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第111話 圧倒的軍事力の差を理解するフェリペ2世

 1574年6月20日 10:00

 スペイン帝国マドリード郊外40km

 エル・エスコリアル修道院


 フェリペ2世

「ここまでの差を見せ付けられると呆れて笑いが出るな………たった一晩でモラルサルサルに広大な軍事基地が出現するとは………速さと物量で圧倒するにも程がある………」


 側近

「この修道院すら着工から11年かけてまだ未完成です。。。」


 陸軍部隊将軍

「………認識が甘かったです………すみませんでした……」


 ドン・フアン・デ・アウストリア(フェリペ2世異母弟27歳)神聖同盟軍スペイン無敵艦隊総司令官

「バルセロナ沖の織田艦隊に手も足も出なかった我等の気持ち、少しは理解してもらえたようだな……もう抗う術など無い………」


 フェリペ2世

「この軍事力の差は如何ともし難いが、レパント海戦の英雄・アウストリアともあろう者が弱音を吐くな。我等兄弟はハプスブルク家に生まれし者として最後まで織田信長と対峙する。

 今日の会談で余の首が欲しいと言うのなら差し出すまでだ!但しバルセロナとバレンシア等これ以上の侵略行為は認めんと条件を付ける。命をかけて必ず認めさせる。

 余が亡きあとお前は、同じハプスブルグ家の神聖ローマ皇帝・ハンガリーボヘミア国王ルドルフ2世と連携し、スペイン帝国皇帝としてこの国をハプスブルグ家を守るのだ。」


 アウストリア

「兄上様、いやスペイン帝国皇帝様。その覚悟立派ですが死んではいけません。織田信長との会談、スペイン艦隊総司令官として我も参加致します。」


「駄目だ!!2人とも殺されてはスペイン帝国の王がハプスブルグ家の血筋から離れてしまう。そんな事あってはならぬ!余が死んだら先王の子で生き残っている男子は、もうお前しかいないのだぞ。

 余の手勢2万を持ってマドリードへ向かえ。何としても生き延びるんだ。近衛兵!アウストリアを連れていけ!!」


「「「はっ!!!」」」


 フェリペの近衛兵数十人に取り囲まれ、強制的に退室させられる無敵艦隊の英雄アウストリア。

「兄上………どうか、どうか御無事で…」


 フェリペ2世

「将軍、陸軍5万の指揮をとり弟を無事マドリードへ連れていけ!」


 陸軍部隊将軍

「5万?先ほど2万と………お待ち下さい。それでは全軍になり此方を守る兵士が皆無になります。」


「あれを見ろwあの無数の空を埋め尽くすアパッチにオスプレイを……地上に何万人いても爆弾を落とされて死ぬだけだ。11時に信長が来る。奴の相手は余が1人で受け持つ。さっさとこの場を離れマドリードへ移動しろ!これは軍事命令であるぞ!」


 将軍

「うっ!ぐぅぅぅ…であればアウストリア様の護衛部隊5万の指揮は副官に任せ私はここに残ります。スペイン帝国そのものである貴方様の側を離れません!!」


 側近

「スペイン帝国はフランシスコ・ピサロ等のコンキスタドール(征服者)がインカ帝国を滅ぼした時から、罰を受ける運命だったのでしょう。

 その犯した罪を聖母マリア様に詫びながら、私も織田信長が下す罰を一緒に受けましょう。」


 フェリペ2世

「……馬鹿な奴らだ…勝手にしろ…そろそろ来るぞ…まだ午前中だから最後の晩餐では無いが、取って置きのワインでも飲みながら待つとするかwお前達も付き合え」


「「「喜んで!!!」」」


 将軍、側近、近衛兵等10人程でワインを嗜むフェリペ2世。

「思えばフィリピンやアメリカ大陸まで征服した我がスペイン系ハプスブルク家は、紛れもなく《《太陽の沈まない国》》であったなw」


 近衛兵隊長

「はいその通りです。アウストリア様が神聖同盟軍総司令官となり、レパント海戦でオスマン帝国海軍を海の底に沈めたのは痛快でした。」


 将軍

「先王カルロス1世様が神聖ローマ帝国皇帝に即位され、オーストリア、チェコ、ドイツ、イタリア等々も手中に入れた時はスペイン中が歓喜に沸き上がったと父親から聞いてます。」


