汗)
軽く50万人以上は居ますね(汗)」
「それにしてもイングランド国旗は分かるが、織田木瓜や永楽通宝の旗印を何故イングランド人が持っているんだ?」
「もちろん織田幕府経営の各種店舗にて、広報省企画により以前から販売しておりますので。」
「ほお…やはりお主の仕業か…で真田家の六文銭は何の意味があるんだ?」
「あっ!はははノリでついw」
「ノリで?あきれた奴だ…三つ葉葵も見えるぞ…徳川殿の許可は得ておるのか?」
「……ほ、本多忠勝殿の許可なら得ております……」
「…それで東側に白地胴黒に【本】の文字の本多忠勝旗印が見えるのか…
徳川家康殿の許可は無いんだな翔吾……」
「………そのうち話そうかと思っていたのですが、何分お互いに忙しくて…つい…」
「ふ~ん、俺の目の錯覚じゃなければ毘沙門天に武田菱らしき旗印も、ちらほら見えるんだがな……あれ?北条の旗印・北条鱗が何故ここに?」
「…そうですか?自分には人が多すぎて見えませんが…(汗)」
「先週、織田幕府城にて佐久間信盛大蔵大臣が著作権管理の徹底と、まがい物の取り締まり強化をする法整備を進めて行くと言っていたな……知ってるのか翔吾?」
「……ぐぬぅ……阿部慎之助大将様!この件に関しましては行違い等あったやも知れません…
明朝すぐに徳川・上杉・武田・北条・真田さま等々、著作権料支払い打合せをして参りますので、何卒御容赦くださいませ。」
「馬鹿たれ!からかっただけだw商工部の織田有楽斎様が各家の承諾を得て、とっくに契約を交わしている。
おまえ頻繁に現場へ足を運ぶのも良いが、忙しすぎて事務方の業務を疎かにしすぎだぞ!!」
「へっ??織田有楽斎様が……(汗)
申し訳ございませんでしたーー」
その日
世界中を駆け巡ったBIG NEWS!
エリザベス1世イングランド女王陛下・無事男子出産!
お相手はもちろん大日本皇国初代皇帝・織田信長閣下!
次期イングランド王の名前は
【織田ブーリン英信・王子】
体重5,500gの巨漢で母子共に健康そのもの。
その誕生を祝して本日
織田信長皇帝閣下、自らが神力を行使!
ロンドン特別区シティ・オブ・ウェストミンスター地区。
シティ・オブ・ロンドンを併合させ25k㎡の広大敷地を造成。
そこに【織田宗家ロンドン城】を築き上げた!
来年1576年10月5日
1歳の誕生日を境にエリザベス1世女王陛下と織田ブーリン英信王子の居城となる。
全国民待望の王子誕生にイングランド中が喜びに溢れ、1日にして出来たという奇跡の城【織田宗家ロンドン城】を一目見ようと、人の波が押し寄せ歓喜の輪が出来たのである!
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話しを少し遡るつもりが2話にまたがってしまいましたw
次回135話は1576年に戻りますのでよろしくお願いします。
また明日。