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第112話 もう1度言ってくれないか?

 1574年6月20日 13:00


 織田スペイン空軍基地

 東京ドームホテル99Fレストラン街で和食ランチを食した織田信長御一行。


「だから仕方ないだろ、流れがそういう方向性に向かってたんだ・・・・・」

 食後のコーヒーを飲みながら、罰が悪そうな表情で言い訳をする皇帝閣下。


 上杉謙信

「ですが皇帝閣下、また広大な領土が手に入っても誰が統治するのでしょうか?織田幕府も人手が足りませぬが……」


 前田利家

「もし相手が条件を飲んだら、この空軍基地を手放すのですか?」


「いやそれは………ここは織田の領地だ………」


 柴田勝家

「でもスペイン帝国から出ていくと言いましたよ。」


「そ、そうだったかな……?」


 真田昌幸

「はいキッパリと断言しておりました。何なら全世界にNews放送されています。」


「ぐぬぅ………よし方針変更だ!ネーデルラントと神聖ローマ帝国にマドリードには手を出さぬ現状維持で良い。

 但し植民地はアメリカ新大陸とフィリピンの放棄、それに織田スペイン空軍基地は大日本皇国領土として認めさせる。」


 上杉謙信

「バルセロナとバレンシアは?」


「今日も朝から満員のカツ丼専門店は残す。今後も出店拡大は進める。そのためにお互い大使館を設置しようと持ち掛ける。」


 真田昌幸

「大使館とは?如何なる物でしょうか?」


「国の外交等における行政機関の出張所施設の様なものだな、端的に言えばお互いが争わないための窓口だ。大日本皇国大使館をマドリードに、スペイン帝国大使館を東京都に開き専任大使を常駐させる。」


 柴田勝家

「なるほど。何か問題が起きればその大使と交渉をして、両国間で早期解決を図る訳ですな。」


「ああ、大使館敷地内はその国の領土として扱う事になる。東京都のスペイン帝国大使館はスペイン領土、例え余であっても勝手に立ち入る事は出来ない。

 無理矢理入れば領土侵犯!それは即ち宣戦布告行為となる。」


 前田利家

「逆に言えばマドリードの中に小さな大日本皇国が出来るのか、、、悪くないですね。」


「ああ、友好的関係性を保つのに絶対必要な施設だな。」


 真田昌幸

「では早速その内容で文書を作成しますので、明日調印式と致しましょう。」


「うむ。文官(Android)を5人付けるゆえ、先ずは大まかな骨子で良いから17時までに頼めるか?」


 真田

「はっ!お任せ下さい。」


 こうして明朝行われる

 日西・安全保障通商条約締結に向けての準備が進められた。


 ちなみにスペインの漢字表記は西班牙と決まり、略して西と記入される事になる。


 **********


 1574年6月21日 7:00

 黒海島・織田総合基地


 第7空母・織田長利大将

「もう出航するのか!午後からゆっくりと出れば良いだろうに。」


 長宗我部元親

(織田総合物産株式会社・輸送船団長)

「ありがとう御座います。ですがクレタ島に米と小麦を降ろした後、今日中にシチリア島に入らねばなりません。1,200kmの長旅ですので今出ても到着予定は18時ですから。」


 長利

「そうか…普通の船ならどんなに急いでも1週間以上だけどな……まあ安全無事な航海を願っておる。」


 元親

「はっ!昨夜は美味い焼肉を馳走になり感激いたしました。帰りはポルトガルとスペインのワインを積んで立ち寄ります。楽しみに待っててください、では行って参ります。」


 空母2島に護衛された織田総合物産輸送船団。朝昼晩と連日流されるNewsで、空母や戦艦の攻撃力を見せ付けられている各国の人々。

 それを襲撃しようとする馬鹿は、最早この地球上に存在しなかった。


 **********


 1574年6月21日 8:00


 スペイン帝国マドリード郊外40km

 エル・エスコリアル修道院


 織田信長

「うむむむむむむむ」


 信長以外は通訳(Android)が付いています。


 上杉謙信

「………本当に宜しいのか?」


 柴田勝家

「まさかここまであっさりと…」


 前田利家

「潔いと言えばそれまでだが……」


 真田昌幸

「フェリペ閣下!我が国の文書もお読み頂きたいのですが…」


 フェリペ2世

「それには及ばぬ。昨日織田信長皇帝閣下の申した通り、アメリカ新大陸・フィリピン・ネーデルラントの全てを放棄する。

 国名もスペイン帝国からスペイン王国と改め、この国のみを守り続け国民達に幸せな人生を送ってもらうよう一致団結働く所存!」


 アウストリア(フェリペ2世異母弟)