 側近

「そうでしたなあ。まだ8歳でしたが昨日の事のように覚えております。」


 フェリペ2世

「8歳!爺は今年60歳では無かったか??」


「あっ!ばれましたなww66歳になりましたww」


「なっ!6つも誤魔化してたのか?したたかな奴だ!わはははははは」


 笑わない国王として常に厳しい姿勢を貫いていたフェリペだったが、今までにない主従の一時を過ごしながら『もっと早くこの様な関係性を築くべきだったかな。。。』としみじみと人生を振り返っていたその時。


 ズン!


 織田信長

「ほお美味そうなワインを飲んでおるの、余にも一杯注いでもらえるか?」


「「「なっ!!!」」」

 突然現れた信長御一行に驚くスペイン帝国主従。


 信長

「フェリペ2世よ、時間通りに来たのがそんなに珍しいのか?

 日本では相手を待たせるのは失礼に当たるゆえ、そんなに驚くことは無いぞ。」


 柴田勝家

「皇帝閣下、驚いたのはそこでは無いかと、、、、、」


「そうかまあ良い。ふむ広いスペースだな、勝手に出すが許せ。」


 ズン!

 信長は収納から豪華ソファーセットを取り出し一言「座るぞ」と言い堂々と腰掛ける。


 フェリペ2世

「Newsとやらで少し見たが、本当に何も無い空間から物が出てくるんだな………」


「ああそうだ、弟も出しといてやる。」


 ズン!

「………あれ?兄上?」

「アウストリア!!」

「「アウストリア様!!」」


 キョロキョロと部屋内を見渡し

「き、きさまはさっきの!!」

 右手に持っていた剣で信長に斬りかかる!


「ふん!」

 左手の親指と人差し指で軽々と受け止め挟み込む。


「ぐう!!このおぉぉ!!!」

 英雄アウストリアが全力で剣を押し込むがビクともしない。


 その異様な光景に将軍と近衛兵隊長が立ち上がり、信長に斬り込んできた。


 カン!ギン!シュシュッ!

「ギャー」「グワァ!」


「2人の勝負を邪魔するでない!」

 上杉謙信が剣を弾き返しながら、2人の手首を浅目に斬る。

「次は斬り落とす!」


「ひいいいいい」

 他の近衛兵達は1歩も動けない。


「アウストリア止めておけ、逆立ちしても勝てる相手では無い。織田殿も遊ぶのはそれくらいにして貰えないか。」


 フェリペ2世の言葉に

「良かろう、だが次は首が飛ぶと思え。」

 ポキッそのまま2本の指だけで剣を折った。


 アウストリア

「あっ、、、な、なんて力だ(汗)きさま本当に人間なのか?」


 信長

「ああ《《イエス・キリスト》》じゃ無いのは確かだな。カトリック教徒どもよニヤリ」


 熱心なカトリック教徒であるフェリペ2世。キリストの名を出す信長に顔をしかめながら

「そろそろ本題に入ってもらおうか。我が国の方針はたった1つ、不法占拠しているバルセロナとバレンシアから出て行きスペイン帝国から手を引け!余の命と引き換えなら文句はなかろう。」


 信長

「はあ?何を都合の良いことを言っている。不法占拠だと?

 なら今すぐ武力で手に入れたアメリカ新大陸、フィリピン、神聖ローマ帝国の国々から出て行けよ!従わないなら織田幕府軍が一斉に空爆と艦砲射撃で奪い取ってやる!

