第109話 フェリペ2世と馬場信春の呟き。。。
1574年6月19日 19:00
今日の国際 live News!!
全世界200カ国語・同時通訳放送
女性キャスター(Android)
「………と言うことで明日6月20日11:00、大日本皇国初代皇帝・織田信長閣下様が態々《わざわざ》マドリードくんだりまで足を運び、フェリペ2世くんに会いに行くので首を洗って待っていろよ!だそうです。」
男性キャスター(Android)
「この首を洗ってと言うのは例の首狩り族、本多忠勝殿も同行するのでしょうか?」
女性
「はい勿論そうですが、本多殿以外にも多数の《《首を狩りたい族》》の方々が、フェリペ2世の首がほしいと同行を希望されたようですよニコッ!」
「笑顔で言う貴女がむしろ怖いですね(汗)」
「そうですか?私はただこんな大勢に首を狙われるフェリペ2世がかわいそうで、彼に向かって《《冥土の土産》》に笑顔を捧げているだけですよニコニコッ!!」
【解説字幕・冥土の土産とは?】
安心して死ねる様に、死者があの世に持っていく良い思い出や情け等を意味する、大日本皇国の言葉です。
男性
「………ここでスペイン帝国の皆様へ大事なお知らせがあります。織田幕府軍は慈悲深い織田信長皇帝閣下の命令により、一般市民には一切危害を加えない事を軍規としております。」
女性
「あらまあステキ♡」
「よって、帝国民の方は明日のLIVE News放送を静かに見守っていて下さい。もし武器を手に攻撃を加えてきた場合、例え一般市民でも敵と見なします。」
「殺っちゃうわよニコニコニコッ!!!」
「………ニコが多いな(汗)
注意勧告はしました。ここから先、蹂躙行為が起こる場合その責任は皆様にあります。
命が惜しいかた、または首を狩られたくない方は絶対に攻撃に加担しないよう自粛して下さい。」
「フェリペちゃ~ん、首チョンパよニコッ!ではまた明日も観てねチュ」
女性キャスターの投げキッスでNews放送が終了する。
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スペイン帝国マドリード郊外40km
エル・エスコリアル修道院
フェリペ2世(47歳)
「……煽るだけ煽ってきたか………」
側近
「挑発には乗らない様にお願いします。」
「分かっておるセバスティアンと一緒にするな。」
「そのセバスティアン…国王様…ですが今日現在行方知れず。」
「ハハハ余の甥だからと気を遣うな。もはやポルトガル国王は元摂政のエンリケ1世とNewsで発表された。
織田幕府軍の強大な軍事力の前で余ができる事………それはせいぜいローマ教皇庁に働きかけ、エンリケが世俗に戻って婚姻する事を禁止させるぐらいしか無い。」
「ですがそれは今後、絶妙の1手となりましょう。聖職者のエンリケには子が無く次代の国王後継者がおりません。」
「ああ余がポルトガル王も兼任するつもりだった………」
「だった………とは?珍しく弱気な言葉ですが?」
「明日来るのだろ織田信長が。後継者対策ぐらい既に考えてるだろうよ。」
陸軍部隊将軍
「陸軍は明朝に備え、修道院の回りに防御体制を敷いております。」
「ゴアやポルトガルの軍艦のように、空から空爆されるだけだぞ。」
将軍
「精鋭部隊含め5万の兵士を召集しました。一矢報わなければ帝国陸軍の面子が丸潰れとなります!」
「………そうか………帝国陸軍の愛国心!見事である!ただ空飛ぶ爆撃機とやらが出てきたら建物内に入るのだ!外に布陣していては絶好の的になるだけ、犬死にだけは許さん!良いな将軍。。。」
「……はっ!」
「良し今日はもう下がれ。余もスペイン帝国皇帝として、明日堂々と織田信長と渡り合う。
何としても帝国民を守るための策を、1人で思考したい。御苦労!」
「「「はっ!」」」
1人になったフェリペ2世は力無く椅子の背にもたれ掛かり
「策も何もNewsで見た海からの長距離艦砲射撃、無数の爆撃機による空爆。そんなものに対抗する兵器も手段も無い………」
ポツリと呟くのが精一杯だった。。。
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馬場信春・参謀総長元帥閣下
「今回は一撃離脱すなわちヒットアンドウェー作戦とする。」
上杉謙信
「ヒットアンドウェーいい響きだが、本当に帝都マドリードだけで良ろしいのか?」
遠藤 斎希参謀部員
「帝都マドリードの地理ですが、バレアス海沿いの街バルセロナまで600km