「神聖ローマ帝国に関しては今やルドルフ2世が皇帝なので、スペインは関与出来ません。織田幕府軍のお好きな様になさって結構です。」


 織田信長

「うむむむむむむむ(汗)」


 フェリペ2世

「織田皇帝よ…どうされた?」


 信長はマドリード・ネーデルラントと神聖ローマ帝国に手は出さない代わりに、織田スペイン空軍基地だけは大日本皇国の領土とする事。

 バルセロナ・バレンシアのカツ丼専門店も残したい事。

 肝心要な両国の大使館設置の件を丁寧にスペイン側に説明をする。


 信長

「。。。。。と言う事だが、フェリペ2世よ何とか承諾してくれぬか?」


 フェリペ2世

「あの広大で強力な軍事基地が残るのか………」


 スペイン一同

「「「う~~~ん………」」」


「朝食済ませたばかりだと思うが1口だけでも味見してみないか?」

 信長はバルセロナとバレンシアで大盛況カツ丼のミニサイズを取り出す。


「どれ、、、、、これは!!」

 あっという間に平らげた将軍。


 それを見てアウストリアに近衛隊長、側近衆も1口食べてみる。

「「「おおお!!!」」」

 一瞬で無くなってしまう。


 口の肥えているフェリペ2世ですら

「……むしゃむしゃむしゃ……」

 黙って完食した。しかも足りないと顔に書いてある………


「デザートだ。余の国では食後の甘美は"別腹"と呼んでいる。」

 ここが勝負処と令和東京の中央区新川・翠江堂すいこうどうの絶品・苺大福をテーブルに出す。


 初めて見る大福を珍しそうにしながらも1口頬張った瞬間だった!


「「「うううううーーー」」」

 その後、誰1人喋らず喜びの表情を浮かべながら、熱い狭山茶と一緒に黙々と食べている。


 フェリペ2世

「素晴らしい素晴らしいではないか!フレサ(苺)を入れた菓子とは!日本人は天才なのか?」


 信長

「もっと色々取り揃えているぞ。先ほども話したが安全保障通商条約を結び、お互いの国に大使館を設置すれば全てのデザートやスイーツをスペイン王国にも提供しよう。どうであろうか?」


 アウストリア他

「「「異議なし!!!」」」


 フェリペ2世

「その前に最後に1つだけ確認だ。イングランド海軍やフランス陸軍、オスマン帝国もまだ野心を持っているし、ネーデルラントの反乱は今後も続くであろう。

 スペインが攻められた時、大日本皇国は本当に連合軍として兵を派遣してくれるのだな?」


 織田信長

「勿論だ神に誓おうではないか!

 通商条約と同じく軍事同盟も結ぶんだ。スペイン王国の敵は大日本皇国の敵である!日西連合軍で相手を叩き潰す!」


 フェリペ2世

「よし分かった!!安全保障通商条約にサインをしよう。大使館とやらを建てるには、東京へ職人達を派遣せねばならぬな。」


 信長

「フェリペよ、その必要は無いぞ。マドリードに30F建ての大日本皇国大使館ビルを建てる。その中を見てもらい、問題無ければ同じビルを東京に用意するからスペイン王国で自由に使ってほしい。

 新大陸とフィリピンを放棄するんだ。それ位させてくれ。」


「そうか…そこまでしてくれるのか…であれば言葉に甘えるとしよう、宜しく頼む。」


「それとネーデルラントの反乱に対処するため、相当な出費を強いられているだろう。

 両国間の条約を締結したら、今晩中に織田幕府軍で反乱軍を平定してくる。スペイン王国の経済面が上向く様に何でも協力するつもりだ。」


 フェリペ2世

「今晩中に平定!!!もう1度言ってくれないか?」


「ん?駄目か?」


「イヤイヤイヤ、駄目では無いが、この6年間本当に苦しめられてきた。それを今晩中に平定とは(汗)」


「まあそこは任せておけ。では異存無くば文書にサインをし締結といこう。」


「ああ、これからも宜しく頼む。特にカツ丼と苺大福に狭山茶の3点セットは毎日でも良いぞ!」


「………太るぞ…フェリペ…」


「うっ!……しゅ、週1で良い…」


 信長

「…ぷっ!ぷはははははは」

 フェリペ2世

「クッ!クハハハハハハ!」


 こうして500年以上続く日西同盟が無事締結したのである。


 ーーーーーーーーーーーー


 史実のスペイン帝国は

 軍事費が膨れ上がり国庫を圧迫、財政破綻をして1596年大規模なバンカロータ(まあ借金の踏み倒しですね)を行わざるを得ないほど追い込まれた。


 ネーデルラントからの税収と、新大陸中南米からもたらされる金や銀等々。経済面をそれに頼ってしまい、ろくに産業育成もせず怠慢な国家運営をしてきた。そのつけが回っていたのである。


 追い討ちをかけるように1596年から3年もの間ペスト(黒死病)が大流行する。

 太陽の沈まない国と呼ばれ、スペイン帝国の最盛期に君臨したフェリペ2世。

 1598年9月13日に亡くなる頃に、スペインの輝かしい黄金時代は終焉を迎えようとしていた。


 結果的に大日本皇国との同盟は、史実に起きた悲惨な出来事を回避する事となり、植民地は失ったが経済的発展を遂げることになったのである。


 フィクションです m(_ _)m

 また明日。


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