 インカ帝国の先住民族を虐殺し国を滅亡させ奪い取ったお前等に、不法占拠などとほざく権利は無い!」


 フェリペ

「そんな事は分かっている!だから余の命をくれてやると言っているのだ!それ以上何をどう譲歩しろと言うんだ!」


「お前の命などいらぬ!

 ネーデルラントとインディアス(アメリカ新大陸)にフィリピン!そっくり大日本皇国の領土とする。それでスペインから出ていってやるがどうだ?」


「はあ!話にならん!何故いきなりネーデルラントが出てくる!」


「ハプスブルク領だろ、スペイン領では無い。余に献上しろ、それでスペイン帝国が助かるんだ安いもんだろニヤリ」


「ハプスブルク領イコールスペイン領だ!」


「おいおい余が知らぬとでも思っておるのか?6年前から各地で反乱が起き、特に北部7州はネーデルラント連邦共和国設立を虎視眈々と狙い、スペイン帝国と激しく対立している。

 苦労しているんだろ?お主に変わって余が平定してやる。」


「くっ!どうやってそこまで調べた。それにその言葉、まるでスペイン人ではないか。いったいお前は何者なんだ!」


 ズン!

 50人のAPC9部隊を出し、部屋の窓から外壁をフルオートで撃たせる信長。


 ダダダダダダダダダダ!

 ダダダダダダダダダダ!


 初めてマシンガンフルオート射撃を目の前で見たフェリペ2世達。

 自慢の強固な壁が崩れ落ちていく。


「撃ち方止めーーい!」


 フェリペ一同

「「「…………………(汗)」」」


 信長

「空と海からはこれ以上の爆発力を持った兵器が攻撃してくる。移動も一瞬だ。

 カトリック教徒ども、余がプロテスタントと手を結んだらどうなると思う?スペイン本国まで奪い取られるぞ。」


 フェリペ2世

「止めろ!プロテスタント等とそれだけは止めてくれ!!」


「オーストリア・ハプスブルク家の皇帝は信仰を許可したではないか。プロテスタントを迎合して異端不寛容的政策を緩めればネーデルラントの反乱も治まるのではないか?」


「それだけは駄目だ!異端者を容認するなら死んだほうがマシだ!!」


「はあ~勝手にしろ。今日1日、時を与える。明日6月21日8:00またこの部屋に来る。答えを用意しておけ。敵対するならそれも良し、但し陸軍5万と他の近衛兵はそっくり預かっている。お前らだけでは戦にもならんぞ、よくよく考えるんだな。」


 シュン!

 そう言い残し信長御一行は消えた。同時に合計2,000機のアパッチ・オスプレイも織田スペイン空軍基地へ帰還して行った。


 フェリペ2世

「プロテスタント勢力にだけはスペイン帝国を渡すわけにはいかん。信長に従い本国を守るしかないのか?」


 アウストリア

「兄上様、指だけで剣を折る等あれは人ではありません。スペイン本国が守られるなら仕方ないかと思います。」


 将軍

「逆らうにしろ陸軍5万に近衛兵5千を捕らえられたとあっては、今から全軍に召集をかけ明朝までにどれだけ集められるか?」


 側近

「時が足りませんな。植民地を奪われるのは悔しいですが、罰を受け命を奪われた挙げ句、スペインを踏みにじられる事態だけは無さそうな物言いでした。」


 フェリペ2世

「分かった!スペイン帝国は余の代にて終焉とする。今後はスペイン王国として産業強化を計り、本国防衛戦を死守する国家計略に路線変更せざる得ない。しばらくは経済的に苦しくなるが、乗り越えなければならん。すまんが皆の力を貸してくれ、頼む!」


「「「兄上!皇帝閣下!」」」


 フェリペ2世が家臣達に頭を下げる異常事態とはなったが 、どうやら答えは出たようです。

 ん?これまた領土増えちゃう?

 人材育成がどーたらこーたら言ってたと思うんだが?


 また明日。

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