バレンシアまで300km以上、ポルトガルとの国境まで100km以上ある典型的な内陸部の都市です。」
柴田勝家
「円滑な交易の為にも、海沿いのバルセロナとバレンシアは抑えるべきでは?」
徳川家康
「軍事面でも軍港が無いのはどうですかな?内陸部都市とは周囲を敵に囲まれている地形。マドリードで籠城するような状態になりませぬか?」
織田信長
「まあ今までの軍隊ならそうなるな。ここヨーロッパは内陸部都市が多い。まず沿岸部を取り橋頭堡を確保するのが常道である。舅殿、空軍活用の説明を頼む。」
馬場信春
「はっ!今回ヒットアンドウェー作戦と言ったのは空軍部隊、つまり軍事も流通も空を主流とするからである。」
真田昌幸
「空!確かに空を自由に使えれば、港も大型船も要りませんね!」
馬場
「帝都マドリードから北西50kmの村を皇帝閣下が選定した。その場所を中心に今夜空港を作る。
10km×20km=200k㎡の広さに4,000m級滑走路が30本の巨大空港となる。」
前田利家
「160k㎡の空母(新浮島型東京ドーム)より40k㎡も広いのですか(汗)」
筒井順慶
「それは!もう、1つの国に匹敵しますね。。。」
馬場
「実は先日、皇帝閣下の御供をして儂も下見をしてきた。モラルサルサルという小高い山に囲まれた小さな村だ。
勿論住人含めその土地ごと収納し、マドリード郊外の環境良好な場所に転移させる。」
一同
「「「おおおおお!!」」」
織田信長
「空港を作るから立ち退け等と手荒な真似はせぬぞ。水にも恵まれ今よりずっといい立地だ。余は慈悲深いからなニヤリ。
時が惜しい故これから行ってくる。舅殿、軍議は任せた。謙信、勝家、利家、真田!付いてこい。」
「「「はっ!!」」」
シュン!
織田信包
「ところで参謀元帥閣下殿、モラルサルサル村住人の移転先とは?」
「マドリード郊外エル・パルド宮殿を中心地とした1等地だ。」
家康
「宮殿!!!王の居城では?」
「正確に言うと16年前に死去したフェリペ2世の父親、神聖ローマ帝国とこのスペインの王を勤めたカルロス1世が命じて作った城。
まだ全て完成はしておらず、今もフェリペ2世が建築途中である。」
信包
「ははははは、、、、、(汗)」
家康
「いやいやいや(汗)……東京の織田城に、どこぞの村の住人を転移させるのと同じかと思うのですが(汗)」
馬場
「皇帝閣下いわく、マドリードは大日本皇国の領土になるのだから、近郊や周辺半径200km圏内は織田幕府の領土である。。。だそうだ。。。」
一同
「「「それ"マドリードだけ占領"とは言わないから!!」」」
馬場
「それだけじゃないぞ。。。
フランス国境へ100kmほどのバルセロナの沖合い5~6kmに、新浮島型東京ドーム空母を常駐させるそうだ。。。」
一同
「「「はあ??制海権も取るんじゃん………」」」
「。。。しかも。。。少しでも騒いだらバルセロナのど真ん中に陸軍基地も作ってやるぞ!だと。。。作った後の勤務シフト手配や配置変更、編成組み替え等々。。全部参謀部つまり儂に丸投げなんだ。。。」
一同
「「「マドリードだけって話は?……………」」」
「。。。いくら義親子とはいえ、想定外の事を年から年中言われ、その都度軍事に民間開発の編成をやり直し。。。頼みの小早川隆景殿は陸軍に、竹中半兵衛殿は経済対策と大学運営に東京都に出向しておる。。。儂も大変なんじゃ。。。」
一同
「「「………参謀総長元帥閣下!何時もお疲れ様です!閣下にしか出来ぬ御役目でございます!では明日に備えますので失礼致します!」」」
これ以上居ると何か面倒な任務を与えられると危機感を覚え、全員脱兎のごとく退室していった。流石は戦国時代を生き抜いた大名たちである。
「えっ?いや待て、まだ明日の編成を話しておらぬぞ!待たぬかこら!」
遠藤 斎希
「先日、参謀元帥閣下殿に命じられた通り、明日の軍事編成・行動・時間等すべてプリントアウトして事前に配布しております。
会議は長時間やれば良いと思うな!これからは時短を考えろ!との御言葉!流石で御座います元帥閣下!」
「。。。。。つ、常に先を見るのだぞ斎希。。。」
「はっ!参謀の心得ですね!これからも精進致します!では失礼します!」
会議室に1人残された馬場元帥閣下
「フェリペ2世。。今ごろ何してるかな。。。」
ポツリと呟くのが精一杯だった。。。
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フェリペ2世
馬場信春・参謀総長元帥閣下
責任ある地位にいると大変ですね。。。。。
また明日 m(_ _)m